新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

インフレーション

2022-06-20 07:55:35 | コラム
インフレーションのアメリカ対物価高の日本:

先週のことで、テレビのニュースで「南カリフォルニアの3スター(5スターが最高?)ホテルが、部屋代を$200から$300に上げた。これでは現在の円安の¥135の為替レートで換算すれば¥40,000になってしまう。アメリカのインフレがどれほど凄まじいかが解る」と報じていた。

15日に骨折の怪我から回復したYM氏と3ヶ月振りに懇談した際に、彼のアメリカの知人からはインフレーションの一例として、ニューヨークではラーメン1杯が$30にもなっていると知らされたと言っていた。これも$1=¥135で換算すると¥4,000見当になってしまうのだ。我が家の近所には最早ラーメン店は1軒しかないが、そこでは看板商品は¥1,000になっている。これを¥135でドルに換算すれば$7.5ほどで、NYとは比較にもならないほど安くなる。

そこで、我が国の東京の一流のホテルの部屋代は如何にと検索して見た。すると、実際に宿泊された方の経験談としてペニンシュラホテル、マンダリン・オリエンタル、フォーシーズンズ大手町、オークラ等では¥40,000~45,000の範囲内にあると出てきた。これらを$1=¥135で換算すれば、大体$300見当になる。値上げしたカリフォルニア州のホテルと変わらないのだった。

因みに、私は長い年月アメリカでは我が社に提供されるcorporate rateという「会社が社員による年間の宿泊数を保証して特別価格を出して貰う制度」の下に動いていたので、Four Seasons、Ritz-Carlton、Hyatt Regency、Marriott等々を利用しても、部屋代にはそれほど注意していなかったが、1990年台ではFour Seasons辺りでも一般の方は$200以下だったと思う。

また、別の局ではNYで一流の寿司屋では$1,400だったとかで、驚かされた。なお、私はここに取り上げた価格が信頼できるものかどうかの保証する立場にはないとお断りしておく。

そこで、我が国の寿司屋だが、年始の入札で鮪を数千万円等の高値で落とすので有名な「すし三昧」の歌舞伎町店のランチは¥1,400の儘である。アメリカにおけるステーキの価格が何処まで上がったかの情報の持ち合わせはないが、アメリカからの輸入肉を売り物にしているペッパーランチでは150gmのサーロインはライス付きで¥1,200で、ドル換算すれば何と$9見当である。

我が国ではロシアによるウクライナ侵攻の悪影響の他にエネルギーコスト等々の高騰があり、諸物価は12~13%上昇し、家計を圧迫していると報じられている。だが、その一方では未だにデフレーション傾向から脱却し切れていない感が濃厚で、上述のようなアメリカとは比較にならない食べ物の安さが残っている。

3年ほど前に一時帰国したSM氏が我が家の近所のホテルのレストランでYM氏と2人で会食した際に「今時、LAでこのように$10以下で食べられるランチなんてありません」と語っていた。そのレストランは運営会社が変わったが、今でもメニューには¥1,000以下のものが並んでいる。年金依存の生活となって見れば、矢張りデフレは有り難いなと、つい思ってしまう。