新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月11日 2020年上半期のベストセラー

2020-07-11 13:48:24 | コラム
総合1位が小説版「鬼滅の刃」だった:

日本出版販売がこのほど2020年上半期のベストセラーを集計した結果を発表した。ここでの上半期は2019年11月24日~2020年5月23日となっている。総合ランキングでの主な作品は下記のようになっていた。年齢と共にメッキリ視力が衰えた現在では読書から遠ざかっているとは言え、知らない作品ばかりだったのには、今更ながら今昔の感を禁じ得ない。なお、各作品の後の括弧内は著者となっている。因みに、第1位となった「鬼滅の刃」は大変な人気がある漫画だと、テレビのニュースで見た記憶があった。

第1位は「鬼滅の刃 片羽の蝶」(吾峠呼世晴/矢島綾)、第2位が「鬼滅の刃 しあわせの花」(同前)、第3位はWORLD SEIKYO 2020年春号(―)、第4位が「ぼくはイエローデホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ)、第5位には「田中みな実 1st写真集 Sincerely yours」(田中みな実/伊藤美紀)、第6位は「こども六法」(山崎総一郎)、第7位には「鋼鉄の法」(大川隆法)、第8位に「はじめてのやせ筋トレ」(とがわ愛/坂井建雄)、第9位に「ポケットモンスター・シールド 公式ガイドブック 完全ストーリー+ガラル図鑑」(本宮秀介/ワンナップ)、第10位に漸く知っていた本が現れて「反日種族主義」(李栄薫)という具合だった。

以下、20位までを紹介しておくと「ケーキの切れない非行少年たち」(宮口幸治)、「世界一美味しい手抜きごはん」(はらぺこグリスリー)、「流浪の月」(風良ゆう)、「DVDでよくわかる!120歳まで生きるロングブレス」(美木良介)、「FACTFULNESS」(ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング他)、「見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル」(池田義博)、乃木坂46写真集 乃木撮 VOL.2」(乃木坂46)、「オーバーロード (14)」(丸山くがね)、「一切なりゆき」樹木希林のことば」(樹木希林)、「クスノキの番人」(東野圭吾)となっていた。

ここまでのところで、何と言って感想を述べたらよいのか、言葉が浮かんでこなかった。如何に総合版とは言え、時代の移り変わりをイヤと言うほど感じていた。

参考資料:紙業タイムス社刊 Future誌 20年7月20日号


7月10日の「報道1930」に思う

2020-07-11 09:35:35 | コラム
初めて「報道1930」を最後まで見た:

通常は午後8時になるとPrime Newsに切り替えるのだが、昨夜は私にとって興味深い話題が多かったので、最初から最後まで見ていた。ゲストの慶応大学教授の中山俊宏氏も、アメリカ在住の作家・冷泉彰彦氏(という名前だったか)の発言も魅力的だった。お二方に加えてパトリック・ハーランも珍しく(失礼!)中身がある事を言っていたのも良かった。最大の話題は「来たるべきアメリカ大統領選挙で現職のトランプ氏と色々と難があるやに見えるバイデンの何れが勝つか」だったが、結局は「結論を出すのは時期尚早」で纏まったように聞こえた。

しかしながら、リタイアしてここに座っていては到底知り得ない現地の事情や両候補の評判というか乃至は問題点がえぐり出されていたのが面白かった。既に採り上げたことだが、私は現時点の世論調査ではバイデンがトランプ大統領を9~10パーセンテージポイントも引き離しているというのは、当てにならないと思っているし、昨夜もそういう意見が出ていた。私は何れの方が勝たれても、我が国にとっては難しい展開になっていくと見ているし、民主党政権は我が国にとっては“bad news”以外の何物でないのであるという視点を変える気はない。

全く話題が変わるが、番組も終わりに近付いた頃に司会の松原が突如として「チャート」*を取りだして「西村康稔大臣と小池都知事が緊急会談を行って、243名と感染者が増えた東京都における対策が纏まったとして3点ほどを示したのだった。その内容は後で触れるが、私は新型コロナウイルスの感染が始まって以来、その制圧対策の指揮の実権と責任が何処の誰にあって、実務を遂行するのが誰かが極めて不明確で、何回も指摘したように解散させられた専門家会議を表に出した西村大臣の無責任論を述べてきた。

今回も東京都では200人超えが2日も(?)続き、小池都知事は如何にも「夜の街に出掛けた方に問題があるので、自粛して頂ければ」などと、まるで出ていった方に責任があるが如き事をしれっとして記者会見で述べていたし、如何にも東京都の指揮官であるように振る舞いながら、責任を他人に転嫁する作戦に出られたのを「相変わらずだな」と思いながら聞いていた。私は究極の責任は会社ならば社長である内閣総理大臣にあり、現場の指揮を執っているはずの西村康稔大臣には度重なる責任回避等の不手際の責任を負わせて良いと見ている。

小池都知事は一支店長の身分だが、出しゃばりすぎの責任はあると思う。特に、西村康稔大臣を蔑ろにする発言を続けておきながら、今回のような「すは、第二波か」と思わせる事態が発生するや否や西村氏に歩み寄ってみせる巧みさには、厭らしさを越えた責任回避の作戦の巧妙さを見る思いだった。

そこで、チャートに出ていた内容だが、今朝になっても何処のテレビ局も採り上げず、新聞にも出ていなかった。内容は言ってみれば、先月だったか旧専門家会議を代表して尾身副座長のプリゼンテーションにあったようなもので、マスク・手洗い、消毒、三密の排除、不要不急の外出を控えるという程度のことで、東京都における200人超えの対策として特に目新しいものはなかった。私は拍子抜けがしたが、解説の堤伸輔は「彼等は思考停止状態」と酷評したが、遺憾ながら私にも尤も至極と聞こえた。

だが、よく考えなくとも解ることで、アビガンの治験の結果では特に特異差がないほどの効果だったと報じられたので、特効薬もなくワクチンはどう贔屓目に考えても出回るのが来年だろうとなれば、特に有効な対策はなくても不思議ではないのだ。知事会の要望にもあったように特措法の速やかな改正が望ましいのだが、極論を言えば小池都知事の言う「夜の街」というか外飲み業種や接客を伴う飲食店に自粛ではなく、一時期閉店を命令するくらいの強硬手段は必要だろうと思っている。

私は何と言っても政府や東京都が採っている手法の矛盾と、マスコミ報道の偏向は正さねばなるまいと思っている。何が言いたいのかと言えば「経済を回す」という訳が解らないことを言っていながら、何かと言えば外飲み業界やホストクラブに補償をしようという方向に話を持って行ってしまうことだ。彼等を栄えさせて景気が回復するというのか。そんなことはあり得ないだろう。危機に向かっているのは、上場の大手製造会社だ。大減収で四苦八苦している医療機関であり大病院だ。もしも、本気で経済を回そうというのならば、こちらの方角を優先すべきではないのか。

遺憾ながら、内閣でも小池都知事を含めた多くの知事さんたちからそういう視点からの発言もないし、テレビも何処のラーメン屋が廃業の危機に瀕しているという類いの感情論ばかりで、真剣に現在の危機的な情勢の分析の欠片もして見せない。私には閣僚もそうだが、西村康稔大臣も小池都知事も実戦の現場をご存じないようにしか見えない。ご存じではないから、具体策の打ち出しようがないのだと思って見ている。知らなければ知らないで、プロが思いつかないような斬新な手が打てることだってあるのだから、責任回避にばかり専念していないで、思い切りの良さを見せて欲しい。

注:「チャート」*は本来は“chart”で「図表」を意味する。それがテレビ局では何故か「フリップ」(=“flip”)になってしまった。恐らく英語に言う“flip chart”で束ねられた紙を指している言葉の頭だけを取って「フリップ」にしたのだろう。「インフルエンザ」を「インフル」にしてしまったのと同じ手法で、誤ったカタカナ語化で恥ずかしい代物。