新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月25日 その2 真のリーダーとは如何なるものか

2018-07-25 15:24:18 | コラム
真のリーダーとは何だろうか:

24日の朝に私が提起した岸田文雄氏が総裁選挙を回避を論じたことを切っ掛けに畏メル友YO氏とRS氏がそれぞれ卓見を述べて下さった。私はその中からS氏が問いかけられた「真のリーダーとは何でしょうか。」を考えて見ました。私はウエアーハウザーで経験したビジネスの世界での理想的なリーダー像を語ろうと考えたのでしたが、その前に日本の会社で複数の所謂「やり手」の新任の2人の部長さんが披瀝された決意は私の印象に残りました。それは

前任者の路線を踏襲し、それまでに無難に通用してきた運営方式を選ぶのも良いだろうが、それでは男子一生何をする気だったのかと問われかねない。私は是非とも改革を断行して私なりの新機軸を出していきたい」

という決意の表明でした。だが、先例が重んじられる日本の伝統的な企業では、かかるやり方は中々周囲にも上司からも受け入れられないような気がしました。だが、このお二方はやってのけました。実績も上がりましたが、諸般の社内事情や健康上の問題も発生して、ともに役員になれずに終わりました。外から見ていても「勿体ない人材の無駄遣いかな?」という感もありました。

アメリカの会社で見た強力なリーダーとは(現在のトランプ様とはやや趣を異にしますが)「エッつ、そのような荒療治をして良いのですか」と問いかけたいほど、斬新な構想で本部長に着任早々に事業部の改革を断行していきました。その改革の主要な狙いの一つに人員削減にも依るコスト軽減がありました。さらに上記の例にも似ていましたが、嘗てその事業部門では考えられなかったような従来とは異なる発想による斬新な製造設備とコストの合理化を断行しました。

人事管理の面では非常に非情で、彼の着任以前に長い間管理職の座に止まっていた多くの年長者を遠慮会釈なく切っていきましたが、一人ひとりに会社の内外で次の職を斡旋していました。また、無理ではないかと思えるほどに、これと見込んだ者には広範囲の仕事を与えましたが、その分の年俸の引き上げがあったようでした。その原資は整理した古手の管理職の給与から捻出したようでした。

と言ってくると、前例がなく思いきった合理化によるコスト削減により利益を伸ばすことが出来る者が(「真の」か否かは断定出来ませんが)営利企業での強力なリーダーだと言えると思いました。このリーダーは事業本部長に就任した時に39歳でした。部員のほぼ全員が彼よりも年長者でした。これでお察しかも知れませんが、私がな年か経ってきた私の生涯最高の上司のことでした。

彼は部下に色々と難題を与えるのですが、本人は朝は7時過ぎには出社して、夜は9時でも10時でも必要があれば残っていましたし、土日もなく国の内外を飛び歩いて働いていました。アメリカでは上司の顔色を見て仕事をする仕組みではありませんが、上司が働き者であれば、部員もそれに倣っていくようだと知りました。「身を以て範を示すこと」がリーダーの重要な資質だと実感させられました。


岸田文雄氏は総裁選挙を回避

2018-07-25 08:10:06 | コラム
決断力に欠ける指導者は時代遅れでは:

岸田文雄という人は外務大臣を務めていた頃から、非常に慎重に事に当たり処理することを常に心掛けている奥床しく礼儀正しい人だとの印象があった。綺麗事を言わなければ、優柔不断であり「エイヤッ」と割り切って決断し行動に移せない型だと見ていた。だが、マスコミ情報では安倍総理の後を狙う有力な候補者の一人だとされていた。だが、報道によれば来る9月の総裁選挙には仮令出ても安倍総裁と石破元幹事長に次いでの三番手ではと見て、散々時間をかけた後で見送りの判断をしたようだ。

岸田氏の判断は兎も角、現在の世界の大国の指導者たちを観察してみれば、トランプ大統領、習近平国家主席、プーテイン大統領、金正恩委員長等々と、決断力があって独断専行、自分と自国利益最優先、横暴、旧来の秩序や観衆の無視乃至は破壊、劇場型等々の際だった特徴を備えている個性豊かで強力な人物が多い。ここに掲げた項目の全てが彼ら一人ひとりに当て嵌まりはしないが、彼らにはそれぞれに豊かな個性が認められると言えるだろう。その点では、我らが安倍総理にはそれほどの個性は認められないと思う。

要するに、時代の変化と流れが極めて速くICT化が劇的に進み且つ普及しつつある時にあっては、一国の指導者が引っ込み思案や決断力不足や優柔不断では、世界中で毎日のように起きている変化に思い切って対応できないと言って誤りではないと思う。トランプ大統領のように次から次へと予想もしていなかった新機軸(横車を押す)を打ち出して、諸外国を巻き込んでいくような指導者に対応する為には、「どうしようか」と迷っていては追い付かないのではないかと思うのだ。

しかも、そのトランプ大統領に眦を決したか否かは不明だが、挑まれた貿易戦争に対応していこうとする習近平はDPRKをその庇護の下に置き、一帯一路を推進し、軍備を一層強化し、アフリカの後発国を手なずけようと試み、太平洋の一部を自国領と称して埋め立てどころか軍事関連の設備の建設までを強行している。金正恩というかDPRKの振る舞いについて今更私がここに云々するまでもあるまい。プーテイン大統領も安倍総理と会談を重ねるが一向に譲歩はしない。

私はこういう世界の情勢下にあっては陳腐な言い方だが、我が国の指導者たる者には「彼らにも勝る強烈なリーダーシップと素早い決断力」が必須であると思うのだ。その点では、岸田氏にはお気の毒だが、見送ったのは良かったと言わざるを得ないのだ。