新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月22日 その2 NPB日本シリーズ第1戦観戦記

2020-11-22 11:55:21 | コラム
遺憾ながらセントラルリーグは格下だと言わざるを得ない結果だった:

里崎智也はホークスが4勝1敗と予想していたが、私の閃きでは「ジャイアンツが1度でも勝てるのか」となっていた。正確には分からないが、昨夜の敗戦でジャイアンツは日本シリーズでホークスに9連敗(もしかして5連敗?)となったらしい。劣等感が出ているのではないか。

私は世間やマスコミほどには原辰徳という監督を評価していない。「何を言うか、彼が何度リーグを制覇し、日本シリーズも獲ったか知っているか」と言われそうだ。だが、私は「金に飽かして方々からFAの選手を買ってきて、MLB等からも落ち武者を仕入れてあれほど選手層を厚くしてあれば、勝てて当たり前だ」という程度の評価しかしていない。それに加えて、きついことをもう一つ言えば、彼の指導の下に何人が高卒等から育ったかだ。今シーズンになって漸く2~3人出てきた程度だ。

昨夜も、極言すれば格下のセントラルリーグを代表するような甥の菅野智之を、パシフィックリーグを代表するような千賀滉大にぶつけた投手起用は疑問だったかも知れないのだ。それは、もしも菅野で負けてしまえば、次回彼を使えるのは最短でも中4日だとすれば、その頃にはシリーズの敗退が決まっているかも知れないのだ。だが、両リーグを代表する投手の投げ合いをハラハラしながら眺めていた。ハラハラした理由は「菅野がフォームを改造した結果が、何処までホークスに通用するか」だった。

出だしでは千賀がやや荒れ気味でストライクとボールがハッキリしていたし、ジャイアンツの作戦だったのだろう「お化けフォークボール」というか低めの投球に手を出して行かなかった。少し不安かなと思わせられた。一方の菅野は1回と2回は投球が高めだなと見ていたら、「ここぞ」という時に打つ癖がある栗原に事もあろうにホームランを打たれてしまった。正直に言えば、私はここで「試合が終わった」と判断していた。あの一打はジャイアンツのスカウテイングの誤りか、菅野の投げ損ないか知らないが、強い方に先取点を取られては、焦りも出るからだ。

菅野はホークスの最強打者だと思われる柳田には打たれなかったが、後から後から出てくる好打者と強打者に神経を使い果たしたのか、栗原に3安打、4打点と打ちまくられてしまった。私はこの結果をホークスの力が上だと見る前に、菅野が14勝も出来たセントラルリーグが弱体なのだと見ていた。千賀は制球力が悪く何度か危機を招いたが、地力と自力で乗り切ってしまった。彼の場合は相手の打者の弱点を突くのではなく、力の限り投げて「打てるものなら打ってみろ」式なのだが、ジャイアンツは最後まで打てなかった。矢張り選手層に差があったと見た。

原監督の作戦の誤りも挙げておこう。それは無用な「ビデオ判定」を要求したことだった。7回の表に工藤監督は何を思ったのか左投げの高橋が出ているのにも拘わらず、一塁に4球で出ていた甲斐に盗塁をさせた。私は「成功すれば2死で打者周東になるし、失敗すれば8回は先頭打者が周東になるではないか」という巧妙な作戦かと見ていた。盗塁の判定は微妙だったがセーフと出た。原監督はここでビデオ判定を求めた。アウトになれば「次回は周東からとなる」とは考えなかったのかと、不思議に思った。結果は「アウト」だった。

そして、8回には先頭の周東を4球で歩かせ、盗塁をされて、「ここぞ」という場合に怖い中村晃にタイムリーヒットを打たれて、致命傷の5点目を取られてしまった。「セーフ」の判定のままで周東に打たせていれば、ヒットはなかったかも知れないのだ。余計なことを言えば、日テレのアナウンサーの上重は「ビデオ判定の要求」と言うべき所を何度も「リクエストを要求」と言ったのは何とも情けなかった。おかしいと思わない局側もどうかと思う。そういう事を是正する指令を出せるはずだから。

ホークスが栗原のような所謂「シリーズ男」のような者を出したにも拘わらず、ジャイアンツは坂本と丸が何とか1本ヒットを打ったが、岡本が千賀に手もなく捻られていたのは、今後の懸念材料だ。この3人にはほとんど打って下さいというような安易な投球が来なかった。だが、ホークスは東浜が出てこられない状態であるので、もう怖い投手は残っていないので、チャンスは来るかも知れない。だが、ジャイアンツ側も何故か戸郷を1回でも使ってしまったので、今夜は今村との予想が出ていたが、あの程度の左投げで柳田や中村を抑えきれるのだろうか。

先ほど見ていた張本勲の「喝」の時間に出ていた中畑清が「遺憾ながら、両リーグの間に差がある」と認めることを言っていた。正直な見解だと思って聞いた。今夜は劣勢に立たされた原監督の手腕と、格下だと中畑に指摘された選手たちが何処まで奮起するかに懸かっていると思う。TBSはホークスの先発を石川だとしていたが、私が見る不安材料はクライマックスシリーズでも良くなかったし、昨夜も危うかったクローザーの森唯斗だ。私の好みではない投手だが、彼が立ち直れないとすると、ジャイアンツにも目が出てくるかも。


『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』という本が出たそうだ

2020-11-22 10:42:18 | コラム
室橋裕和氏と辰巳出版に告げる:

件名に掲げたような題名の本を、室橋裕和氏が辰巳出版から上梓したそうだ。内容を週刊誌の紹介記事で見る限りでは「新宿区百人町/大久保界隈」の探訪記事のようである。この辺りの劣化振りを採り上げて頂けたのならば大変結構だが、不満に思うことが幾つかある。

先ずは「新大久保」と銘打ったことだ。私はこの問題をこれまでに何度採り上げたか分からない。ここには「新大久保」という地名は存在しない。紹介の記事を読んだ限りでは明らかに百人町と主に山手線の内側になる大久保のKoreatownを探訪されたようだ。イスラム横町と呼ばれている僅かの距離の所は、百人町の一角である。どうやら山手線の新大久保駅と中央線(総武線)の大久保駅と二つある事は採り上げられたようだが、何が故に「新大久保」としたかは不可解だ。テレビ局の呼称に阿ったのか。不見識だ。

紹介された内容を見ると、この街に32年も住んでその変化、即ち劣化と言うか勝手にやってきた異邦人どもに悪化させられた状況を具に見てきた私が、毎月採り上げてこのブログで論じてきたことばかりで、今更気が付いたように出版されても、何とも言いようがないのだ。私はこの街の変化を「不用意に外国人を無制限に入れて聞こえが良い国際化などを進めると、このような悲惨な状態になる。その国際化が行き着く先だろう状態を現時点で示しているのかこの界隈である」と指摘してきた。「外部から来た者に何が分かるのか」と不愉快だ。

現在のアメリカを見てみよ。嘗ては少数民族(minority)と呼ばれた合法と非合法の移民の大量の流入で、遠からぬ将来に白人が少数民族になってしまうと言われているではないか。どれほど下層階級が増えたかは専門家の解説を待つまでもなく明らかだ。トランプ大統領の支持層にはそういう連中が多いのも周知の事実だ。現に、アメリかでは少数民族をminoritiesと複数で表している。そのような多民族国家の縮図のように劣化したのがこの街だ。著者は政府の無定見を批判してあるのだろうか。

私なら出来ることで、雇われのバングラデッシュ人が店番をしている外見は八百屋で実体はハラルフードを商う店で、彼に英語で尋ねた見た。「このような物価が高い国にやって来て、自分の国とどちらが暮らしやすいか」と、世界の最貧国の一つであると承知して尋ねてみた。彼らは国策で外国に押し出されてきて、我が国を食い物にしている輩だ。答えは「ここの方が物価は高いが、治安も良く清潔で暮らしやすい」とほざいた。辰巳氏はこの街に外国送金の店舗が雨後の筍の如くに増えた理由を当たったのかと言いたい。

憤懣やるかたない思いだが、この辺りで良いだろう。外部から来て一寸見れば興味深い街かも知れない。だが、劣化と悪化と望まざる国際化に曝されている同胞の思いに少しでも触れているのだろうか。知ったかぶりをするなと言いたいのだ。何度も紹介したが、老化して動きもままならぬ私との懇談の為に、この街に何度も来て下さった某大学の教授は「もうこの街の異常さに馴れました。だが、その異常さを感じなくなった自分が怖いです」と言われた。本を出すのならば、そこまでの底の深い探訪をしてから書けと言って終わる。