汚職国家だとは:
私は既に「ロシアは悪の権化のような国で、一方のウクライナには一点の曇りもない100%清廉潔白な国であるが如きマスコミ(新聞とテレビのことだが)報道を鵜呑みにして良いのか」と論じてきた。見方を変えれば、これまでにこの国には殆ど関心がなく、精々中国に遼寧となった空母を売った国で、愚息の知人のロシア人だと思っていた女性がウクライナ人だったことと、英語表記ではUkraineと書いて「ユークレイン」と発音することくらいしか知らなかった。
ロシアの侵攻があって初めて、「過剰な」とでも言いたい報道が連日連夜あって色々と知り得たのだが、マスコミ報道のように何らの瑕疵もない国などあるものだろうかという疑念もあった。尤も、日頃から批判しているマスコミは、如何なる事で詳細に裏表を承知しているのだが、現実に報道することの内容は当たり障りがない話ばかりだとは解っていた積リだ。
だから、週刊文春には一寸辟易させられるが、週刊新潮が書くことと、テレビと新聞の報道を照らし合わせてみれば、この辺りが真相なのだろうと思われることが浮かび上がってくると考えていた。だが、新聞もどれを読んでいるかで、本当の姿が見えてこない場合あると思っている。
そこに、ウクライナについて、本日の産経新聞にウクライナを研究しておられるとある神戸学院大学の岡部芳彦教授が「瑕疵がある」旨を指摘される「一歩前進も汚職対策が鍵」との見出しで、EU候補国入りに関する問題点を表明しておられた。初めて「ウクライナは瑕疵物件だった」と学習できたのだった。その寄稿から関連する記述を引用してみよう。
>引用開始
EU加盟には法の支配や人権など多くの項目でEU基準をクリアする必要がある。ウクライナ加盟に向けて国内法や規制を変更してきたが、それでも候補国になれていなかったのが実情だ。(筆者注:加盟するのが当然なのかと思わせる報道があったような気がするが)
新興財閥(オリガルヒ)が政権と癒着する、裁判官や検察官の試験に賄賂で合格する。大学教授が授業の単位を金で売るなど、ウクライナは有数の汚職国家と言われてきた。親露派政権が倒れてクリミア半島が占領された2014年以降、国家汚職対策局を新設するなど汚職排除に努めたが、いまだになくならない。(以下略)
<引用終わる
通俗的な言い方で申し訳ないが「へー、勉強不足で知らなかった事ばっかりじゃん」なのだった。最も信頼して良いと評価している産経新聞だからここまで載せたのか、産経でもこの程度で岡部教授の筆の力を借りたのか俄に判断出来ない。だが、これくらいのことをもっと早い時点で採り上げておいても良かったのではないのだろうか。それとも、「それは貴殿が不勉強だっただけだよ」と切り捨てられてしまうのだろうか。