新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ジャパンXボウル観戦記

2018-12-18 08:43:02 | コラム
アフリカ系アメリカ人の身体能力を見せつけられた:

17日夜は、これも矢張りNHKがBSでしか中継しようとしないフットボールのジャパンXボウルの試合を観戦していた。そこで掲題のように「今更ながらアフリカ系アメリカ人の優れた身体能力と運動神経」をイヤと言うほど見せつけられた結果になった。あの富士通フロンテイアーズ対IBMビッグブルーの対戦は、私が日頃から疑問を呈しているというか「何故日本人だけのクラブがないのか」というラグビーのトップリーグか日本代表と同じような外国人依存の傾向が今までより一層顕著になっていた。

私は事ラグビーに関してはそれを回避して欲しいとは言っていないのであり、日本人だけのテイームを結成したら世界に何処まで通用するかが見たいだけなのである。ラブビーの場合には所謂アフリカ系の選手は少ないが、野球、陸上競技(マラソンを含めて)、バスケットボール、ヴァレーボール等々ではアフリカ系の人たちの存在というか、その類い希な身体能力、体幹の強さ、(生まれ持った?)運動神経の発達が近年益々スポーツの世界を圧倒し始めているのだ。

フットボールはそもそも我が国では頭に「アメリカン」という、私に言わせて貰えば要らざる接頭語が付けられているが、アメリカが発祥の地である競技なのでその水準はNFLが示すように、我が国とは比較できないほど高いところにある。それだけではなく、NFLでも大学のNCAAにも多くの優れたアフリカ系の選手たちがいるのも事実である。NFLの水準がどれほど高いかといえば、未だ嘗て我が国の最高水準にある選手たちでも、そのリーグのテイームに採用された例がないことからも明らかだ。

言葉を換えれば、そのNFLには採られなかったような白人を含めたアメリカ人の選手が我が国にやって来て大学やXリーグなどでプレーすれば、少なくとも我が国の水準からすれば「超」を付けても良いだろう水準にある事を示す活躍をするのである。その良い例が昨夜の試合でMVPを獲得した富士通のトラショーン・ニクソンというアフリカ系ランニングバック(RB)は言うなれば2~3試合分とでも言えるような「ランプレー」によるヤード数を稼いでいた。IBMのデイフェンスは最後まで彼を止めきれなかったのだった。

しかも、このニクソンという選手は昨年までは「ラインバッカー」(だったか)という守備側のプレーヤーだったのだが、その才能を見抜いた藤田ヘッドコーチが攻撃側のRBに転向させてその能力を開花させたのだそうだ。げに恐ろしきはアフリカ系の選手たちの適応能力と身体能力だと痛感させてくれた走りっぷりだった。富士通ではそのニクソンを上手く使ったQBも新加入の白人のアメリカ人だった。またIBMのヘッドコーチ兼QB兼オフェンスコーデイネーターも白人だった。私はラグビーとは違った意味で、今度益々アメリカ人を採用してテイームの強化を図る傾向が出てくるだろうと思いながら眺めていた。

そういう視点から昨夜の試合を見ていると、フットボールのように外国人(アメリカ人という方が正確だろうが)を採用する傾向が出てくるだろうが、既にバスケットボールではアメリカの大学でレギュラーを張っている八村のようなアフリカ系の父親を持つ選手が抜群の才能を発揮している。陸上競技のトラック種目には既に2人の何時かは10秒を切るだろうと期待されるアフリカ系の父親を持つ100 m走者が出ているではないか。

私はこのような現象と昨夜のフットボールの試合を見て、スポーツの世界では(陳腐な表現だが)選手の国際化が蔓延していくのではないかと思わせられていた。言うなれば「時代の変化」だろうし、「止められない次元に達した時の流れ」なのである。私は外国人選手が増えることに色々と批判的なことを言うが、昨夜のトラショーン君のような素晴らしいランプレーを見せて貰えるのならば、それを単純に「素晴らしい」と割り切って楽しんで見ていれば良いのかも知れないとも考えている。

私だって時代には逆らわないようにする心の広さだって用意して観戦する意志だってあるつもりだ。アメリカに行ってご覧なさい。プロスポーツの世界の有名な選手は能力抜群のアフリカ系が圧倒的であり、そこではまた彼らが素晴らしいプレーを見せてくれるのだ。アメリかではスポーツは素晴らしい「エンターテインメント」の世界でもあるのだ。