新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月15日 その2 何故英語を使いたがるのだろう

2020-07-15 13:07:19 | コラム
カタカナ語排斥論者はリアルに嘆く:

先ず「文科省とこの世の英語教師たちは何をしているのか」と問いかけて、自分で答えてしまえば「彼等は何も英語教育に役に立つことはやっていないのだ」となった。この点は後でまた触れようと思う。

近頃はドンドン新手のカタカナ語(と私は言うが、使っておられるご当人は習い覚えた英単語の知識を駆使しているつもりだろう)が増えてくるのには、本当に辟易させられている。何度でも言うが「そこに英語擬きを使って表現する必要もなければ、必然性もない」のである。私は「単語」、「単語」と言って騒ぐ我が国の英語教育を散々批判してきた。今回も同じ事を言うだけ。

その単語集の最初に出てくるのが、“abandon”だったと思う。私の長い間の英語の世界での暮らしの中で、アメリカでTIMEだったかに“abandonment”という単語が使われているのを発見したときには「やったー」と叫んだほどだった。我が生涯最高の上司である副社長が屡々使っていた“Are you ready for this?”を活かせば「昭和20年(1945年)4月から英語を学び始めて、1994年1月末でリタイアする間の49年間にたった一度出会った“abandon”だった。如何に単語を覚えることが無駄かと言いたいのだ。折角努力して多くの単語を覚えたのだから、使いたくもなるだろう。

近頃目立つ(耳立つと言う方が正確か?)のが「ピンポイント」だ。何かにつけて出てくるのだ。思うに「正確にその細かい点をついて行く、乃至は狙っていく」と言いたくて使われているようだ。何処の何方が使い始めたのか知らないが、私は浅学非才にして“pinpoint”という言葉を使えたことがなかったし、アメリカ人から言われたこともなかった。そこで、慌ててOxfordに訊いてみた。それは何と動詞で、“to find and show the exact position of ~ or the exact time that ~ happened”というのが出てきた。

名詞としては“a very small area of ~ especially light”となっていた。形容詞ならば“if ~ is done with pinpoint accuracy, it is done exactly and in exactly the right position”だった。お陰様で私にはこう言う元の英語の意味の何処を採って使っているのかは、かえって解らなくなった。ジーニアス英和には「本質、原因などを正確に指摘(記述)する、正確に把握する」という動詞の意味が最初に出てくる。次に「正確な位置を示す」が出てくる。余計に解らなくなってしまった。恐らく2番目の応用編で「正確に指し示す」と言いたいのだろうと思いたいが如何か。

次が「リアル」(real)なのだが、これも既に何度も採り上げた「トラブル」(trouble)と同様で、あれほど乱用というか多用されては「さて、realの本来の意味は何だったか」と悩んでしまうのだ。出川哲朗等が愛用するのを聞いていると「本気で」とか「実に本当に」と言いたいときに使っているのだ。勿論、他の芸人も同様だ。そこで、先ずジーニアス英和を引いてみれば、先ず出てきたのが「実在の、創造ではなく現実の」が出てきた。「なるほど、そうだった」と思った。次は「人工ではない、正真正銘の、本物の」とある。

では、頼りにしているOxfordには何と出ているのか。“actually existing or happening and not imagined or pretended”となっていた。ジーニアス英和に最初に出てきたのと同じだと思う。それがどうして「本当だ」という意味で使われてしまうようになったのだろう。私は矢張り「単語」をバラバラに覚えさせて、流れの中でその遣い方を教えていない為に、マスコミの常套手段のように「都合の良いところだけを切り取って使ってしまうのだ」と見ている。こんなカタカナ語は一刻も早く止めることだ。

参考にはならないと思うが、アメリカ人が使う“real”の例を一つだけ挙げておこう。想像もつかない使われ方だと思う。“How are you doing, today?”に答えて“Real good. Thanks.”のようになってしまうのだ。この“real”の意味は何でしょうか。文法的におかしいとは思いませんか。これが俗に言う「生きた英語」なのだ。だから言うのだ。「無闇に単語を日常会話の中に遣いなさんな」と。

今日までに繰り返して非難してきたことで、「テレビ局は妙なカタカナ語を乱用するし、そこに登場される学識経験者であると思われる専門家が平気で『フリップ』などという誤ったカタカナ語を使われるのは信じ難いのだ。私は専門家の方々は「出して貰えた事を多として本当はせめて『フリップチャート』であるものを妥協して「フリップ」と言い、恥ずかしくもなく『セキュリティ』などという誤った発音のカタカナ語を使うのだ」と邪推している。まさか専門家が本当に英語をご存じないとは思えないのだ。

私が見る限りでは新聞の投書欄などにはカタカナ語の乱用を嘆く比較的高齢の方のご意見を見るときがあるし、小池都知事の知ったかぶりとしか言いようながないカタカナ語を嫌悪する投書もある。だが、遺憾ながら当方も含めて少数派の意見に過ぎない。私はこの世の英語教師たちには「おかしなカタカナ語が乱れ飛んでいることが自分たちが碌な英語を教えていないことの好ましからぬ成果だと思うことがないのか。『トラブル』が英語の世界では「揉め事」として使われないと承知していないのか。一度で良いからOxfordを引いてみろ」と言ってやりたい。


安倍内閣の新型コロナウイルス対策に疑問を感じる

2020-07-15 08:49:04 | コラム
私には一貫性が見えない安倍内閣の姿勢:

橋下徹氏はテレビに登場する度に、と言うよりも今や一大花形コメンテーターにのし上がった感が濃厚だが、「政府の対策の不備を声高に批判し、特措法の速やかなる改正を」と主張し続けている。更に「この緊急事態下に国会を閉じてしまったとは」と手厳しく論じている。この方の特徴は、如何に悪口雑言であって朗らかに言うので、所謂専門家やジャーナリストのような暗さと深刻さがない点だろうと思って聞いている。その独得の橋本節には「なるほど、そうだな。政府は手緩いな」と感じさせる巧みさがある。

今回は私でさえ数多くあると思っている政府の新型コロナウイルス制圧対策の不備の中で、久しぶりに加藤勝信厚労相の批判を採り上げてみようと思う。その前に「これでもか」というほど言って置きたい事がある。それは、主にテレビ局の事で如何に私が繰り返して批判しても、彼等は一向に「外食業者と外飲み業種が苦境に立って廃業の危機にさらされている事が、何事にも代え難いほど気の毒で再度休業を要請するなら手厚い保護と補償を」と叫ぶ事を止めない点だ。小池都知事などは、常にこの感情論に乗ってお金を出して人気取りをする始末だ。「おかしな事だ」と言っておく。

ところが、その言わば「お涙頂戴劇」を演出するテレビ局は最近は多くのお医者様にご登場願って、大小を問わない病院、医院、クリニックの深刻な等という状況を通り越した「経営の危機」を採り上げて「大変だ、大変だ。医療崩壊を招きかねない」と騒いで見せている。この報道は尤も至極である。私も何度か採り上げたが、実際に大病院に毎月のように診て頂きに行っているが、患者の激減は目に見えている。解りやすい例では、会計係に会計票を提示すると直ちに「もう自動支払機で準備が出来ております」と告げられて、嘗てのような20~30分の待ち時間などない始末だ。

大きな病院がどれだけ大変な状況にあるかを、テレビに出てこられるお医者様の説明では「病院では新型コロナウイルスの患者を受け入れる為には、4人部屋を1人用に設備を切り替えるのだが、事はそれだけに終わらず、その病棟用には通常の何倍かの看護師さんを充てねばならない。そうする事によって一般病棟が手薄になるし、患者さんの受け入れも減らさざるを得ず、必要な手術をも先延ばしにする事態も生じる」のだそうである。病院にそれだけの収入減と経費(コスト)上昇が発生するのは、これまでに何度も入院を繰り返してきた私には、痛いほど理解できる。

しかも、報道によれば多くの病院では夏の賞与を大幅に減額し、更には支給を停止したところさえあるという。その為かあらぬか、東京女子医大病院のように看護師さん400名が退職の意思を組合に示したという例さえ出てきた。私はこれも由々しき事態であると思う。看護師さんたちに同情して言えば「彼等は賞与を支給されなくなるような過失を犯した訳ではないのだから、この処置は不当である」となると思う。何処かで誰かが病院経営の危機を何とかして救済すべき事態だ。

そこに、加藤勝信厚労相が言われたのは「医療従事者には20万円を特別給付する。その他には無利子無担保の資金貸し付けとうの援助をするので、対策は講じている」と曰われたのだった。誠に以て見当違いな言い草ではないか。外食業者や外飲み業種やホストクラブやキャバクラにはPCR検査をしてやるは休業補償までするというのに、彼等よりも比較にならないほど重要なウイルスから我々を守って下さる病院・医院・クリニックには「20万円上げるし、無利子無担保の貸し付けをするから我慢せよ」とほざいたのだった。

私ならば「二次(だったか?)補正予算で10兆円の予備費を取ってあるから、可及的速やかにその中から皆様の赤字を補填させて頂きますので、看護師さんたちは賞与が出せるようになるまで暫時お待ちを」と言うだろうと思う。私は加藤勝信厚労相は西村康稔大臣と同等にその責任回避振りと、職責が何たる者かを心得ていない駄目大臣だと低評価してきたが、この度の発言でそれを裏書きした。無利子無担保の融資と言えば聞こえは良いが、何れは返済せねばならない借金のだ。救いにはならない。この言い方は「37.5度は誤解だ」と人を見下す事を言ったのと同じ暴言だと断じる。

安倍総理、もう好い加減に彼等二人を懲らしめないといけませんよ。新型コロナウイルス制圧対策がここに来て土齟齬を来し始めそうなのは、全て貴方の責任になりますよ。それとも、こういう病院に対する血が通っていない冷酷な政策が、貴方様の本心でしょうか。まさか、加藤勝信厚労相に任せて、病院をこの時期に壊滅させて良いとお考えではないでしょうね。