新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月22日 その2 DPRKがミサイルを発射し手一層難しくした国際情勢

2023-11-22 16:39:49 | コラム
虚しく響く「国連安全保障理事会決議違反だ」の声:

DPRKが自ら公表した予定時刻よりも1時間半ほど早くミサイルを発射した。政府は沖縄県を対象にしてJアラートを発令して警戒/避難を呼びかけたと報じられた。岸田総理は「我が国の国民の安全に関わる重要な事態だ。北朝鮮に既に厳重に抗議した」と発表された。さらに「国連安保理事会決議に違反だ」とも発表した。

これらの措置は当然我が国その他の民主主義を信奉する自由陣営の諸国が採るべき措置だ。だが、残念ながらDPRKが今日に至るまで、このUNの重大な決議に対して「解りました。今後は充分に注意して違反するような行動を取る事がないように努めます」と、一度でも恭順の意を表したことがあっただろうか。金正恩氏にはそういった意志はないのは明らかだ。

私が見ても、安保理がどれ程厳重に注意しようと、我が官房長官が声明を発表して抗議しようと、彼金氏以下が態度を変えることなどは考えられないのではないか。DPRKにはそもそもUnited Nationsの要望する事柄に従おうなどという意志は皆無であることが、今日まで繰り返して実証されてきたではないか。故に、岸田総理の抗議も国連安保理決議違反だという指摘も虚しく響くだけの結果に終わっている。

一向に終わりが見えてこないウクライナへのロシアの侵攻、この度のハマスのテロ行為が直接の原因となったイスラエル対ハマス(パレスチナのガザでの)の争いが「アメリカを筆頭に置く西側の民主主義諸国(我が国や韓国も含めて)」対「ロシア(を支援する中国、DPRK)、ハマスを支えるイラン、中国、ロシア」のように世界の勢力の構図が二手に分かれたという様相を明確に描き出してくれたのだった。

この二極分化の事態が生じていては、United Nationsの総会でも、如何なる分科会でも、どれ程討議/討論しても合意する決議案などが先ず出てくる訳がないのだと、何処の誰にでも解るように解りやすく示しているではないか。この情勢下にあって、人口で既に中国を抜いたとされている大国・インドの立ち回り方などは、刮目に値する巧妙さである。

上記の世界の現実を見る時に、岸田総理には支持率の回復も焦眉の急かも知れないが、国内での「経済。経済。経済」にも引き続き傾倒されたいが、同時に得意とされている外交面でも手腕を発揮されて、世界の四方八方から襲ってくる容易ならざる事態から我が国の安全保障対策もおさおさ怠りなきよう、改めてお願いする次第だ。


「イチローって凄い選手だった」とあらためて実感した

2023-11-22 07:43:47 | コラム
イチロー独特の指導力が印象的だった:

21日夜に放映されたイチロー所属のKOBE CHIBEN対女子高校野球選抜の試合を見ていた。大谷翔平の2度目のMLBアメリカンリーグのMVP受賞という(歴史的な)大活躍(の報道)の陰に隠れてしまったのではないかと疑いたくなったイチローの存在だが、彼の凄い実績と、未だに精進を続け体力/気力を維持している、恰も求道者のような立派な姿を、昨夜は充分に見せて貰えた。

彼の狙うところは自分が実際に監督やコーチになるのではなく、「野球とは如何に修行すべきか」を、身を以て範を垂れているのだと見た。要するに「百聞に一見にしかず」であろうか。

イチローがMLBの28シーズンで記録した無数の記録(実績)は記憶し切れていないので、Wikipediaに依存してみた。要点だけ書き記してみれば、2001年にアメリカンリーグのMVP受賞・新人王・首位打者・盗塁王・ゴールドグラブ、MLBの最多安打262本、10年連続200安打、プロの世界の安打数4,367等々であり、陳腐な言い方だが枚挙に暇がないのだ。

これほどの記録を残した大選手であるが、私はtwo-wayで2度もMVPを獲得した大谷翔平と「どちらが凄いのか」という比較は出来ないし、する必要もないと思う。それは、私は「彼ら二人が挑んだ分野が同じMLBの中であっても性質が異なっているので、同日には論じられない」と思っている。それよりも、何時かはこの二人が「MLBの歴史に残る偉大な選手」として記録されると予測している。

昨夜のイチローは投手として9回を投げきり、50歳にして球速も130km台を最後まで維持して「女子高校生たちに130km台の速さに慣らせてやろうという意志を貫徹した真剣な姿勢」を示していた。一寸見ただけでは「子供を相手にして大人気がないのでは」とすら感じるかも知れないが、彼の表情も態度も真剣そのもので「斯道の成長発展に貢献しよう」と努力していると見えた。尊敬まではしないが高く評価すべきだと感じていた。

一方の女子高校生たちも「良くそこまで作り上げたあったものだ」と感心させられたほど「野球の形」になっていた。大人を相手にしてイチローその他から三振を取って見せたし、鮮やかなヒットを打ったし、外野手も恐れずに前進して浅いフライを飛び込んで捕るとか、一瞬男子高校生たちにも劣らないのではと感じたほど立派にやって見せていた。

最近は多くの女子のプロゴルファーたちが20歳前後で、立派なスコアでトーナメントに優勝するような時代になってきた。あの様子を見ていれば、あの18歳前の女子高校生たちが、これから先に良き指導者の下で近代的科学的なトレーニングを続ければ、女子のプロリーグの結成も夢ではないようにも思えるのだ。昨夜もバッテイングでは上手さがあっても、身体能力(腕力等)不足では思わせる場面が多かったのだから。

イチローは監督やコーチなどの指導者になる気はない由だが、昨夜のような真剣なプレー振りを見せていれば、その姿勢は既にして「立派な指導者そのものではないか」と思わせてくれた。彼は「彼独特のコーチ」という仕事の在り方を、あのような模範も形で見せようとしているのだと解釈した。