「頂門の一針」第4744号の渡辺好造様の「日本語をなぜ“片仮名文字”にする」に思う:
この掲題では「頂門の一針」をお読みではない方には何のことか不明でしょうが、渡辺好造様は30語を採り上げられておられた。このようにカタカナ語の濫用を戒める渡邊好造様の評論は、私のような長年のカタカナ語排斥論者には非常に有り難いと感謝したい思いで拝読。しかしながら、私は英語の視点から見て論じておりますので、カタカナ語の濫用は我が国の英語教育の至らなさと、日本語の破壊に繋がる漢字文化の否定が気に入らないのです。
それに肝腎の問題点として採り上げたいことは「日本語には漢字の熟語があるので、少ない字数で含蓄の多い表現が可能ですが、英語の単語にはそういう機能がないことが分かっていない連中が、無闇矢鱈にカタカナ語として使いたがることがあります。例えば、渡辺様も30語の中に採り上げておられた「コラボレーション」などがその一例です。私はこういう言葉があるとは承知しておりましたが、20年以上に及んだアメリカの会社勤めで使ったこともなく、使われたのを聞いた(見た)経験がなかったと記憶します。
それが、我が国では何処のテレビ局が言い出したのか、有識者様が使われたのか知りませんが、「コラボ」という短縮形まで出来てしまう始末。これと同じ事を表現せよと言われたら、私は迷わず 「to work together with 誰それ」 としたと思います。Collaboration は極めて固い文語調(我々は big word と呼びますが)で、日常でも社内の報告書でも使わないでしょう。私が示したように易しい言葉を多く使って分かりやすく書くのがコツなのですから。
他にも奇異な感があるのは「ガバナンス」です。これも使った記憶はありませんし、聞いたこともなかったと思います。これは屡々「統治能力」という意味で使われているようですが、どう考えても、Oxfordを見ても「統治」でしょう。大体からして、「このような一つの単語で表現するよりも、沢山の言葉を使って解りやすくせよ」と教えられました。
そうかと思えば、既に何度か採り上げた例ですが、grow という言葉を知らなかったらしい我が同胞が Children become big. と会話の中で言われたのを聞きました。これはおかしな表現ですが、見事に字数を使って「子供が大きくなった」という意味を表していました。但し、時制は出鱈目でしたが。こういう言い換えの力を養うべきであり、その為には単語をバラバラに覚えずに、例文を覚えて流れの中でその使い方を学ばせるべきなのです。そうすれば、一つの言葉がどのように使い分けできるかも解ってきます。
次に遺憾なことは意味の取り違えと誤読してカタカナ語化してしまう傾向です。例えば「リベンジ」は松坂大輔が使い始めたのですが、この動詞は目的語をとらねばならない動詞なので「誰に仕返しをするのか」を明らかにするべきなのです。渡辺様は例に挙げておられませんでしたが、トム・クルーズ主演の Mission Impossible を「インポッシブル」と表記するのは酷すぎます。辞書を見ればアクセントを「サ」に置いて「インパサブル」に近い発音記号になっていますが。
こういう例は他に多数ありますが、それらは既に「和製英語(カタカナ語)と造語」で採り上げたので省きます。だが、私は間違えたカタカナ語をテレビ局が濫用するのが寒心に堪えません。例えば「フリップ」というのも最悪の例で、flipという単語に「表」という意味などありません。あれは疑いもなく flip chart の最初の単語をとって「表」か「図表」に使ったのでしょう。こういう頭の言葉を採った例は無数にありますが、野球中継で「タイムリー」と言っているは嘗ては「タイムリー・ヒット」だったものが、何時の間にか「タイムリー」になってしまったようです。それを聞いた方が正しく理解するのも凄いと思いますが。
しかも、肝腎のMLBでは最早「タイムリー・ヒット」は使われていないようです。アメリカでの表現は「打点」を表す runs batted in を省略した RBIが使われて RBI double(打点を取った2塁打)のように言っているのを聞いたことがありました。「シングル・ヒット」というのもおかしなカタカナ語で、これでは「1本のヒット」という意味になってしまうでしょう。英語は base hit と言っているようです。
また、機会があればカタカナ語を論じたいと思っております。
この掲題では「頂門の一針」をお読みではない方には何のことか不明でしょうが、渡辺好造様は30語を採り上げられておられた。このようにカタカナ語の濫用を戒める渡邊好造様の評論は、私のような長年のカタカナ語排斥論者には非常に有り難いと感謝したい思いで拝読。しかしながら、私は英語の視点から見て論じておりますので、カタカナ語の濫用は我が国の英語教育の至らなさと、日本語の破壊に繋がる漢字文化の否定が気に入らないのです。
それに肝腎の問題点として採り上げたいことは「日本語には漢字の熟語があるので、少ない字数で含蓄の多い表現が可能ですが、英語の単語にはそういう機能がないことが分かっていない連中が、無闇矢鱈にカタカナ語として使いたがることがあります。例えば、渡辺様も30語の中に採り上げておられた「コラボレーション」などがその一例です。私はこういう言葉があるとは承知しておりましたが、20年以上に及んだアメリカの会社勤めで使ったこともなく、使われたのを聞いた(見た)経験がなかったと記憶します。
それが、我が国では何処のテレビ局が言い出したのか、有識者様が使われたのか知りませんが、「コラボ」という短縮形まで出来てしまう始末。これと同じ事を表現せよと言われたら、私は迷わず 「to work together with 誰それ」 としたと思います。Collaboration は極めて固い文語調(我々は big word と呼びますが)で、日常でも社内の報告書でも使わないでしょう。私が示したように易しい言葉を多く使って分かりやすく書くのがコツなのですから。
他にも奇異な感があるのは「ガバナンス」です。これも使った記憶はありませんし、聞いたこともなかったと思います。これは屡々「統治能力」という意味で使われているようですが、どう考えても、Oxfordを見ても「統治」でしょう。大体からして、「このような一つの単語で表現するよりも、沢山の言葉を使って解りやすくせよ」と教えられました。
そうかと思えば、既に何度か採り上げた例ですが、grow という言葉を知らなかったらしい我が同胞が Children become big. と会話の中で言われたのを聞きました。これはおかしな表現ですが、見事に字数を使って「子供が大きくなった」という意味を表していました。但し、時制は出鱈目でしたが。こういう言い換えの力を養うべきであり、その為には単語をバラバラに覚えずに、例文を覚えて流れの中でその使い方を学ばせるべきなのです。そうすれば、一つの言葉がどのように使い分けできるかも解ってきます。
次に遺憾なことは意味の取り違えと誤読してカタカナ語化してしまう傾向です。例えば「リベンジ」は松坂大輔が使い始めたのですが、この動詞は目的語をとらねばならない動詞なので「誰に仕返しをするのか」を明らかにするべきなのです。渡辺様は例に挙げておられませんでしたが、トム・クルーズ主演の Mission Impossible を「インポッシブル」と表記するのは酷すぎます。辞書を見ればアクセントを「サ」に置いて「インパサブル」に近い発音記号になっていますが。
こういう例は他に多数ありますが、それらは既に「和製英語(カタカナ語)と造語」で採り上げたので省きます。だが、私は間違えたカタカナ語をテレビ局が濫用するのが寒心に堪えません。例えば「フリップ」というのも最悪の例で、flipという単語に「表」という意味などありません。あれは疑いもなく flip chart の最初の単語をとって「表」か「図表」に使ったのでしょう。こういう頭の言葉を採った例は無数にありますが、野球中継で「タイムリー」と言っているは嘗ては「タイムリー・ヒット」だったものが、何時の間にか「タイムリー」になってしまったようです。それを聞いた方が正しく理解するのも凄いと思いますが。
しかも、肝腎のMLBでは最早「タイムリー・ヒット」は使われていないようです。アメリカでの表現は「打点」を表す runs batted in を省略した RBIが使われて RBI double(打点を取った2塁打)のように言っているのを聞いたことがありました。「シングル・ヒット」というのもおかしなカタカナ語で、これでは「1本のヒット」という意味になってしまうでしょう。英語は base hit と言っているようです。
また、機会があればカタカナ語を論じたいと思っております。