新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

今週のニュースから

2023-01-10 10:11:33 | コラム
何となく不安になる材料が多いのだが:

COVIDの第8波:
連日のように全国で感染者が増えて、亡くなる方が増えていると報じられている。だが、その一方ではニュースを見聞きしていれば、「3年振りに」が付く催し物の再開が賑やかに取り上げられているし、インバウンドの増加で観光地が賑わい、空港が活気を呈してきていると知らされている。スポーツの観戦では「声出し応援が解禁された」と手放しで喜んでいる。何となく「それで良いのかな」と感じてしまうのは何故だろう。

いや、「何故か」などと言うのは愚かなことで、景気不振と賃金の低下傾向が続き、悪かった円安は未だ130円台にまで高くなっただけでは、政府も「事ここまでとなれば、何として経済を回そう」と割り切ったのだろうと考えて、異を唱えるまでもないだろうと思って静観している。だが、世界の情勢はロシアや中国の動きは益々危険な方向に進んでいるようであり、何年か先の防衛予算増額や増税で追い付くのかと不安にもなる。

鶏インフルエンザの猖獗振り:
全国に何千万羽の鶏が飼われているか知らないが、既に998万羽が殺処理されたと報じられた。998万羽のうち約900万羽が採卵場の鶏だそうだ。結果として、鶏卵の供給が激減して需要者にわたる価格は20~30%も上昇したそうだ。すると、一部の料理店やお菓子屋さんが深刻なコスト上昇に直面して苦悩していると報じられた。そこで何時も出てくる経営者の悩みが「コスト上昇を如何にして最終価格に反映させないか」なのだ。

最終価格に転嫁しない理由は「迂闊に値上げすれば、ジッと我慢した同業者に顧客を奪われる」というのが最大の問題だろうと思っている、以前、知り合ったアパレル会社の経営者は「業界の最大の問題は『オーバーストア』による過当競争」だと断言していた。即ち、「同業者が乱立して多過ぎるので困る」ということ。

それは「値上げすればお得意様というか来店して下さるお客様に申し訳ないので、据え置くべきかどうするか悩む」となるのだ。目下の所、多くの製造業者はエネルギー、原材料、人件費、金利等の上昇を販売価格に転嫁し始めたので、今年の春までには値上がりが何千品目にも及ぶそうだ。だが、末端の料理店や製菓店は“to be or not to be”に懊悩呻吟するのだ。私は「フワトロ」のオムライスや、最早1個で500円超えが当たり前になった洋菓子に興味は無いが、当事者には死活問題のようだ。

私はこの物価上昇は論旨を飛躍させれば「プーチン大統領の悪行の所為だ」と思っているのだ。ロシアのウクライナ侵攻を何処かで止めさせないと、世界は益々防ぐ手立てがない物価上昇に苦しめられていくのではないのかと感じている。岸田総理は近々バイデン大統領と会談される予定のようなので、その成果に期待したい。アメリカではトランプ新党が結成されるという穏やかならざる報道もあった。

英語の話になるが、これは“bird flu”で通じると思う。

中国の「ゼロコロナ政策」の終わり:
春節の民族大移動は述べ20億人に達するだろうと報道されている。中国では感染者が激増し、死者も増えて火葬場に霊柩車が長蛇の列とかだ。それでも中国政府は「ゼロコロナ政策」を終了させ、水際の検査も緩和されたとかだ。一聴というか一見甚だしく矛盾した政策のようだが、何処だったかのテレビ局の北京駐在員は真剣な表情で「何としても停滞気味の景気を回復させる政策」と言い切っていた。その通りだろうと思って聞いたほど説得力があった。

中国では春節での旅行者の圧倒的多数はマスク着用に見える。世界でも我が国以外ではマスクをしている人は極めて希のように見える。私には「他国ではマスク着用の効果を認めておらず、解禁したのだろうかと受け止めている。だが、専門家によれば「ウイルスは時が経つと変異していくものだから、このまままた新規の変異株が出てくるのは必定」そうだ。「それによる感染を防ぐのは、マスクを着用するか否かの問題ではない」というのが他国の解釈なのか。

それでも、中国は何時もの通り高飛車に中国からの入国者を厳しく制限する諸外国を非難している。私は中国の「中華思想」による傲慢な姿勢に対抗するよりも、地道にワクチンの接種を普及させ、COVID用の治療薬の開発と速やかな承認に期待する方が早道のように思えるし、安全だと見えるのだが。基礎疾患を抱えた超高齢者の当方は、未だ未だ日頃の行動範囲を逸脱せずに過ごして行くしかないと考えている。