新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月18日 その3 何故習近平は直接バイデン氏に祝意を表さないのか

2020-11-18 14:04:51 | コラム
トランプ大統領はunpredictable,それともpredictable?:

17日夜は突然の体調悪化で気力も食欲も失せて、ボンヤリとBS放送を眺めていた。従って、これから採り上げる神田外語大学の興梠一郎教授の発言が報道1930だったか、Prime Newsだったかの記憶すらも定かではない。興梠教授は「中国では未だに習近平主席がバイデン氏に祝意の書面なり何なりを送っておらず、報道官からの祝意の表明で済ましているのは、未だに敗北を認めていないトランプ大統領に気兼ねをして、迂闊に彼を刺激するようにバイデン氏の勝利を認めれば、如何なる手段で報復されるかを図りかねているのだから」と解説された。

しかも同教授によれば怪しからん事に、我が国のマスコミは例によって切り取り報道をしていたのだった。それは報道官の祝意の表明には「本当に勝利と決まったならば」と逃げが打ってあったと、環球時報には報じられていたそうだ。毎度のことだが我が親愛なるマスコミは困った連中だと、あらためて痛感させられた。

興梠教授の解説の要点は「誰が何を言おうと、トランプ氏は後2ヶ月はアメリカ大統領であって、その間にはその権限を行使できるのだ。現に国防長官のエスパー氏は解任されている。(更に、クレブス長官もバイデン氏の勝利を認めた為に解任した)トランプ大統領は中国に対する強硬姿勢を維持していて、武器を売るし高官を派遣したりした実績がある。そのトランプ氏を刺激すれば、残る2ヶ月間に如何なる手を打って来られるかは全くunpredictableだと恐れているのだ。即ち、もしかして台湾との国交回復を言い出すかも知れないとまで危惧している」と言われた。

テレビに登場される大方の専門家の先生方は「トランプ大統領は敗北を認識しているのだろうが、飽くまでも徹底抗戦の姿勢を崩していない」と解説される。それが証拠と言うのか、何と表現するのか不詳だが、最新のテレビ映像ではトランプ氏の頭髪は見事に白髪化としたいうか、これまでおブロンドではなくなっている。それが、敗北と抵抗による心労で一夜にして白髪(grey hairと言うが)になったのか、染めるのが間に合わなかったのかは不明だ。経験上も言えるが、男女を問わず白人たちで、高齢化してまでもブロンドのままでいるのはごく例外的だ。すると、トランプ氏は・・・。

白髪問題はさて措き、バイデン氏もどうやらトランプ大統領の実績を覆すような政策を採るやに見える。中国というか習近平主席というかは知らないが、その為に極めてnervousになっているとの解説には説得力を感じた。そこから先の問題点は「バイデン政権がトランプ大統領並みの強硬姿勢を堅持できるのか」ということだ。だが、例えば、飽くまでも仮の話として「トランプ大統領が台湾との国交樹立」などいう置き土産を残したとすれば、バイデン氏も習近平も咄嗟に困窮するだろが、私には中国は準備を整えつつあるように思える。矢張り、トランプ大統領はunpredictableだ。


11月18日 その2 IOCのBach会長は何をしに来たのか

2020-11-18 10:24:43 | コラム
このご時世にチャーター機でお出でになるとは:

お断りしておくが、私は白人崇拝でもないし、有り難いIOCを毎日遙か彼方の我が国から伏し拝んでいるいる訳でもない。あの組織は彼らの権威意識と優越感の象徴もようなものだとすら看做している。バッハ氏は14日間の隔離も免除されたようだが、その件に関する報道もなかったし、疑問を呈した報道機関もなかった。今時結構のご身分だと思って眺めていた。私は別にオリンピック排斥論者でもなんでもないし、競技の模様が中継放送されれば、毎回それなりに楽しんで見ている。

今回のように中国が責任を負うべき新型コロナウイルスの感染が世界中に蔓延し、1年間も延期されてはウイルスによる景気の低迷に苦しめられている我が国の経済的負担と言うよりも損失は莫大なものあり、その不況の影響は来年まで続くのは明らかだ。ウイルスの感染が来年の7月までに根絶やしに出来るという保証などは何処にもないと思う。その国難の最中にそれでなくても超多忙な菅総理の時間を割いてまでバッハ氏と会う必然性があるのかとすら、私は疑っていたし、一体全体会長様は何を仕上げる目的でお出でになったのかと、奇異の感に囚われていた。

いや、極端に言えば、会長様が国立競技場と選手村を視察されれば、ウイルスどもが恐縮して「何とか努力してオリンピックが開催可能になるように協力します」とでも言うのか。彼は高飛車に札幌に移動させたマラソン会場の視察には行ったのか。大体からして、我が国ではオリンピックを神聖化しすぎている。例えば、英語表記では“Olympic flame”に過ぎないものを「聖火」としたり、“Olympic village”が「選手村」になってしまうのだ。

昨夜の報道1930にリモート出演されたオリンピック招致の陰の権威者なのだろう順天堂大学客員教授の鈴木知幸氏は「訪日の目的は確固たる開催の意志を示すことによって、半数以上が降りてしまった我が国のスポンサー企業の方々に安心感を持って頂いて『来年も継続してご援助を宜しくお願いします』というのが大きな目的であろう」と解説された。誠に尤もだろうと思った。このウイルス不況下では、今年なスポンサー料が空振りに近く、来年は本当に開催可能かという疑問を誰しも持つだろうという時期である。効果が挙がるのか。

しかも、興味もない関係者でもない私ですら、1年の延期では組織委員会でも何処でも資金難に陥っていても不思議ではないと見るし、そこに無観客を始めとして入場者の制限が検討されては入場料収入も望めなくなるのだ。組織委員会等々の関連団体の人件費だって生易しい金額ではあるまい。今年に使えるようにと作り上げてしまった施設の維持費の負担も大きいだろう。その時期にあって、会長様はワクチンの料金はIOCが負担するという有り難いお言葉を残された。彼は弁護士だと聞いたが、経済的なことは頬かむりする気としか見えない。

菅首相、森組織委員会長、山下JOC会長、橋本聖子元スケート選手にして大臣、宜しくお頼みしますよ。貴方方が使おうとしているのはスポンサー料もありますが、税金なんですよ。


モデルナ社って何の事

2020-11-18 09:35:01 | コラム
モデルナ社って何だ:

このアメリカの新薬開発の会社がCOVID-19用のワクチンを仕上げて、治験も順調に進んでいると報じられ、我が国は大量の供給を受ける契約が成立していると報じられた。ある程度まで結構なことだと歓迎はする。別途採り上げようと思っている押っ取り刀でチャーター機で乗り込んでこられたIOCのバッハ(余計なことだが英語読みすれば「バック」だが)会長にも、さぞかし朗報だっただろう。

だが、カタカナ語排斥論者の私にとっては、このアメリカの会社名が「モデルナ」となっていることが、何としても腑に落ちなかった。どう考えても「モデルナ」となるような綴りが思い当たらなかったのだから。そこで思い当たったのが、これまでに我が国に良くあるカタカナ語の製造業者が“r”を「ル」と表記してしまう「インチキ表示」だった。手頃な例には、アメリカには“Morgan”という銀行があるが、これのカタカナ表記が「モルガン」なのだ。私が知る限りのアメリカ人で、これを「モルガン」と発音する者はいない。

序でにもう一つ見近ではない例を挙げておくと、嘗てと敢えて言うが、日本製紙と我が社がアメリカはワシントン州にNORTH PACIFIC PAPER COMPANY(略称“NORPAC”)という合弁会社を持っていた。この略称は何処からどう読んでも「ノーパック」なのだが、何時の間にやら誰がそう言い出したかも分からないままに「ノルパック」に成り果ててしまった。モルガン銀行と同じ手口である。この会社の発足当時に我が社には、Morganという上席副社長がいたが「ミスター・モルガン」と呼びかけた者などいなかった。不思議であり奇っ怪な読み方ではないか。

そこで「モデルナ社」である。私は“Moderna”だろうと確信していたが、テレビのニュースの画に出た社名もそういう表記だった。それに意を強うして検索をかけてみた。分かったことは、この会社はマサチューセッツ州ケンブリッジにある“Moderna Inc,”だと確認できた。私はこの社名を如何なる事があっても「モデルナ」と発音するアメリカ人はいないと固く信じている。腹立たしいのは何処かの誰かが、先方様に確認することもなく「マダーナ・インク」を勝手に「モデルナ」にしてしまったのだろう。第一、modernと書いて「モデルン」と言うか!

腹立たしいことは「何の理由があって言語と異なるカタカナ表記をするのか」という点と「本当の英語の発音を何故無視するのか」ということだ。一つだけ留保条件をつければ「もしもこの会社には南アメリカかスペイン系の創設者がいて『モデルナ』と読め」と言っている場合もあるかということ。もう一つ困ったことだと言いたいのは「余所の国の会社名を勝手におかしなカタカナ表記をするのは失礼ではないか」ということ。最悪でも「モダーナ社」だろう。言いたくはないが、一々こんな事で腹を立てている方も疲れるがね。