新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月8日 その2 「何、節電して下さい」だと

2022-06-08 15:27:33 | コラム
そんな事を言うのは菅直人に「申し訳ありませんでした」と謝罪させてからの事:

「ハイ、そうですか。電力が不足するのですか。節電します」などと言う気には到底ならない。

この期に及んで「先日の福島県の地震等で火力発電所が故障したからの」、「多くの火力発電所を休ませてあるからの」、「ロシアのウクライナ侵攻に起因するエネルギー価格の高騰」と、恰も自分たちには責任がないかのような理屈を並べ立てて「国民の皆様には節電をお願いしたい」などと戯けた事を言い出した岸田内閣は言語道断だと非難したい。萩生田経産大臣は「夏場には3.5%供給不足の懸念があるので、エヤコンを28度に設定願いたい」とも言った。

見出しに指摘した通り、「この起こり得るだろう電力の供給不足の危険性は、岸田内閣だけの責任ではない」と、私も承知はしている。だが、菅直人の失政で原子力発電所を停止させ、太陽光発電を大規模に導入させただけで飽き足らず、そのコストを消費者に転嫁する悪政を未だに改善できていなかった自公政権は、我々に節電などを願い出る前に、政治の失態をこそ詫びるべきではないのか。

私でも、原子力発電所の近くの住民の方々が「原発の稼働停止」を訴えて出る気持ちは解らないでもない。だが、そうだからと言って「稼働停止」の判決を下す判事が出てくる事などは到底理解できない。確かに、我が国は世界で唯一の被爆国であり、自然災害によって福島であれほど大きな被害が生じた。だからと言って、何時までも原子力発電を国民に経済的且つ心理的な負担を掛けてまで停止しておくのが、果たして政治のあるべき形なのだろうか。

私はこの際、岸田政権は国民の理解を求めるべく「その危険性が高い(そうなのか?)電力供給不足の事態を防止すべく短期間でも原子力発電所を稼働させて危機を乗り切ります。事故が発生しないよう最善の努力をします。原発を止めてしまった民主党政権に成り代わって、あの不手際をお詫びします」くらいのことを言っても、バチは当たらないのではないのかと思うのだ。それとも「稼働」を迫られれば「原発稼働は鋭意検討中」とでも言ってお茶を濁すのかな。

近頃はウッカリテレビのニュースを見ると、ウクライナの話ばかりで余りゾッとしないのだ。だから見ないようにしている。そういう状態の中で偶々見たフジテレビのニュース「イット」では、宮家邦彦氏が「節電を求める気持ちは解るが、その前に原発の稼働も真剣に検討すべきではないのか」と指摘しておられた。極めて真っ当な発言だと受け止めた。

星の数ほどいるテレビ局御用達の専門家の中で、原発の稼働を言われたのは、寡聞にして宮家氏以外には知らない。尤も、私が懸念する事は、今から再稼働の準備を開始したとしても、最悪の夏場には間に合わないのではないかという辺りだ。

私は矢張り電力不足の全ての原因は「あの3.11の時が民主党政権であり、しかも最悪の菅直人を総理大臣に戴いていたこと」にあるのだと信じている。岸田内閣には奮起して原子力の有効活用を図って貰いたいと祈念する次第だ。


プーテイン軍団をパントに追い込めるか

2022-06-08 08:02:13 | コラム
ロシアによるウクライナ侵攻を(アメリカン)フットボールに準えれば:

ウラジーミル・プーテイン監督率いる軍団はゼレンスキー軍団の後ろ盾であるNATOテイームに対抗して西方のヤードを獲得しようと画策した。そして、スカウティング・テイームの進言に基づいて、ウクライナに試合を申し込んだ。しかも、先方の承諾を得る前に勝手にオフェンスを選択して、いきなり試合を開始したのだった。

ここで、念の為に簡単に解説しておくと、俗に「陣取りゲーム」等と言われているフットボールは、先ず相手陣地に攻め込んでボールを前に進めなければならないのだ。プーテイン監督はその目的の為にはウクライナを廃墟か焼け野原にしてしまう事を厭わなかったようである。

プーテイン監督は最初の2~3プレーでタッチダウンを取れるとのスカウティングの結果とコーチ陣の言を信じていたので、気軽にエンドゾーンを目指してファーストダウンの攻撃で縦一発のロングパスを選択したのだった。ところが、あに図らんやウクライナ軍団のデイフェンスは手堅くて、そのパスははたき落とされてしまった。

そこで「そんなはずじゃなかったな」とばかりに、セカンドダウンではランプレーを選択したのだった。ところが、これも目算違いでウクライナのデイフェンスラインは強くて、一歩も進められず1~2ヤードほど後退させられてしまった。そんなはずじゃなかったのにと慌てて、スポッターたちに相手陣営を改めて観察させると、ウクライナにはNATOから派遣されたコーチも入っていたし、スポッターにはアメリカの専門家も座っていた事が判明した。

しかも、ウクライナのホームゲームである観客席には大多数の応援団がいて、クラウドノイズ(観客が大声で声援する事)でQB(クオータバック)が幾ら声を張り上げてプレーをコールしても選手たちには聞こえなくなって、サードダウンではプレー開始前にベンチからタイムが要求された。

ウクライナ贔屓の大観衆はこの儘プーテイン軍団はサードダウンでも前に進めずに終わり、フォースダウンではパントに追い込まれることを期待しているのだ。報道によれば、嘘か誠かプーテイン監督の体調も万全ではないようで、パントに追い込まれて攻守交代しまえば、ロシアテイームでは監督の交代もあるのではないかとの希望的観測まで出てきている状態である。

だが、私は未だ勝負は予断を許さない状況にあると思っている。それは、ロシアテイームには未だ核兵器という最後的手段のようなプレーが残されているのだから。さらに、アメリカはスポッター程度参加させてはいるが、それ以上の支援には足踏み状態である。トルコもNATO側の観客席から引き上げるかのような意思表示をして見せている。

事態は未だ未だ予断を許さない流動的な状態にあると思って見ている。ウクライナテイームもゼレンスキー監督の懸命の指示の下にプーテインテイームのオフフェンスを食い止めている。だが、何分にも大谷翔平のように選手全員がデイフェンスとオフェンスの両面を担当しているので、ロシアに大きなヤードの獲得は許していないものの、かなり疲労しているかのように見える。何時まで保つのかとの不安が残る。

私は勝負を決めるのは、ウクライナテイームが現在のサードダウンで如何に守り切って、プーテイン監督に「パント」の指示をさせるかだろうと思っている。但し、狡猾で悪辣なロシアテイームが仕掛けてくるだろう「パントフェイク」のプレーを十分に警戒する必要があると見ている。願わくは「読者諸賢にこの例え話を理解して頂ければ有り難い」のだ。