新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカの会社での仕事の進め方

2018-08-15 09:13:52 | コラム
私は製造業界でしかも装置産業での働き方を語っているのだ:

私が経験した範囲では製造業の本部の事務方は相当以上の所謂「残業」をしていたようである。彼らに「残業代」が支給されていたかどうかを確認したことはないが(そんな余裕はなかった)、内勤の事務方にもマネージャーのタイトルを持っていた女性はいた。

彼らの勤務時間は寧ろ男性よりもかなり長くきつかったと思う。特に、毎月20日で受注を締めきる間際は先ず定時間内にはオーダーが入ってこないので、夜は何時まででも帰らずに在席していたと思う。その時期に帰れないのは我々東京事務所の要員も同様だった。

私が経験した範囲では製造業の本部の事務方は相当以上の所謂「残業」をしていたようだ。彼らに「残業代」が支給されていたかどうかを確認したことはないが(そんな余裕はありませんでした)、内勤の事務方にもマネージャーのタイトルを持っていた女性がいました。

彼らの勤務時間はかなり長くきつかったと思う。特に、毎月20日で受注を締めきる間際は先ず定時間内にはオーダーが入ってこないので、夜は何時まででも在席していたと思います。その頃に帰れないのは我々も同様でした。

ここまででは銀行勤務が長かった畏友尾形氏の意見と「アメリカの会社での働き方についての見解に多少食い違いがでているか」と思うが、それは私が製造業の中でも典型的な装置産業であり尚且つ受注産業である紙パルプ産業界というか製紙産業における働き方を論じてきたからであると思う。

それは尾形氏が勤務された銀行とは「何か具体的な製品を作って広く市場に販売する業種ではない」ということが違いを生む原因だと思っている。製紙産業では兎に角主たる生産設備である抄紙機を導入し、それを年間最短でも350日間絶えず動かして最高の能率を上げていくしかないのだ。その為には機械を24時間で同じ品種の生産で1週間でも回し続けられるだけの受注を確保するのが絶対的な前提条件となる。即ち、装置産業とは受注に依存する業種なのである。また、見方を変えれば「時間を売っていること」でもあるのだ。1週間よりも10日間回せるだけの注文を下さるお客様が有り難いのだ。

その為に副社長兼事業本部長以下全員が懸命になってアメリカ国内はいうに及ばす世界中の見込み客を訪ね回って、少しでも抄紙機が休むことなく操業し続けられるような受注活動に励むのである。そこには従来型の原紙の受注もあるが、新規の容器ようの原紙を需要家や乳業会社と提携して開発して市場を広めていくという、当たり前のような技術的努力も欠かせないのだ。その為には新規開発商品の促進を手がける研究部門の博士(Ph.D.)やMBAを雇用して備えておかねばあらないのだ。

しかもその新製品たるや工場の抄紙機を2~3日程度しか動かさないようでは余程高く売れるような製品ではない限り採算には乗らない危険性があるのだ。だが、少量だからといって軽視すると、新製品などと言うものはいつ何時飛躍的に売れるかの見通しは立ちにくいのが難しいところである。現在の屋根型の牛乳パックの形はもう60年近くの間不変である。しかし、テトラパックなどはプラスティックの開閉可能な口せんを付ける形の新容器を既に市場に送り込んでいる。

働き方の本筋とは一寸離れるが、原紙のような原材料の供給という業種にあったはユーザーというか中間に立つ加工業者が如何にプラステイックとの材料との組み合わせを考えて新型で効率が良い容器を産み出していけるかにその成長がかかったいるのだ。換言すれば「何時までも屋根型の容器に縋っていて良いのか」という問題でもある気がするの