新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月9日 その2 大谷翔平の現状を考えると

2022-06-09 16:29:22 | コラム
二進法でしか物事を考えない人たちの国に出て行った大谷翔平:

つい先日、何処まで理解してくれたかも解らないままに、大谷翔平の芳しくない現状を分析して家内に聞かせた。大要は下記の通りであるが、その場で言った事に更に具体的に拡張してある。

大谷翔平の不安材料:
第一は先日も採り上げた「昨年の大活躍とMVP等数々の受賞をした後では、アメリカ人のものの考え方から見れば、あれ以上の働きを期待されるはずだ」という事。それは、言うなればホームラン王を獲り、10勝以上を挙げ、打点王でも獲り、2年連続してリーグのMVPを獲る事等々になるのではないか。即ち、比較するのも愚かな100年も前のベーブ・ルースの記録を破って、初めて評価されるのでもあるだろう。

私は球団の経営者側もそう期待しているだろうしファンもそれを望んでいるから、あれほど熱狂的に応援するのだろうと見ている。危険な事は「二者択一」でしか物事を見ようとしないアメリカ人だから「あれほど応援してやった大谷が期待に応えなかったのだから」と言って、結果次第では簡単に見捨てかねない点なのだ。

話は逸れるかも知れないが、レッドソックスは澤村拓一をアッサリとマイナーに落としたかと思えば、球団の都合で2日後には再度引き上げていた。「悪ければ落とし、都合次第で引き上げる」という「白か黒か」の彼ら独得の物の考え方だ。筒香嘉智も使えないと決めつければ直ぐに戦力外にされていたではないか。かと思えば、直ちに拾う神ありだった。

現に、12連敗だったかになった時点で、球団はあれほどの実績を誇る有名なジョー・マドン(Joe Maddon)監督(68歳)をアッサリと解任した。この辺りが私の指摘する二進法的思考体系の怖いところで、成績不振の監督ならば「留任か解任か」しかないのだ。彼が大谷を攻守両面で同時に働く事を推進してくれたのだから、後継者が現時点で2割5分も打てない、ホームランも少ないショーヘイを使い続けるかには、私は不安がないとは言い切れない。

大谷は審判を敵に回してしまったのでは:
彼の審判の判定に対して敵対心を露骨に見せる態度は決して好ましくない。アメリカの審判員は確かに我が国と比べれば質が高いとは言えないと思っている。だが、彼らはそれなりに高い権威と自信を持っている。その審判の判定に異議を唱えるような行動に出れば、二進法的思考体系の人たちが如何なる形で報復してくるかなどは、考えるまでもない事。彼らは中間点で妥協する事など考えていないと知れ。

現に、彼が見送れば「ストライク」と判定されるようになっている感が濃厚だ。アメリカに5年もいれば、これくらいの事が解っているべき事だ。アメリカ生まれの通訳・水原一平が助言はしないのか。まさか、大谷ともあろう者が慢心しているのでなければ良いが。審判員との間柄は修復すべきだと思う。

打てそうな投球が来ない:
昨年からNPBではタイガースの鳴り物入りの新人だった佐藤輝明が、我が国の精密なコントロールを誇る投手たちに、どのように処理されるようになったかを観察していた。極めて簡単で。彼の弱点であるインサイド(言いたくはないが「インコーナー」などと言う英語はない)の速球攻めで空振りを取るかファウルボールを打たせるかに始まり、カウント球はアウトサイド低目に決まるスライダー。

決め球は2ストライクを取った後でアウトサイドにボールになるスライダーで空振りをさせるか、アウトサイド高目のボール球で矢張り空振りを取るという攻め方。尤も、最も有効な空振りを取る球種はインサイドの低目のボールになるスプリットかスライダーで、アウトサイドに目付をさせた後では非常に有効だった。

見方を変えれば、彼が打てるところには殆ど投げてこないのだ。特に凄い点は、NPBの有力な投手たちは精密なコントロールで佐藤の弱点を突いていく事。佐藤は未だこの攻め方に対応し切れていないと思う。

大谷翔平に対するアメリカの投手たちの攻め方もほぼこれと同じ。私は、アメリカ(乃至は南アメリカ)の投手たちは日本の投手のように細かい制球力が無いので、自分の持ち球の中でも最も自信がある球種を「打てるものなら打って見ろ」と投げ込んで、「打ってやろうじゃないか」と挑んでくる打者と勝負をする大雑把なピッチングをするのだと見ていた。

所が、豈図らんや、彼らは「これでもか」とばかりに大谷の弱点を攻める投球をするのだ。私は折角NHKが連日BSで中継してくれるエインジェルスの野球を偶に見るだけだが、可哀想に大谷が登場すれば、誰か解説者が「打てるところには一球も来ませんでした」と指摘したように、所謂「甘い球」は配球されてこないようになっているのだ。何が言いたかったかと言えば「昨年の大活躍で、大谷翔平は完全に丸裸にスカウティングされて、研究し尽くされていた」のである。

金村義明は「反対方向に打てるようになってきているから、もう大丈夫」と念を押していた。確かに昨年の絶好調時のバッテイングが出来ているのかも知れないが、スカウティングの本場であるアメリカであるから、より精密に好調時の大谷に対する策も立ててあるのかも知れない。

私は悲観論者と自称しているくらいだから、明るい事は言えない。だが、我が国のホームラン打者の代表的存在に近いジャイアンツの岡本和真の打率は2割2分台。スワローズの村上宗隆にしても打率は岡本よりもかなり増しだが、3割には程遠い。その昔にホームランを沢山打つと評判が高かった原辰徳は「失投しか打てないホームラン打者」と揶揄されていた。という事は、大谷に対してMLBの投手たちが失投をしなくなったと考えられるのではないか。

結論:
私は大谷翔平が精神的にも安定するように努め、研究し尽くしてきたMLBの凄い投手たちに対抗し、打ち勝つような技術を磨いて欲しいと同時に、審判員との間柄を修復するというか改善する努力を重ねるべきだと思うのだ。それにつけても思う事は「何で二刀流等という珍妙な名称を付けたのか」なのである。名付け親は宮本武蔵にお伺いを立てたのだろうか。


今更マスコミ批判などするのは詮無い事だが

2022-06-09 07:53:10 | コラム
インドネシアに逃亡し潜伏中と報じられていた:

かの巨額の給付金詐取の首魁・谷口光弘はインドネシアに逃亡して潜伏中と報じられていた。恐らく事件が発覚して急遽逃亡したのかと思って聞いた。インドネシアには97年に2回ほど仕事で訪れた事があるので、あの国の地方に潜伏してしまったのであれば、容易に所在を補足できないだろうくらいは推定できた。ところが、インドネシア当局が旅券無効の廉で逮捕したというニュースが流れた。インドネシアの警察も大したものだと感心した。

ところが、報道によれば谷口光弘とやらは2年も前に出国しており、外務省からは「旅券無効」が通告されていたのだったそうだ。しかも、彼はインドネシアのスマトラ島で大きな家に現地人と同居して、地元民に「魚の養殖が儲かるから投資を」と勧誘する事業家だったのだと報じられた。これでは、「逃亡して潜伏」ではなくて、「出国して現地に滞在」とするのが実態に即していないか。だからマスコミは当てにならないと言いたくもなる。

現地の警察が無効の旅券所持で逮捕したという事は、その罪状というか嫌疑は地元警察でも把握していた事になる。という事は、我が国の警察当局も彼の所在と所業を承知していたのではないのか。少しだけマスコミ報道に理解を示すような事を言えば、彼らと雖も取材できていたのだったが、当局から報道を止められていたのかも知れない。何れにせよ、私は彼らの報道は信ずるに当たらないのだという事を、ここでも示してしまったのだと解釈した。