新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

中国政府はヴィザ発給停止措置に出てきた

2023-01-11 07:27:16 | コラム
如何にも大国・中国らしい対抗措置だなと受け止めた:

昨日から中国政府が在日大使館と韓国での大使館での、中国への渡航のヴィザ発給を停止した件が、マスコミ報道を賑わしている。外務省は遺憾の意を表明したと報じられていた。中国政府は既に我が国と韓国の中国からの入国者に対する水際での対策というか措置を強化したことに対して、毎度の事ながら報道官が「相応の対抗策を採る」と公式に表明していたので、私には「なるほど。こういう手で来たか」という程度の驚きはあった。

報道によれば、中国政府の表明には「期限等々の具体的な内容が明らかにされておらず、中国に拠点を設けている数多くの企業や留学予定者等は困惑し、対応に苦労している」とある。私は「我が国の政府は西側諸国というか非専制国家群の一国として、中国(及びロシア)に対してはその居場所に相応しい措置を執らざるをえないだろう」とは理解している。だが、マスコミ報道から推理すれば、このようなヴィザ発給停止までは見込んでいなかったように感じるのは何故だろう。

先頃のウクライナのゼレンスキー大統領が戦闘服着用での岸田総理を訪問した現実を見れば、我が国の中国とロシアに対する立ち位置は最早動かしようもないどころか、動かすべきでないほど鮮明に「対立関係」になっているのだ。私は既に某元大使の「返り血を浴びると解っている制裁を科すのは・・・」との発言を引用してあった。そこに加えての水際対策の強化だった。

それだけではなく中国には「戦狼外交」であり「戦狼報道官」が存在するのだ。水際対策の強化に対して、中国が何らかの対抗措置を取ってくることは織り込み済みだっただろう。ただ、私にはマスコミが「ヴィザ発給停止」の策に出てくるとまでは予想出来ていなかったようなのは「甘かったのではないか」と言いたくなる。

私は岸田政権が(当然の対策ではあると思うが)水際での対応を強化するのであれば、中国が如何なる対抗策を打ってくるかくらいは、藤井颯太五冠が手を打つ前に長考するように、十分に「こう出れば、相手はこういう手で対抗してくるだろう」くらいは読み切ってあっただろうと思いたいのだ。だが、マスコミがそこまで読んでいなかったのかどうか知らないが、どうも「右往左往」している感を免れないのは残念だ。

このような局面で、親中派と報じられている林芳正外務大臣や日中友好を唱える議員さんたちはどのような動きをするのだろうか。私には「世界の二分化」というか「二極化」がイヤと言うほど鮮明になったと見えて来るのが、中国のこの度の対抗策だと受け止めている。