新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

私には良く解らない事

2021-01-31 11:34:27 | コラム
この世には解らない事が多いものだ:

不正選挙で大統領になった:

我が国では、この説が未だにかなりの迫力で出回っているし、それと信じておられる方(ドナルド・トランプ前大統領の信者乃至は礼賛者というべきかも)は多いようだ。あらためてお断りしておくと、私はトランプ氏のような型のアメリカのビジネスマンに出会った事がなかったので嫌っていると看做されてきたが、トランプ大統領としての実績までを嫌っていた訳ではない。それに、ジョセフ・バイデン氏については、彼が民主党であるというだけで、殆ど何か論評すべき知識と情報の持ち合わせはなかった、オバマ政権での副大統領だった以外には。

即ち、トランプ氏とバイデン氏の何れの肩を持つ立場にもいなければ、昨年まででは8年もアメリカに行ってもいなかったのでもあり、昨年の大統領選挙が如何に行われたかについては、マスコミ報道と限られた人数の元上司、同僚、友人、知人たちからの「アメリカ合衆国に不正選挙などあり得ない」との情報しかなかった。それでも、我が国ではトランプ大統領が選挙前から郵便投票は不正の温床となるとの警告を発しておられたのを始めとして、民主党とバイデン氏が不正を行ったという報道と情報は数多く流されていた。

それだけではなく、「トランプ大統領は自分に有利な判決を誘導するために敢えて保守派の法律家を最高裁の判事に強行で任命したので、トランプ氏側の準備態勢は整っていると見て良い」との見方をする専門家は多かった。そして獲得票数で破れたトランプ氏は予想通りと言うべきか何とすべきか、60件もの民主党側の不正投票を訴える訴訟を起こされたが、全部が棄却されたと報じられていた。私はその訴訟が最高裁まで行ったかどうかは知らないが、トランプ氏に有利な判決がなかった。これは「不正はなかった」という証明にはならないのだろうかという気がする。

それにも拘わらず、我が国には不正選挙(投票)があったと信じておられるトランプ氏支持者のデモがあったし、最近では「不正選挙で勝った大統領」と謳った邦人による著書がネット通販でのベストセラーだとの新聞広告まであった。私には本当に良く解らない事は「この本の著者の方や、不正を報道している記者の方たちや、テレビの解説番組で不正を指摘される所謂専門家の方々は、アメリカの現場で実際に不正投票なり何なりの場面を目撃されて主張しておられるのか」という点である。

今や、新型コロナウイルスの関係でアメリカに自由に入れるのかと思うし、仮令入国できても2週間の拘束があるのだし、ましてや自由に投票所などを取材できるのだろうかと思ってしまう。私は「バイデン氏側に不正があった」と指摘される方々がアメリカ側からの情報、即ち「伝聞」乃至は「状況証拠」に基づいて言っておられるのだったら、どうなるのかなと思っている。私は繰り返して「民主党政権は我が国にとって諸手を挙げて歓迎したいようなものではない」と指摘してきたので、バイデン氏の勝利は嫌トランプ派としても宜しくないのにと思っている。

私にはアメリカでは大統領選挙を不正な手段でも勝てるような、好い加減な国なのかどうかが解らないのだ。少なくとも長い間自分が経験してきたアメリカのビジネスの世界は、そのようなたるんだ場ではなかった。

東京オリンピック:
7月に開催できるのか、再延期か、中止か(あるいは年内の延期か)等々の議論、憶測、風説、揣摩憶測、想像等々が飛び交う中で、IOCのバッハ会長、菅首相、森組織委員会長、(私は一介の民間人に過ぎないと思う)春日良一氏等は7月開催を叫んで譲らない。ここに掲げた関係者が開催すると言われるのは当然でり、その発言を報道する意味はないと思う。しかし、ここには私が良く理解できない事がある。それはバッハ会長なる全面的な責任者であるはずのお方は「やる」と遠吠えしておられるだけで、その気になれば入国できはずの我が国の現状視察にはお見えにならないのだ。

私ならば万難を排して飛んできて(12時間くらいで来られるし、時差の影響もきつくはない)我が国の新型コロナウイルス感染拡大の防止策を具に現場で調査され、首相や西村大臣や田村厚労相、森組織委員会長、橋本担当大臣(もしかして小池都知事もか)も兎も角、分科会や専門家の先生方からの意見を聴取する必要があると考えている。スイスに居座って言わば伝聞だけで「開催する」と言っておれるようにしか見えないのだ。一歩譲れば、会長ご本人でなくとも腹心の部下を派遣されて、ヨーロッパの惨状と我が国を比較する調査位してもバチは当たらないと思うのだ。

私は苟も大きな責任を負う会長の座にある以上、開催不可能となった場合にIOCの逸失損益と我が国に発生するだろう数兆円の損害を考える時に、その具体的な防止策を真剣にお考えになれば、スイスに立て籠もっておられるべきか否かは自明の理だと思うのだが、如何なものだろう。私が敢えて言えば、中止とは言わないまでも再延期にもでもした場合に「オリンピック出場の大目的の為に精進してきた選手並びに候補者がどれほどの衝撃を受けるかくらいは、元はと言えば選手だった会長が解らないはずはないと思う。

私には良く解らない事は、これほど事態がハッキリしていても口先だけで、現場の調査に動かないままでいる、彼らの為の社交クラブのような存在としか見えないIOCという組織であり存在である。