新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

だから言ったじゃないか

2018-12-14 13:26:54 | コラム
だから言ったじゃないか:

私は常々「我が国は海外向けの英語(乃至は外国語)で発信する情報量が余りにも少ない」と批判し且つ嘆いてきた。また昨13日には「温和し(音無)過ぎる我が国」と題して、韓国大法院の無法な“war time Korean workers”判決に対しての対抗措置が不十分だと論じたばかりだった。また何年前のことだったか失念したが「アメリカの有力な新聞“USA Today”が我が国の内閣総辞職をベタ記事で報じていたことを嘆いて見せたこともあった。

換言すれば「我が国の政治家たちもマスコミも自分たちで勝手に、我が国のことはアメリカでも何処でも世界中で遍く知られている」と錯覚を起こしているだけなのだ。これも何度か指摘したことで、カナダの西海岸のヴァンクーヴァーの裏道のレストランで日系人の会計係に先ず「中国人か」と尋ねられ、否定すると「じゃー、韓国人」と訊かれ、これも否定すると「日本人だったの」と驚かれた経験もした。言いたくもないが、北アメリかでは日本人に対する認識というか認知度はその程度だということ。

何が言いたかったかといえば「あの不当極まりない韓国大法院の判決に対して犬の遠吠え程度の反応しか示していなかった為に何が起きたか」なのである。13日夜のPrime Newsで木村太郎も指摘していた通りで、New York Timesというアメリカの有力な地方紙が「徴用工は100万人もいたことだし、日本は韓国に謝罪すべきだ」という記事を載せたのである。将に「だから言ったじゃないか」なのである。

私は既に閣僚でも議員でも誰でも、直ぐそこの韓国ソウルの青瓦台に乗り込んで1965年の協定から蒸し返し、我が国が何億ドル支払ったかの念を押して、この度の判決が如何に不当かを文在寅大統領に告げるべきだ」と論じた。また、アメリカの単なる有力地方紙であるにも拘わらず我が国のマスメデイアが有り難がる上記のNYの新聞やWashington Post等に全面広告でも打って、韓国が如何に不当かをアメリカ東海岸の一部の地区にでも知らしめるべきだったのである。

そういう具体的で積極的なことを何らせずに、官房長官の談話や河野外相の得手とされる英語での反論程度では韓国は屁とも思っていないだろうし、世界中には韓国の正当性?のみが知れ渡ることになってしまっているのだ。せめて、有楽町の外人記者クラブに然るべき閣僚が赴いて「韓国の無法且つ不当性」を言葉を選んでぶち上げて、外国人の記者たちが本国に本当のことを伝える記事を送らせるくらいは即刻やるべきだ。だが、NY TIMESに先手を打たれた以上、手遅れかも知れないと危惧する。

私はトランプ大統領が“fake news”の筆頭の如くに批判される偏向したNY TIMESは怪しからんと思っている。何故なら、彼らは巧みな日本語を操る“correspondent”(日本語では「特派員」と大時代な言葉になっている)を置きながら、政府か外務省にまともな取材をしていなかった模様で、韓国寄りの記事を掲載しているのだから。私は「我が国の広報下手もここに極まれり」という気がして胸が悪くなる思いだ。私は故に安倍総理の不手際であると断じたいほど残念だ。

一つだけ微かな救いがある。それは上記のニューヨークとワシントンDCの新聞はアメリカ全土で読まれていないということだ。即ち、ネット版を読んでいる人は別だが、読者は限定されているのだ。嘗てワシントンポストが鳩山由紀夫総理(当時)を“loopy”と形容した時に、私が西海岸のオレゴン州に住む知人に「この記事を読んだか」と迂闊にも問い合わせてしまったことがあった。彼は「何を言うのか!私はオレゴン州に住んでいる。ワシントンポストなど読んでいる訳がない」と答えてきたのだった。