新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月14日 その2 ばかばかしい漫画か

2018-04-14 15:46:22 | コラム
加戸守行前愛媛県知事は言う:

産経新聞をご覧になった方はおられると思うが、加戸氏は取材に応じて目下マスメディアと野党連合が大騒ぎしている愛媛県職員の備忘録騒ぎを “「首相案件」独り歩き ばかばかしい漫画”と断じたと語っておられた。そのかと前知事の語りの中から、私の興味を惹いた部分を抜き出して引用してみれば

>引用開始
首相案件という言葉は、役人は普通使いません。首相や大臣の「マター」というような言葉はよく使う。今回の場合に照らすと、首相が最後に裁くという意味での「マター」。だから、推理だけを言えば、首相マターというのを首相案件とメモにしたのかも知れませんね。(中略)一国の政党の代表が、文書で首相案件だなんだかんだと、あほらしくて予算委員会も見ていられない。

世界は目まぐるしく動き、日米首脳会議を控え、北朝鮮問題もある中で、やれメモが出てきただの、これが正しいというの・・・。まるでばかばかしい漫画を見ているようだ。

<引用終わる

(中略)から後が締めになっているのであり、加戸氏は将に言うべき事をキチンと指摘しておられたと思って読んだ。産経新聞だからこそここまで採り上げたが、朝日新聞以下は例によって黙殺するだろう。あーあ。

大谷翔平はアメリカ全土の野球ファンを熱狂させているか

2018-04-14 08:57:32 | コラム
我が国のマスコミの報道はfake newsに近いのでは:

アメリカの大リーグに転進した大谷翔平君の大活躍ぶりについての我が国のマスメデイアの報道ぶりに接している限りでは、彼はその二刀流とやらを引っ提げた投打にわたる活躍で米国全土の野球好きに評価され、熱狂させているかの如きである。私は大谷君がここまで上手く行っていることは大変結構だが、彼自身が率直且つ冷静に認めているように「何時苦しくなるか解らない時期が来るかに備えている」と述べていたことを評価したい。

実は、つい先日 jiji.com(時事通信である)がLAエンジェルスの地元のカリフォルニア州オレンジ・カウンテイーの地方紙である「オレンジ・カウンテイー・レジスター紙」に勤務する日本人記者である志村朋哉の記事を掲載して「必ずしも米国全土が所謂オオタニ・フィーバーに浮かれている訳ではない」と報じていた。私は極めて尤もであると思って読んだ。その記事の要点を引用すれば下記のように記されていた。

“その内容は米メディアの絶賛ぶりと合わせて日本でも大々的に報じられた。「全米が熱狂」しているかのような印象を与える報道もある中、アメリカでの盛り上がりは実際どうなのか。エンゼルスの本拠地があるオレンジ郡の地元紙オレンジ・カウンティ・レジスターで働く唯一の日本人記者が、現地メディアの一員として米国での評価、盛り上がりを客観的に分析する。”

という書き出しだった。即ち、結論を言ってしまえば米国全土ではなく、地元であるカリフォルニア州、それもオレンジ・カウンテイーのエンジェルスのファンの熱狂であると解釈する方が無難であるという意味だ。志村記者は更に嘗ての英雄、松井秀喜でも一旦NY州を離れれば「松井秀喜とは」と尋ねても「それって誰?」という程度の反応だったし、イチローとてもマリナーズの本拠地である西海岸のワシントン州シアトルでの盛名が高かったと言って誤りではないとまで指摘している。

訳知り顔で言えば「これぞアメリカ」なのである。解りやすくする為に簡単に言えば「アメリカ合衆国」であって、全てが州単位で運営されており、州が変われば州法が変わってしまう国だと、あらためて申し上げておきたい。例えば、米国に行って買い物をすれば8~9%のステートタックス(我が国の消費税に似た感じがある)が加算されるが、オレゴン州にはこの税金は課されないのだ。であれば、往年はワシントン州の住民はわざわざ州境の川を渡って煙草を買いに行っていたものだった。

何年前だったか、米国東部の有力紙ワシントンポスト紙(WP)が当時の民主党の鳩山由紀夫総理を loopy と評して、我が国のマスコミが大騒ぎしたことがあった。それは loopy とはジーニアス英和には「狂気か馬鹿」とあったからである。因みに、Oxfordにはアッサリと not sensible とある。これは「分別がない」か「賢明ではない」ということになる。何れにせよ、一国というか同盟国の総理大臣をこき下ろしたのだった。

私は浅慮にも、このWPの記事がどれほど米国全土に広まっているかと、西海岸のオレゴン州のポートランドに住むIntelのディレクターのJimに「このloopy呼ばわりをご承知か」と問い合わせてしまった。その返信は厳しかった。「考えて見て下さい。よくご存じのように私はオレゴン州に住んでいるのです。ワシントンポストなど読んでいる訳がないでしょう。そういう報道があったなど知りません」だった。恥じ入った。

これがアメリカなのである。米国に行けばごく当たり前のように「自分が住んでいる州から出たことがない」という人に出会うのだ。新聞だって確かに全国で売られているウオールストリート・ジャーナルや、何処に行っても朝にはホテルの部屋に入れてくれるUSA Todayはある。だが、シアトルに市内のニュース・スタンドでNYタイムスが売られているのを見たことがない、という具合だ。

ここまでで十分だと思うが、我が国のテレビや新聞が大谷君が米国全土の野球ファンを熱狂させているかのように報じているのは、fake newsとまで言えば過言かも知れないが、彼は飽くまでも地元で大歓迎され、ファンを熱狂させているのが現状だと捉えている方が普通だと思っている。

いずれ、エンジェルスはアメリカンリーグの全テイームの本拠地がある都市を回って歩くだろうから、少しは知名度が上がっていくだろう。だが、何処に行こうと地元のファンは地元の球団を支持して熱狂するものだと思っている方が無難だと思う。オオタニはブーイングを浴びるのは間違いないと思うが。

余談だが、私はずっと「二刀流」という表現はおかしいと主張してきた。それはフットボールの世界でも偶には攻守両面で出ている選手はいるものだが、その際は「両面」と呼ばれていた。アメリカでは、テレビの音声で聞こえる限りでは Two way となっている。これは絶対に「二刀流」を英訳したものではないだろう。