結局はアメリカの変わり様を嘆くことになった新春の会談:
時節柄、両者とは相互に無事か否かを確認する為の新春の電話会談だったのだが、現在のようにウイルスが感染が拡大の一途を辿っていれば、残念ながら到底何処かで出会って語り合っていられる時ではあるまいとなったのだった。その内容はと言えば、矢張りアメリカの変貌を語り合い嘆き合うことになってしまった。
YM氏との懇談:
時間的には彼との懇談が先になった。彼は独り暮らしの気楽さから危険なウイルスから離れていようとばかりに、昨年中は川奈だの何だのと屡々東京から脱出していたのだが、最早何処にいても危ないことは変わらないと読んで、昨年末からは都内と言うよりも代官山から出ていないのだそうだ。出歩かなければ高齢者として脚力が弱ることも承知しているが、止むを得ないかと割り切っているとかだ。
暫く昨今の我が国の情勢を嘆き合っている間に、矢張り話題は自然に現在のアメリカの何と言って良いか解らなくなってしまった状況に及んでいった。流石の彼も現地に赴いて状況を具に調査する訳にも行かないのだと、残念がっていた。彼にとっては最も印象的だったことは「アメリカにも我が国にもあれほど多くのトランプ支持者というか礼賛者がいた点」だったそうだ。
即ち、彼とそのスタンフォード大学の教授等の知人たちに私をも含めれば、彼の周囲、就中アメリカの知識階級にはトランプ支持者は一人もいないのだ。彼が強調していた点は「トランプ大統領の鉄板の支持者の層以外に、あれほど多くの白人までが彼を支持していた事が明らかになった」という辺りだった。それが、あの国会議事堂乱入となって具体的に現れたのだが、YM氏が見るところでは、そのトランプ氏の影響力がそのまま残った場合に、バイデン新大統領が如何にその勢力を相手に裁いていくかが、民主党政権の課題となるだろうとのことだった。
W社ジャパンの長老と:
恐れ入ったのは、昭和3年生まれで今年で93歳になられるはずの彼の衰えを知らない明晰な頭脳である。彼は奥方に先立たれて独り暮らしなのだが、介護保険を利用しての家政婦さん(と言うのが適切かどうか知らないが)に週に何度か来て貰って炊事・洗濯をして貰っているのだそうだが、「こんな生活では生きている価値があるのかと疑問に感ずる時がある」と慨嘆しておられた。ここでも、矢張り永年親しんできたアメリカの何とも形容し難い変貌振りが話題となった。
彼の見るところでは、W社があった(経営形態も変わってしまったし、かの本社ビルも人手に渡ったので、「あった」とする方が実感があるのだ、念の為)アメリカの西海岸は今回の国会議事堂乱入に見られたような過激な人たちの地域ではなく、温和な人が多いと認識していたので、ワシントンDCであのような事件が起きたとは驚きだったのだそうだ。私には東海岸とでは人々の性質がそれほど違うかの認識はなかった。要するに「アメリカでも階層次第では、あのような事件を起こすものだと知った」事が驚きだったのだそうだ。
だが、そう言われて見れば、CEOのジョージにせよ、#2だったハーバードの法科大学院出身の天才・チャーリーにせよ、我が元上司のクラーク、バブ(Bob)、技術サービス部長だったグレッグも皆温和だし、知的な人たちである。ジョージやチャーリーに確認する機会などないが、彼らは皆共和党の支持者であっても、トランプ大統領の支持者ではないのだ。長老は、ここまでアメリカが分断されたと言うよりも、我々が永年親しんできたアメリカが変貌してしまったのが嘆かわしいというのだ。民主党のバイデン政権が如何にして統治していくかが読めなくなったというのだった。
このお二方のようにアメリカの事情と実態に精通していても、1月20日からのアメリカが民主党政権の下に、何処に向かって行くかが俄に読みきれないと言われるのでは、私如きには尚更解らないのも仕方がないかと思わせられた、年の初めの電話会談だった。
時節柄、両者とは相互に無事か否かを確認する為の新春の電話会談だったのだが、現在のようにウイルスが感染が拡大の一途を辿っていれば、残念ながら到底何処かで出会って語り合っていられる時ではあるまいとなったのだった。その内容はと言えば、矢張りアメリカの変貌を語り合い嘆き合うことになってしまった。
YM氏との懇談:
時間的には彼との懇談が先になった。彼は独り暮らしの気楽さから危険なウイルスから離れていようとばかりに、昨年中は川奈だの何だのと屡々東京から脱出していたのだが、最早何処にいても危ないことは変わらないと読んで、昨年末からは都内と言うよりも代官山から出ていないのだそうだ。出歩かなければ高齢者として脚力が弱ることも承知しているが、止むを得ないかと割り切っているとかだ。
暫く昨今の我が国の情勢を嘆き合っている間に、矢張り話題は自然に現在のアメリカの何と言って良いか解らなくなってしまった状況に及んでいった。流石の彼も現地に赴いて状況を具に調査する訳にも行かないのだと、残念がっていた。彼にとっては最も印象的だったことは「アメリカにも我が国にもあれほど多くのトランプ支持者というか礼賛者がいた点」だったそうだ。
即ち、彼とそのスタンフォード大学の教授等の知人たちに私をも含めれば、彼の周囲、就中アメリカの知識階級にはトランプ支持者は一人もいないのだ。彼が強調していた点は「トランプ大統領の鉄板の支持者の層以外に、あれほど多くの白人までが彼を支持していた事が明らかになった」という辺りだった。それが、あの国会議事堂乱入となって具体的に現れたのだが、YM氏が見るところでは、そのトランプ氏の影響力がそのまま残った場合に、バイデン新大統領が如何にその勢力を相手に裁いていくかが、民主党政権の課題となるだろうとのことだった。
W社ジャパンの長老と:
恐れ入ったのは、昭和3年生まれで今年で93歳になられるはずの彼の衰えを知らない明晰な頭脳である。彼は奥方に先立たれて独り暮らしなのだが、介護保険を利用しての家政婦さん(と言うのが適切かどうか知らないが)に週に何度か来て貰って炊事・洗濯をして貰っているのだそうだが、「こんな生活では生きている価値があるのかと疑問に感ずる時がある」と慨嘆しておられた。ここでも、矢張り永年親しんできたアメリカの何とも形容し難い変貌振りが話題となった。
彼の見るところでは、W社があった(経営形態も変わってしまったし、かの本社ビルも人手に渡ったので、「あった」とする方が実感があるのだ、念の為)アメリカの西海岸は今回の国会議事堂乱入に見られたような過激な人たちの地域ではなく、温和な人が多いと認識していたので、ワシントンDCであのような事件が起きたとは驚きだったのだそうだ。私には東海岸とでは人々の性質がそれほど違うかの認識はなかった。要するに「アメリカでも階層次第では、あのような事件を起こすものだと知った」事が驚きだったのだそうだ。
だが、そう言われて見れば、CEOのジョージにせよ、#2だったハーバードの法科大学院出身の天才・チャーリーにせよ、我が元上司のクラーク、バブ(Bob)、技術サービス部長だったグレッグも皆温和だし、知的な人たちである。ジョージやチャーリーに確認する機会などないが、彼らは皆共和党の支持者であっても、トランプ大統領の支持者ではないのだ。長老は、ここまでアメリカが分断されたと言うよりも、我々が永年親しんできたアメリカが変貌してしまったのが嘆かわしいというのだ。民主党のバイデン政権が如何にして統治していくかが読めなくなったというのだった。
このお二方のようにアメリカの事情と実態に精通していても、1月20日からのアメリカが民主党政権の下に、何処に向かって行くかが俄に読みきれないと言われるのでは、私如きには尚更解らないのも仕方がないかと思わせられた、年の初めの電話会談だった。