新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月17日 その2 グラウンド以外で何をしようと

2018-04-17 16:46:30 | コラム
故三原修監督は言った:

三原監督は「プロ野球の選手がグラウンド以外で何をしようと、私はそれを問わない。グラウンドで最善の活躍をすればそれで結構」という意味のことを言った。

25~26年ほど前だったか、W社本社では全副社長兼事業本部長が集められて 「Sexual harassment とは」という講習会が開催された。我が上司は本部に戻って全員を集め概要を語ってくれた。曰く“「君の今日の化粧は綺麗だね」も「今日の服はよく似合うね」も「昨日よりも今日は一段と美しいね」等は皆ハラスメントに該当するほど厳しいから全員心せよ”と聞かされた。皆で「微妙で且つ難しい性質だ」と寧ろ驚いた記憶がある。

この講習会の内容と福田事務次官らしき人の言動とは、どうも根本的に違うのではないかと思えてならない。本社で要注意と警告された内容は「果たして言っている当人が悩ませてやろうか、困らせてやろうと意図しなくても、相手乃至は第三者から見れば『ハラスメント』に該当するから注意せよ」ということ。週刊新潮が槍玉に挙げた台詞は意図せざるも何もないむき出しのそれであり、もしかして「言葉遊び」だったかも知れないほど、本社の講習会のそれとはかけ離れている。

ここで、三原監督の言に戻れば、「財務省でも民間の会社でも、5時を過ぎた後の個人の時間に何をしていようと、その所属する組織の為にかけがえのないほど有能であり、良く働く組織を引っ張っている人物を、グラウンド以外での言動で引きずり下ろすことが、果たして適切なのかどうか」と、私は考え込まされてしまう。福田氏が同じ高校の30期ほど下になるからといって擁護する訳ではなく、グラウンド以外での言動で「汝に指導者や管理職の資格なし」と決めつけるのが許されるのかなと、考え込まされてしまうのだ。

しかしながら、この私が抱く疑問と、財務省と福田次官が新潮社を相手に事を構えていくことが果たして適切なのか、または最善の策なのかは別個の問題だと思うが、如何だろう。


とても気懸かりな財務省事務次官・福田淳一氏

2018-04-17 14:38:16 | コラム
不可解な点が多過ぎないか:

新潮社は以前に「FOCUS」という写真誌を刊行していた。文藝春秋社はその手の週刊誌は手がけてはいなったと記憶するが、今や週刊文春はFOCUS的な役割を果たしているかの感が深い。しかも文春の場合は、最早私が言うところの「マスメディアと野党連合」の重要な一角を占めているかの感がある。彼らは矢張り憲法改正を阻止して、我が国をこの世界が大変動している最中に「専守防衛」だの「第九条頼み」の国にしたいようとしか見えない気がする。

その出版社の週刊誌が今度は財務省事務次官を標的にしてきた。各テレビ局も喜んで飛びついたし、辻元清美のような跳ねっ返りを先頭に野党の連中も「待ってました」とばかりに便乗している。私には福田淳一財務省事務次官という方の日頃の行いや素行など知る由もないのだが、我が国の財政を背負って立ち、さぞかし激職で stressful であろうから、偶には息抜き(a change of air などという表現を聞いたことがあった)も必要だろうとは思う。だが、それも程度問題では。

だが、本当に報道の通りのような振る舞いをされたのであれば、少し軽率だっただろうし、相手が(報道の通りに記者であったならば)小型のレコーダを隠し持っていないかくらいには気を配っていても良かったのではないかと思う。近頃は何かといえば「~ハラスメント(ハラ)」で括って恰も犯罪のように扱う傾向がある。だが、私にはこの度の週刊新潮の特ダネ(なのだろう)を読んだ限りでは、単なるスケベな中年の酔余の戯言のようにも聞こえる。

彼を擁護する気などないが、普段からあのようなことを常習的に言う人物かなとも思った。何処かで、「水商売の女性が相手であれば看過されることだが」と言った人がいたが、私にはこういう事案に対する判断の基準の持ち合わせなどない。

しかし、事がここまでに至ったにも拘わらず、福田氏は真っ向から全面否定にでたし、財務省も庇い続けていく方針を立てられたようだ。弁護士まで立てていくようだ。即ち、完全に事を荒立てて新潮社を提訴するとまで言い出しているのでは「行くところまで行く」との決意の表明であるとしか見えない。私はこの手の週刊誌が先行した言わばスキャンダル報道では、概ね槍玉に挙げられた方が不利で、結末が最初から見えていると思っていた。

そして、現実的には多く場合には言わば所詮は無駄な抵抗をした後で、極端に言えば「野垂れ死」となってしまった実例が多かったと見てきた。何とか無理筋の言い訳をして切り抜けたのは、離党した後で無所属で立候補して当選してしまっただけではなく、不倫相手と名指しされた弁護士を顧問にした山尾某女くらいの物だった。今回はそれとは重みも違う、言わば国とその財政を背負っておられると言っても良い財務省の事務次官である。

勝算があって受けて立たれたのだろうとは思うが、この先に展開されるのは泥仕合の如きではないかと思う時、何処まで考慮された上でのことかと考え込まずにはいられない。いや、正直に言えば「果たして考え得る対策の中で最も賢明なものなのか」という疑問を避けて通れない気がするのだ。それだけではない、「国の内外の情勢があちこちでこれほど揺らいでいる最中に、財務省が時間を費やしてまで事務次官の名誉を守ることに集中していて良いのか」と考えさせられてしまうのだ。

戦い抜いて、新潮社とあの資料を新潮社に提供した記者を屈服させたとして、その後に何が残るのだろうか。私は何が本当の出来事であるかなどは知る由もない。虚報か誤報か、所謂 fake news であったのならば、トランプ大統領のように徹底して戦うのも良いだろう。いや、fake だったと証明され福田氏がこのまま留任されれば最善の結果だが、果たしてどうなのだろうか。モリだのカケだのとは違った何とも言えない不快感を禁じ得ない案件ではある。