新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月6日 その2 女人禁制

2018-04-06 17:30:47 | コラム
異文化の手段・相撲界:

この度の「土俵から降りて下さい」という慌てふためいたアナウンスは物議を醸したようだ。だが、私にとっては「マスコミよ、今頃になって何を言うのか」と嘲笑したい思いだ。それは、私は長年「相撲界とはそこに独自の文化があり、我々が住む一般社会とは原語・風俗・習慣から思考体系までが異なる集団である」と主張してきたからだ。そのような世界に育ち、それしか知らぬ者たちが統治している世界に、脇から常識とはと言って聞かせて効果あるはずがないのだ。

それにも拘わらず、我が親愛なるマスメディアというかテレビは、もうこの話題で持ちきりだ。そこにまた古手の相撲担当の記者が現れて能書きを言うのだから堪らない。しかも、「土俵から降りろ」と言ったのは動転したとかの行司だけではなく、その場にいた協会員までが要求したというから、その一般社会の常識からは途絶した彼らの知恵のほどが解ろうというもの。マスコミはこういう点を指摘しないのは八角か池坊様が怖いとでもいうのか。

彼ら非常識世界の住人に教えておきたいことがある。それは、この度のような「非常事態で、例えば来場された要人の生命に関わるような場合には、我が社会の暗黙の了解乃至は不文律の適用もその限りに非ず」とでも明文化しておくことだ。テレビの画面で見た限りではあの場に3名もの看護師さんがおられたようだが、何故に「医療関係者はおられませんか」とアナウンスする知恵が出なかったのかと思う。その辺りが異文化集団の知恵の限界だろう。

あの場合は何が何でも直ぐに救急車を手配すべきだが、そこにお定まりの担架が出てきたのは、我が国のその面での不備が良く表れていて情けなかった。何度でも言うが、我が国のプロがプレーする野球場でもサッカー場でも、負傷者が出ると担架を持ってくるのは誠に恥ずべき後進国ぶりだ。またかと言われても言うが、アメリカに行って見ろ。その為の自動車というかカートが用意されていて、頭や足とうの患部を固定して安全に患者を動かす準備が整っている。

相撲の巡業にそんなことを言っても無駄だろうが、一寸話を変えて、2020年にオリンピックをやろうとお言うのならば、国立競技場の新築も結構だが、それまでにトヨタでもホンダにでも依頼して、そういう事態に備えた車を全競技場に救急用の自動車を準備するようにすべきだろうよ、森喜朗様、小池百合子さん、そういう予算を立てておありかな。担架を担ぎ出して世界に恥をかかぬようお願いします。

近頃不安になることが増えた

2018-04-06 08:33:24 | コラム
<一体どうなることやら:

先ず最大の「良く解らないこと」は金正恩の動きである。最も簡単な話は、韓国の金正恩に会いに行った代表団がホワイトハウスで行った記者会見でトランプ/金正恩会談が“by May”で開催されると言ったとしか聞こえなかったのに、ほとんどのマスコミ報道は「5月中に開催」と報じたこと。あれは私の聞き違いか、英語の理解力が不足かと悩んでいる次第。「5月まで」という風に聞こえたのだが。

次は所謂権威ある専門家様たちのご意見が割れている「金正恩の非公式習近平訪問」の理由というか目的と成果。先ずは「トランプ様が発作的にと言うか側近の誰にも相談せずに決めてしまった首脳会談を控えて、その経緯を習近平にご報告に参上したと言う巧みな作戦説」がある。これを聞いた私は素直に金正恩の巧妙な作戦だと感じ入った。

次には「金正恩は同盟国と言うべきか自国を庇護していて下さる中国との間が疎遠になりかけていたことを反省して、このアメリカとの関係が重大になってきた局面で習近平に忠誠を誓わないまでも、この際関係の修復を図った誠に時宜を得た訪問(何故こう言う時に外遊という言葉が出てくるのだろう)」という解説。これも尤もだと思って聞いた。

私はどの説が本当のことか解らないので弱っている。問題はトランプ大統領が何処まで本気で金正恩を抑えきろうとされているかかなと思う。

最後は(と言って良いかも)「UNの決議もあるがアメリカを始めとして我が国も経済的に一役買っている制裁が、本格的に効果を発揮して金正恩もそれに耐えきれなくなった為に、勿論トランプ大統領との会談の事前の摺り合わせも兼ねて、習近平と会談して『何分の経済的ご援助を』とお願いに出向き、習主席に“愛い奴”と認められた」という制裁の効果を認める説。

私にはどれもそれなりの「そうだろうな」と思わせてくれるが、制裁が効いているという解説は如何にも尤もらしいが、多少制裁を加える側の自画自賛的な感があって、甘いのではないかなとも思わせてくれる。

二番目に関心が深いのが「アメリカと中国の間に貿易戦争が勃発するかも知れないという説。私はアメリカと中国は切っても切れないほど相互に緊密に結びついた輸出入の関係があると思っている。だが、この関係は決して両国間の真剣な合意に基づいてはいないのは間違いないと思っている。アメリカが入超なのは当然で、嘗てあれほど自国の労務費高騰と労組の強硬姿勢に参って製造業を空洞化して輸入偉人に向かったことが大きな要因だと思っている。

それに経験上からも言うのだが、基本的にアメリカは輸出国ではなく国内消費で経済が成り立っている国であるのだが、それ以外に何と言っても問題な点は労働力の質の低さと(現在ではその質の低い労働者層がトランプ大統領の支持基盤になっているが)世界最高のR&Dの能力を活かすべき開発されたアイディアの商業生産化が余りにも劣悪であるのだ。その直接の結果で世界市場における品質面の競合で敗戦が続いていることが、入超の最大の原因である。その入超の最大手が中国であることがあれほどの貿易赤字を生んでいるのだ。

「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」を掲げたトランプ大統領にとっては貿易赤字削減は、理由も根拠もさることながら、絶対に認めることが出来ないのだろうと、私は解釈している。そうであれば、如何に unpredictable な政策を続々と打ち出される大統領であっても、これほど予見可能な手段に打って出られたのは自明の理だと思って眺めている。言うなれば、将に Come hell or high water (何事が起ころうとも)の勢いである。

問題はトランプ大統領が何処まで世界規模での貿易を理解されているかであり、中国と何処かで手を打たれる気があるかが重要だと思っている。その出方次第では世界の経済が揺らぐ危険性は十分にあると思う。それは中国と貿易額が大きい国はアメリカでけではないという意味。

私には誰がどうやって、このもしかしてアメリカ対中国の貿易戦争だけではなく、WTO態勢も何もぶち壊してしまう気かも知れないトランプ大統領の「アメリカファースト」を阻止できるのかと、段々に危機が迫ってくるのはないかと思わずにはいられない。いや、トランプ大統領は如何なる結末が待っているかを読み切った上での作戦なのか、自国の非を一切顧みることなく中国を屈服させる気で打って出られたのかなどは解らない。

但し、長年アメリカの市場と言うよりは現実の小売業等の実態を見てきた経験から言えば、アメリカ経済は中国からのアパレルや雑貨等の非耐久消費財の輸入なしではやって行けないのではないかと、余所事ながら気になってしまうのだ。東海岸にお住まいのトランプ様にはもしかして無縁のことかも知れないが、カリフォルニア州辺りに行ってみれば「あれもMade in China、これも Made in China だ。それ以外に何がある」と叫ぶ小売店のオウナーがいる世界なのだ。

これからは暫くの間、トランプ大統領、習近平(+金正恩)が世界を動かしていく主役になり、折角表舞台に名乗り出て南北統一を成し遂げようかと企図した文在寅大統領は脇役でもなく通行人程度の役回りに落とされそうだ。その時にあって我らが安倍総理が来たるべき17~18日のトランプ大統領との首脳会談で如何にして表舞台に躍り出て、トランプ大統領の参謀役かそれ以上の地位を確保されるかに期待したい。現在はまたもや野党が書類隠蔽だなどと騒ぎ立て始めたが、そんな時期ではないのは明らかだ。