新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月5日 その2 中国市場の難しさ

2018-08-05 10:33:22 | コラム
中国は常温流通が主体の市場だった:

中国には我が国に遍く普及している上部が屋根型の牛乳パックは流通させるのが極めて難しいようだった。それは、我が国のスーパーマーケットで見て欲しいので、そこには牛乳もジュースも低温に保たれた冷蔵用のケース(棚)で販売されている。そして、そのパックの乳業工場からスーパーまでの輸送も低温流通のトラックを使わねばならないのだ。アジアでは我が国と韓国にはその低温流通機構が出来ており、アメリカやオーストラリアやEU圏内には低温流通機構が整っている。

しかしながら、中国や東南アジアの諸国には常温流通のシステムしか機能してないので、屋根型の牛乳やジュースのパックは輸送も販売も出来ない次元にあるのだ。常温でも輸送が可能で店頭でも普通の棚に置いて販売可能なパックは、現状ではスエーデンのテトラパックが製造する長方形で縦長のパック(製品名はブリックパック)のみなのなのである。このパックは色々な飲料用に我が国でも広く流通している。

しかるが故に、嘗てW社は中国への低温流通でしか輸送が出来ない屋根型用パックの原紙の輸出を計画することはなかった。もしも、何時の日か人口が13億人の中国に低温流通機構が完備したならば、屋根型パック用の牛乳パックの原紙の需要を一手で賄える国は、W社が撤退した今となっては、世界の何処にもないだろう。我が国の1億2,000万人の人口での牛乳の消費量は減少の一途で、パック用の原紙の需要も最盛期の25万トン/年が今では18万トンほどにまで縮小した。

その背景には消費者の趣向の変化もあるし、多くの新品種の飲料も増えたこともあれば、牛乳そのものの消費がそれほど減少したようだ。その原因の一つが人口減少に伴って学校給食用の需要減もあると聞いている。

私は我が国のパック用の原紙の需要の数字は中国の将来の需要を計算する基礎にはなり得るかは疑問に思うが、彼らの生活水準が上がった場合の牛乳の消費量を考えると、何れにせよ途方もない原紙の需要が生まれるのは間違いないだろう。アメリカの世界最大の製紙会社・インターナショナル・ペーパー(IP)はそこを当て込んで中国資本と組んで中国に40万トン/年の能力の工場を建設したが、結果としては昨年までで撤退の止むなきに至った。IPともあろう企業が読み違いをしたようだった。

この原紙の製造は技術的にも非常に難しく、しかもある程度以上の大型のマシンで製造しない限り採算が採れないのである。この40万トンマシンでは我が国の現在の需要の倍以上も出来てしまうのだ。そのマシンを低温流通しか出来ない中国に建設したのは時期尚早だったようだ。また、仮に現地資本が世界一の製紙会社と組んでも、中国のメーカーの技術で簡単に作れるような紙ではないのだと立証したようでもあったようだ。勿論、我が国の技術を以てすれば製造できるが、40万トンマシンを導入すれば実需要の倍以上も出来てしまうのだ。故に輸入に依存したのだった。

事はれだけに止まらず、中国の市場とは何かにつけても、それほど将来性が読みにくい市場だということでもあったようだ。我が国の10倍の人口があれば、大雑把に計算すれば年間に180万トンもの需要がある事になってしまうのだ。だが、IPの40万トンマシンでも撤退の憂き目に遭っていたのが現実だったように、難しい市場だった。


18年7月の新宿区の人口に思う

2018-08-05 09:44:11 | コラム
18年7月に前月比0.02%減少して345,347人に:

最初に指摘しておきたいことがある。それは私は我が国の政府も一般人も外国人に対して甘過ぎるし、有り難がるというか、無意味な敬意を表し過ぎると思う。観光で来る連中は兎も角、居住しようと狙ってくる連中は条件さえ整えば国民健康保険にも加入できる制度さえあるのだ。苦しい健康保険の財政状態がありながら、そこまでやるべきなのかと、不思議に思えてならない。

大病院でも街の医院でも、アジア系の国保の保険証を持参する患者が多いが、何故か韓国人にはほとんど出会わない。中国人よりは少ないと言うだけで、我が国に住まう韓国人は数多くいるはずなのに。彼ら専用の医院は職安通りに1軒あるし、歌舞伎町の中にもありとテレビの報道で見た気もするが。

そこで人口である。我が国の猛暑に辟易となったのか、外国人が減少して7月の新宿区の人口はほぼ横ばいという珍しい現象を見せた。そう言われて見ればなどという気もするが、確かに偶に出てみる大久保通りでも、ガラガラとトローリーケースを引き摺って移動するアジア系の者たちの姿を余り見かけなくなった。それかあらぬか、我が家と高田馬場駅との中間にあったかなり大きな日本語学校の4~5階建てのビルが解体され、その更地に新設されるのは三菱地所が建設するアパートのようだった。これもまた珍しい現象と言えるだろう。

昨日は猛暑の中に涼を求めて6月から開店したドンキホーテの地下の食料品売り場には行ってみたが、折角新鮮な野菜類が格安で売られていても中国人を中心とするアジア系の若者たちの姿をまるで見かけなかった。恐らく彼らは自炊はせずに冷凍食品でも買うのか、何処かのジャンクフード店ででも食事をしているのだろう。だが、不思議なことに、大久保通りの山手線の外側というかJR大久保駅方向には中国料理屋は小さなカウンターだけの店が2軒あるだけだ。

一昨日は大久保通りの山手線の内側の明治通り寄りを歩いてみたが、若い女性たちが群がる韓国のホトック等の食べ歩きが出来る食品を売るカウンターだけの店と化粧品店等の賑わいは、現在の猛暑の下でも往年のKoreatownの勢いを彷彿とさせる人気振りだった。私には折角の夏休みを利用してまで食べに来るほどのものではないとしか思えないが、兎に角若い女性が押し寄せているのだ。その中にあって昨年開業したつけ麺の大勝軒が店じまいしていたのが印象的だった。若い女性の興味を惹く食べ物ではないのは明らかだった。

毎回同じ事しか言えないが、業務スーパー「河内屋」で常に異邦人が数千円も投じて調理済みではない食料品を大量に買い込んでいく様子を見れば「この店は何の為に、誰の為にあるのか」と疑問に感じてしまう。しかも、その隣に開店したドンキホーテにも外国人には人気があるようだ。私はこれらの2店は本気でアジア系の者たちの需要を狙っているのかと疑ってしまう。飯田橋でアジア料理店を営んでいるネパール人は「大久保通りは客の資力に疑問があるので出店を避けた」と明言していたにも拘わらずだ。

7月には区全体の人口は76人と僅かに減少して345,347人となった。その中で日本人は241人も増加して、302,424人となっていた。一方では外国人は減少傾向が続き317人のマイナスで42,923人となった。彼らが総人口に占める比率は12.4%で、前月の12.5%から僅かに低下していた。

新大久保駅前のイスラム横町のハラルフード店の賑わいは相変わらずで、東京都内どころか都外からもイスラム教徒が押し寄せているようだ。それは車のナンバープレートで解る。私には都内には他にハラルフードを買える店がないのかと思わせてくれる。その直ぐ裏の路地には彼らが共同で利用する倉庫の如きビルがあるが、その辺りの汚さというか不潔感は、少なくとも私には極めて不快である。新宿区役所はこの辺りを指導できないのだろうか。

このまま彼らのやりたい放題を放置して良いとは思えないのだが。私は「彼らに我が国でなければ新宿区が好き勝手に食い物にされている」としか思えないのだ。

私はアジア系という表現を用いているが、その中でも圧倒的に多いのが中国人であるのは確実だ。日本語学校に通っている連中の言葉を聞いていれば北京語が多いのだ。だが、この界隈のコンビニ等で働いている外国人に中国の若者は少ない。彼らはどうやって生計を立てているのか不思議に思えてならない。彼らは何処で働いているのだろうか。親から仕送りがあるのか。まさか!

私は政府が懸命になって観光客を誘致しようとされるのは勝手だが、一方ではこういう我が国にとっての負の面を生じていると認識して貰いたいと願っている。ある新宿区議は百人町/大久保界隈は未だスラム化していないので現状のままでも良いのだと言っていた。認識が甘いと思った。私は早急に流入人口対策を講じるべきだと言いたい。それとも少数民族の人口を増やして区民税の増収でも図ろうというのか。まさか増加分でGDPの数値を伸ばせるとでも考えているのか?

アメリカは合法化非合法化は別にして2000年代に入って数千万人も人口が増えてその分だけでもGDPを押し上げたと私は推定している。それでもトランプ大統領はイスラム教徒を始めとしてメキシコ等からのヒスパニックの流入に対して厳しい制限策を採っている。私にも賛成したい部分もあるが、世界はEUが苦しんでいるように難民を主体に人口の移動が激しい時代に入った。何れは我が国にも現実的な対応を迫られる困難な時期がやってくるだろう。

トランプ大統領ではないが「我が国を利用しようとする国とその国民が増加傾向にある」のは明らかではないのか。現在の我が国と言うか新宿区に他国の食い詰め者を養うほどの経済的且つ財政的な余裕があるとはとても思えないのだが。

参考資料: 新宿区広報しんじゅく 平成30年8・5