新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月12日 その3 小さな話題を

2023-11-12 15:23:13 | コラム
話題としては小さくしても金額が:

ここ数日、我が親愛なるマスコミは大谷翔平君の落ち着く先と、下世話極まりない話題で「転籍後の年俸総額」で賑わっている。そこで地それに関する小さ目の関心事を。

それは、大谷君が得られるだろう来年から10年間にアメリカドルで貰うはずの総額を、億円単位で表して報じているのが気になるのだ。現在の「情けなや、我が国の経済情勢」とでも嘆きたくなる為替レートの$1=¥150で換算するから、今朝辺りの報道では6億ドル、即ち900億円などと、もう我が事のように騒ぎ立てている。確かにこの総額は恐らく日本人の選手では史上最高額になるだろうし、従来の最高額をも超えるようだ。

だが、今日までにNYヤンキース等には松井秀喜や田中将大が高額で移籍してきた。野茂英雄だって当時は夢のような高額だった。しかし、マスコミ報道は概ね円建てにしている。正確を期すれば、野茂や松井の時代の経済情勢と為替レートの変動を考えて、アメリカドルでの表示と往時との比較も必要でないのかという気がする。

確かに大谷翔平君は史上希なる才能と実績を誇る素晴らしい選手である。ではあっても、我が国では及びもつかない物凄いインフレーションに直面しているアメリカでは、大谷君が獲得するだろう10年間の年俸を簡単に史上最高額と決めつけて良いものかという気がしてならない。当方がリタイアした1994年頃には1ドル¥100で、当たり前のように換算していた。そのレートならば6億ドルだって600億円でしかない。

回りくどい言い方をしてきたが、大谷君や八村君の収入を言うときには、ドル建ての方が当方には解りやすい気がするのだ。900億円などと言われても実感もないし、現実味にも乏しすぎる。何と言っても我が国の景気は「3万円+1万円の将来の減税」の原資がなくなったと財務大臣が国会で答弁する状況なのだ。900億円は何かの景気づけにはなるかも知れないが、所詮は余所の国のお話だ。


11月12日 我が国の経済力の低下が著しい

2023-11-12 10:43:10 | コラム
世界第4位の経済大国、イヤ小国に成り下がるとか:

マスメディアは罪なき一般の視聴者を余り刺激しないように配慮したのか、落胆させてはならないと自粛しているのか、静かに我が国がドイツ(人口は我が国よりも少ない)にGDPで抜かれて第4位となり、人口が世界最大となった第5位のインドにも肉薄されたと報じている。私は「善くも、4位にでも踏み止まれたものだ」と意外な感すら抱いている。

総理大臣が20%台への支持率低迷に曝され、選んだ政務三役とやらが立て続けに問題を起こして苦境に立っている時に、財務大臣が静かに国会で「減税に引き当てると言われた税収の増加分は既に使い切ってあり、減税は国債の追加発行しかない」と言い切ってしまわれたのだ。このような事態を引き起こしていただけでも「国力が低下したな。4位で良かったな」と情けない思いに沈んでしまう。

マスコミに登場される専門家や有識者の方々は常に「実質賃金の低下傾向が止まらないにも拘わらず、円安その他の影響で物価高に歯止めがきかない。この状況下でも(大手では、の話だが)企業の内部留保は増加傾向にある」と語っておられる。経済などには暗い当方は、こういう話を聞けば「賃金が上がらないのは岸田さんの政治の所為ではなくて、内部留保にうつつを抜かしている経営者たちが悪いのでは」と思ってしまう。

確かに、故安倍総理の時代から内閣が経営者とその団体に「給与の引き上げを」としつこいほど要望されてきた。岸田総理も「経済、経済、経済」と連呼された。だが、経営者たちには「糠に釘」というか「暖簾に腕押し」の感があり、一向に景気に反映するほど上げなかったし、上がらなかった。有識者からは「大手企業だけが円安のお陰で潤って多額の利益が計上されているのだ」とも指摘されている。

かの手厳しい論客兼経営者、デイヴィッド・アトキンソン氏に言わせれば「日本に300万以上もある会社の中で90%以上(だったか?)は従業員が3.4名で、そういう極小企業では賃上げなどままならない」のだそうである。だが、私は何十年もこの手の「そんな事言ったって」
と聞かされ続けてきた。その時期にあって「原資の枯渇した減税を」と言われたのでは、不評となり支持率も下げる訳だ。

勿論、岸田さんにも一層奮励努力して頂かねばならないのだが、私は奮起をお願いするよりも物の見方を変えて大手の経営者たちに「自社を内部留保で豊かな会社にして、業績を上げようということのみを考えないで、少しはお国の為に思い切って給与を10%以上でも引き上げて、社員の可処分所得を増やして内需を喚起しようと考えても良くはないか」と進言したいのだ。

経済界側も岸田さんが担っておられる重責をいくらかでも軽減して差し上げることと、直面しておられる国の景気低迷等の苦境の切り抜け対応に、極小企業にまで及ぶような賃上げ等にまで対策を講じて、救いの手を差し伸べても良いのではないかと思うのだ。

私は「岸田さんもエコノミストの方々も物事を何か必要以上に難しく理論的に考えすぎているのではないのかな」と思うときがある。一消費者としては、税金が減るよりも可処分所得が増えるような収入そのもの(手取りの月給とか)が増える方が実質的で有効な気がするのだ。あの合計4万円とやらいう減税も貯蓄に回そうという意見の人がいた。

一般の市民の萎縮してしまった消費マインドを何とかして復活する方策を考える方が先ではないのか。減税って「これから先に取られるだろう所得税を減らして上げよう」っていう話でしょう。有り難みは薄いと思いますよ、岸田さん。


何故「東京グローブ座は改修工事中」はニュースにならないのだろう

2023-11-12 07:49:55 | コラム
マスコミが取り上げないような小さな話題を:

件名の「東京グローブ座」は東京都新宿区百人町(マスメディア風に言えば「新大久保」の一角になるが)にあり、1988年4月に開場したロンドンのThe Globeを模した形のシェイクスピア専門の劇場である。中曽根元首相が提案された東京の民活の一環として建てられた西戸山タワーホームズの敷地内にある文化施設である。

開場後にはタワーホームズの居住者も招待されることもあり、英文学科出身者としては恐る恐るシェイクスピアのお芝居を観に行くとか、ジャズピアノの小曽根真、二代目高橋竹山の津軽三味線なども聴きに行ったものだった。円形の舞台を取り囲む形の座席からは見やすいし、音響効果も素晴らしかったと思っている。だが、シェイクスピアが中心では採算に乗らなかったようで、2002年10月にジャニーズ事務所に売却されて「それ専用」の劇場と化してしまった。

それ以来、所謂「出待ち」と「入り待ち」のジャニーズのファンが殺到とまでは言わないが群がるので、ホームズへの出入りに影響が出るようになった。そこで、ジャニーズ側が採った対策は劇場への出入り口を言わば反対側の山手線の線路側に移したので、住民は平静さを取り戻せていたようだった。

そのグローブ座は気が付けば改修工事とやらで、通行する歩道からは見えなくなり、工事を請け負ったのだろう前田建設の「工事開始」の挨拶のディスプレーが取り付けられていたのだった。世事に疎くなった当方は、今頃になって「グローブ座の周囲に白い囲い込みが張り巡らされた頃から、ジャニーズ事務所(目下の所はスマイルアップ)が世間及び遅まきながらマスコミも加わって、故喜多川某の性加害が激しく非難・攻撃されるようになっていた事」に気が付いたのだった。

この改修工事と称する囲い込みが、旧ジャニーズの施設をいくらかでも衆目に去らさないように考慮する意図があったのかは不明だが、工事の作業は一向に進む様子が見えないのだ。いっそのこと取り壊すのかと疑って、誘導員に尋ねると「改修工事です」と言う。また、一般の通行者には見えにくい場所に掲示されている工事の概要には、発注者は「ジャニーズ事務所」のままである。

このような附属設備(なのだろう)の劇場の改修工事にまで、東山社長や井ノ原副社長は目が行き届いているのだろうかと、どうでも良いことだが気にはなっている。また、何故マスコミはグローブ座については詳細に触れないのだろう。あれほどジャニーズのファンの人気が高かった劇場には彼らの関心はないのだろうか。東山や井ノ原のことしか報じる気がないのだろうか。

やや脱線する話になってしまうが「スマイルアップ」で検索すると、住宅の内装工事の「スマイルアップ株式会社」が出てきた。また、グローブ座のglobeは「地球」のことで、長崎の「グラバー亭」のGloverは固有名詞で、手袋のgloveに似てはいるが「手袋をはめた人」などという英語はない。