新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

兎角この世には

2020-07-02 10:27:11 | コラム
疑問な事が多いものだ:

専門家会議を解散:

西村康稔大臣は専門家会議の代表の方々が記者クラブで会見しておられる最中に、別の場で専門家会議の解散を突如として発表された。私は以前から安倍内閣と言うべきか西村氏の独断と決めつけるか知らないが、この会議を前面に押し出して如何にも対新型コロナウイルス制圧策を決めるのは専門家会議であるかのように扱うのはおかしいと批判してきた。その意図は非難の対象は西村康稔大臣であっても、専門家会議ではなかった。私が指摘したかったことは他でもない、西村氏の小狡い責任回避というか専門家会議の所為にしたがる姿勢(作戦?)だった。

今回ここで採り上げるのは西村康稔大臣の態度ではないが、勿論彼も関連することだ。私は幾ら西村氏が後になって非礼を詫びても追い付くことではないと考えている。いくら何でもあれほど自分の都合で利用しておきながら、事前の通告なしの解散は閣僚としては非礼だとは思っている。だが、それにも増して不可解なことがあるのだ。それはマスメディアでは何処も西村氏の非礼を批判していない点なのだ。報道によれば、彼は今日までのウイルス征圧の成果を官邸に評価され、次期か次次期の総理候補に昇格されたそうだから、マスメディアも気を遣っているのかなという点だ。

それとも彼等は西村氏に何か弱い尻でもあるのかと疑いたくなる。私は是は是で非は非で明確にするのが、マスメディアの務めではないかと思っているが誤りか。

河井克行・案里事件
世の中には矢張り不思議なこともあるものだと、妙なところで感心せざるを得ない一件である。それは「この世には贈賄もあれば買収もあるが、永年国会議員を務め安倍総理の側近の如くに報じられてきた河井克行氏があれほど「見え見え」の買収をあれほどの広範囲に行っても露見しないとでも思っていたのか」という点だ。しかも、あれほど当選を重ねてきた代議士が公職選挙法を知らないはずはなかっただろうし、あれほどの規模での現金のばらまきは今回だけだったのだろうかと疑問に思っている。

しかも、既に何名かの市長や町長や地方議員が辞職しているのだが、そういう結果を招来するという配慮がなかったのかと、理解に苦しんでいる。しかも、現金を受け取った側には被買収という犯罪が成立するのだそうだから、辞職したくらいでは立件されるのではと指摘した弁護士さんもおられた。しかも、辞職者があれほど出れば、首長の選挙や議員の補欠選挙で公費が使われる事態になるとは考えていなかったのだろうかと、専門家は指摘されていた。野党もマスコミは屡々「何とか責任」を言うが、ここには「河井案里を立候補させた責任」が何処かにあるのではないのか。

香港に国家安全法が施行された:
私は習近平主席と共産党は昨年からの香港での民主派というか市民たちがあれほどの規模と激しさでデモを展開して、香港の傀儡政府を追い込んでいた状況を見るにつけても、天安門事件で懲りているはずの北京が如何なる手法でと言うか、武力を行使せずに民主派を退治する気かと、独り密かに心配していたのだった。それは、中国政府がこれまでに採ってきた新疆ウイグル自治区やチベットに対する手口を知れば、香港をあの儘で放置する訳がないと危惧していた。何と言っても国際司法裁判所の判決を「紙くずだ」と無視する政権なのだから、如何なる手法を編み出すかと見ていた。

それが国家安全法だったのだ。しかもその適用の範囲には外国人までは入れてあると聞けば、こんなところで迂闊に習近平主席と共産党を非難すれば逮捕状を執行されるのではないかと怖くなるような内容の規制だと、専門家は解説して下さった。報道によれば、昨1日のデモでは「香港独立」という旗を持っていただけで逮捕されたと言うし、逮捕者が1万人のデモから370人も出たそうだ。その逮捕者が起訴されれば最高で終身刑まであるというのだから、余りにも中国的で、正直に言って恐ろしい事態だと思っている。

中国の次なる標的が何処かという議論もあるが、私は台湾で済めば良いので、我が国ではないのかと本気で案じている。そこまで考えると、安倍総理の別件での記者会見で外国人の記者が「日本は激しく対立しているアメリカと中国の何れにつくのか」との馬鹿げたとしか思えなかった質問が、決して見当違いではなかったようにも考えられるのだ。もとより我が国が中国につく訳はないと思うが、外国人が見れば政財界とマスコミにも媚中派も数多くいる我が国では、どちらを選ぶかと総理に尋ねたくなるのかと、薄ら寒い気が改めてしてきたのだった。