新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

マスコミの功罪を問う

2018-12-20 14:44:15 | コラム
年功序列がお好きか:

フランスのマクロン大統領:
このマクロン大統領の就任時には我が国のマスコミが挙って採り上げて、その37歳だったかの「若さ」を礼賛したのは未だ諸賢の記憶には新しいだろうと思う。そのマクロン大統領は目下のところフランスを二分化してしまったとも識者が言う、下層の階層にある者たちの黄色のベストを着けたデモ隊に、恐らく就任以来最悪の事態に遭わされていると思って見ている。私の得意とする「閃き」では、彼が余程巧妙に下層の民を懐柔可能な政策を可及的速やかに打ち出さない限り「野垂れ死に」しかねないと出ている。

我が国のマスコミは「若年者」か「未成年」の活躍を殊の外歓迎し、更にその人物が外国人であった場合は礼賛一色しかない傾向が顕著なのだ。長年外国人の中で過ごしてきた私には、戦後70年以上が過ぎても未だに「紅毛碧眼」がそれほど有り難いのかと、非常に遺憾な思いで彼らの時代と国際感覚の欠如を情けなく思うと共に嘲笑ってきた。マスコミが我が国民は彼ら欧米人に勝るとも劣らないと認識できないな時代遅れの感覚は怖いくらいだ。

その彼らが称えまくった若きエリート大統領は全く下情に通じていなかった様子で、全ての点で彼ら下層階層にある連中に不利な政策を打ってしまった結果が、今回のデモ騒動である。この点では間もなく40%を超えて半数に達するだろうプーアホワイト以下に受ける公約の実行と新たな政策を次から次へと打ち出し、彼らにも解る言葉遣いで語りかけて盤石の(?)を支持を得ているトランプ大統領と余りにも対照的である。

マクロン大統領の失政振りは先週の週刊文春の「時々砲弾」と題した宮崎哲弥のコラムに非常に詳しく且つ適切(なのだろう)に解説されているから、ご用とお急ぎでない方はバックナンバーを入手されて一読されたら如何かと思っている。テレビのニュースや新聞記事を見る限りでは宮崎哲弥ほどの厳しい評論もないのは、マスコミの連中には「今更、掌返しが出来ない」からかと思っている。私は欧米人の礼賛は好い加減にすべきであり、彼らの猛省を促したい。

スポーツの分野では:
ここでも彼らは「年少での記録を樹立した」とか「10代半ばで海外で華々しい活躍をした」とか「その若さ世界を驚かせた」というような記事が大好きなのである。より正確に言えば、言わば「逆年功序列」で未成年(18歳以下か)の国内ではなく「海外での活躍」を我が事のように喜んで過剰に報道する傾向が顕著なのだ。最近では卓球の張本智和(現時点では中学生)と美誠/ひな(18歳)、フィギュアースケートの紀平梨花(16歳)がその対象になっているようだ。

私も彼らの世界の強豪を寄せ付けなかった活躍振りは素晴らしいとは思って見ているので、十分に評価している。だが、評価に値しないのかマスコミ報道である。彼らは「何故未成年の若者たちが世界の第一線であそこまでやっていけるのか」についての分析が一切なくて、唯々礼賛・賞賛のみである。何故二十歳を過ぎると勝てなくなっていくかの解説など見たことも聞いたこともない。片手落ちではないか。

私は卓球などはあれほど鋭い打球が色々と変化して飛んでくるのを打ち返す為には、若さに裏打ちされた反射神経と運動神経に加えて動体視力が一般人とは異なって相当以上優れているのだろうと考えている。故に、既に彼らマスコミが言う「ベテラン」に成り果てた水谷隼が張本に勝てなくなったのではと考えている。辛い競技であるような感じで捉えているのだが、誤りであろうか。

フィギュアースケートの世界に対しては私は昨年だったかに「浅田真央が勝てなくなってしまったのは、20歳台も半ばを超えた彼女は体格が『成熟した女』のそれになってしまったので、腰から下に肉が付き過ぎたし皮下脂肪も大人のような厚みに達して、素早く動くとか高く飛ぶには不向きな体になってしまっただけ」と指摘したことがあった。何処からも何らの反応もなかった。

あの秋田犬を貰ったザギトワだったか、誰かロシアの少女は皮下脂肪が6%だと言うではないか。それだけを考えても、20歳以下の女子が有利だと解りそうなことだ。マスコミにもそういう論説を展開して貰いたいと思っている。解説者の中にも少しは厳しいことに触れる者もいるが、所詮は同じ世界に住む以上広岡達朗氏や野村克也氏のような「言いたい放題」が出来ないので、生煮えの解説や報道しか出てこないのだと思っている。ここでは「マスコミに若年者礼賛も好い加減にしろ」と言って終わる。とは言ったが、罪ばかりで功は採り上げなかった。