何の事かと辞書で意味を確認することが多くなった:
近頃は猫も杓子もどころではなく、老若男女でもなく、学者も専門家も大臣も国会議員の先生方も、暇さえあれば如何にも知性と教養を示したいかのように、話の中にも書き物にもカタカナ語を多用される時代になった。それが英語本来の意味を正しく把握して使われていれば良いのだが、時にはとんだ言葉の誤用や誤解もあるので、この私はしょっちゅう辞書を引かされて確認している状態だ。
後難を恐れずに言えば、「何が悲しくて、日本語の本来の漢字の熟語を捨てて、英語擬きに走る必要があるのか」となるのだ。勿論、中には誤用ではない場合もあるが、どう考えてもカタカナ語を使う必然性は見出せないのだ。そこで、近頃頻繁に見聞するカタカナ語の例を幾つか挙げてみようと思う。正直に言えば、私にとっては「英語の復習」にもなるので。
*イメージ:
これは非常に重宝に使われているようだ。例えば「~についてのイメージはあったが、実際に経験して見ると」であるとか『~さんのイメージは』という具合だ。実は、このようなカタカナ語に出会うまではimageを辞書で引いてみたことがなかった。元々単語帳など造ったこともない私にとっては初めての試みとなった。Oxfordで名詞としての意味を見ると”the impression that a person, or an organization or a product, etc. gives to the public“とある。ジーニアス英和には「印象、表現;観念、概念」と出てくる。
私に言わせれば「オックスフォードにあるように、詳細に言う方が望ましいのである。だが、ジーニアス英和にある意味では難しい漢字の熟語が出てくるので、格好を付けられるカタカナ語の方を選んだな」となる。チャンと日本語で「私が~さんについて抱いていた概念は此れ此れ然々でして、実際にお目にかかってみればその通りでした」のように表現する能力が失われているのが嘆かわしいのだ。
*キーワード:
“key word”のことだと思うが、最近は頻繁に聞かれる。「この問題のキーワードは~となる」のように使われるのだ。恥ずかしながら、私には意味が把握できなかった。「何かのことを考えるときに軸になる言葉か」と考えていた。負け惜しみを言っておくと「せめて、キーウワードと表記しろよ」だ。
そこで、Weblioに訊いてみた。答えは「1 問題の解明や内容の理解の上で、重要な手がかとなる語。2情報検索で、検索に手がかりとして使用する語句」とあった。「なるほど、そういう事だったか」と素直に納得した。反省すべき点は、当方がコンピュータのリテラシー(カタカナ語だ!)に暗かっただけのことだった。矢張り「この件を正しく認識するためにはこの言葉が鍵になってくる」という方が良くはないかと言いたくなる。
*シミュレーション:
「何と難しい単語をカタカナ語化して誤魔化したな」という印象だ。”simulation“はsimulateという動詞の名詞形で「模擬実験」とジーニアス英和には出ている。難しそうな4文字熟語だったので、製造業者が使い手の知能程度を考慮して、カタカナ語に置き換えたのだろうと推理した。”simulate”の意味はジーニアス英和には「・・・の振りをする、・・・を装う」とあって、終わりに「・・・の模擬実験をする」とあった。「チャンと漢字を使おうよ」と嘆いている。
*ニーズ:
「市場や消費者のニーズを正確に把握して」などと、ごく普通に使われるよになった。”need“のことだろうと思うし、意味はわかるが、念の為に先ず英和辞典を見た。名詞としての使い方は一番最後に出ていて「(差し迫った)必要性、理由、義務」とあって、次は「必要ななもの、入り用なもの」、その先は「困った状態、窮地;貧困、貧乏」となってしまう。「需要」は出ていなかった。
Oxfordではと見れば”名詞で複数形の場合の意味は”the things that ~ requires in order to live in a comfortable way or achieve what they want”とあった。どうもカタカナ語の意味するところとは微妙に違うように思える。「ニーズ」などと言わずにちゃんとした形の文章で「市場か消費者が求めているものや状態を追い求める」と言った方が分かりやすいと思うが、それでは「英単語の知識があること」を誇示できないか。
*ブルーオーシャン:
これは前後の文脈で何を意味するかの見当は付くが、何の事かと戸惑わされた。念の為にWikipediaに訊いてみると「ブルー・オーシャン戦略によると、血で血を洗うような競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海)」とし、そこから可能な限り脱却して、競争のない理想的な未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海)」を切り開くべきだと説いている。」とあった。出典はINSEADのW・チャン・キム教授の2005年の著書「ブルーオーシャン戦略」だとあった。勉強になった。
要するに、競合のない未開の市場の意味で使われているのだ。最近気が付いた使用の例では、近頃大人気の「ワークマン」の土屋哲雄専務がPresident誌の6.18号に「これからの日本市場はブルーオーシャンだ」と題した記事を寄稿しておられた。「ワークマンを成功に導いた着眼点はそこにあったか」と納得できた。
まだまだ採り上げたい言葉はあるか、今回はここまでで十分だろうと思う。
参考資料:Wikipedia及びWeblio
近頃は猫も杓子もどころではなく、老若男女でもなく、学者も専門家も大臣も国会議員の先生方も、暇さえあれば如何にも知性と教養を示したいかのように、話の中にも書き物にもカタカナ語を多用される時代になった。それが英語本来の意味を正しく把握して使われていれば良いのだが、時にはとんだ言葉の誤用や誤解もあるので、この私はしょっちゅう辞書を引かされて確認している状態だ。
後難を恐れずに言えば、「何が悲しくて、日本語の本来の漢字の熟語を捨てて、英語擬きに走る必要があるのか」となるのだ。勿論、中には誤用ではない場合もあるが、どう考えてもカタカナ語を使う必然性は見出せないのだ。そこで、近頃頻繁に見聞するカタカナ語の例を幾つか挙げてみようと思う。正直に言えば、私にとっては「英語の復習」にもなるので。
*イメージ:
これは非常に重宝に使われているようだ。例えば「~についてのイメージはあったが、実際に経験して見ると」であるとか『~さんのイメージは』という具合だ。実は、このようなカタカナ語に出会うまではimageを辞書で引いてみたことがなかった。元々単語帳など造ったこともない私にとっては初めての試みとなった。Oxfordで名詞としての意味を見ると”the impression that a person, or an organization or a product, etc. gives to the public“とある。ジーニアス英和には「印象、表現;観念、概念」と出てくる。
私に言わせれば「オックスフォードにあるように、詳細に言う方が望ましいのである。だが、ジーニアス英和にある意味では難しい漢字の熟語が出てくるので、格好を付けられるカタカナ語の方を選んだな」となる。チャンと日本語で「私が~さんについて抱いていた概念は此れ此れ然々でして、実際にお目にかかってみればその通りでした」のように表現する能力が失われているのが嘆かわしいのだ。
*キーワード:
“key word”のことだと思うが、最近は頻繁に聞かれる。「この問題のキーワードは~となる」のように使われるのだ。恥ずかしながら、私には意味が把握できなかった。「何かのことを考えるときに軸になる言葉か」と考えていた。負け惜しみを言っておくと「せめて、キーウワードと表記しろよ」だ。
そこで、Weblioに訊いてみた。答えは「1 問題の解明や内容の理解の上で、重要な手がかとなる語。2情報検索で、検索に手がかりとして使用する語句」とあった。「なるほど、そういう事だったか」と素直に納得した。反省すべき点は、当方がコンピュータのリテラシー(カタカナ語だ!)に暗かっただけのことだった。矢張り「この件を正しく認識するためにはこの言葉が鍵になってくる」という方が良くはないかと言いたくなる。
*シミュレーション:
「何と難しい単語をカタカナ語化して誤魔化したな」という印象だ。”simulation“はsimulateという動詞の名詞形で「模擬実験」とジーニアス英和には出ている。難しそうな4文字熟語だったので、製造業者が使い手の知能程度を考慮して、カタカナ語に置き換えたのだろうと推理した。”simulate”の意味はジーニアス英和には「・・・の振りをする、・・・を装う」とあって、終わりに「・・・の模擬実験をする」とあった。「チャンと漢字を使おうよ」と嘆いている。
*ニーズ:
「市場や消費者のニーズを正確に把握して」などと、ごく普通に使われるよになった。”need“のことだろうと思うし、意味はわかるが、念の為に先ず英和辞典を見た。名詞としての使い方は一番最後に出ていて「(差し迫った)必要性、理由、義務」とあって、次は「必要ななもの、入り用なもの」、その先は「困った状態、窮地;貧困、貧乏」となってしまう。「需要」は出ていなかった。
Oxfordではと見れば”名詞で複数形の場合の意味は”the things that ~ requires in order to live in a comfortable way or achieve what they want”とあった。どうもカタカナ語の意味するところとは微妙に違うように思える。「ニーズ」などと言わずにちゃんとした形の文章で「市場か消費者が求めているものや状態を追い求める」と言った方が分かりやすいと思うが、それでは「英単語の知識があること」を誇示できないか。
*ブルーオーシャン:
これは前後の文脈で何を意味するかの見当は付くが、何の事かと戸惑わされた。念の為にWikipediaに訊いてみると「ブルー・オーシャン戦略によると、血で血を洗うような競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海)」とし、そこから可能な限り脱却して、競争のない理想的な未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海)」を切り開くべきだと説いている。」とあった。出典はINSEADのW・チャン・キム教授の2005年の著書「ブルーオーシャン戦略」だとあった。勉強になった。
要するに、競合のない未開の市場の意味で使われているのだ。最近気が付いた使用の例では、近頃大人気の「ワークマン」の土屋哲雄専務がPresident誌の6.18号に「これからの日本市場はブルーオーシャンだ」と題した記事を寄稿しておられた。「ワークマンを成功に導いた着眼点はそこにあったか」と納得できた。
まだまだ採り上げたい言葉はあるか、今回はここまでで十分だろうと思う。
参考資料:Wikipedia及びWeblio