新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月28日 その2 バドミントンの日本選手権観戦記

2020-12-28 09:52:12 | コラム
驚異的な運動能力と反射神経と動体視力かと感嘆:

冬場で野球もフットボールのシーズンも終了した上に、この新型コロナウイルスの感染に変異株まで加わっては、家に籠もってテレビでも見ているしか選択肢がなくなった。そこで、バドミントンという競技の日本選手権の各種の決勝戦を見ていた。中学の頃だったかに世界で最も難しい競技がテニスで、二番手がサッカーであると聞かされたことがあった。テニスの難しさは「その駆け引きの奥の深さを極める技術が非常に難物である」と、テニス部の者が誇らしげに言っていた記憶もある。

だが、バドミントンという球技を見ていると、その駆け引きの奥の深さというか複雑さと瞬時の対応の判断の仕方も、もしかするとテニス以上に難しいのではないかと思わせられていた。今回初めて世界のランキングで1~3位以内の者たちの試合振りを見ていて痛感させられたことは「彼らは自分がこの競技に適した身体能力と感覚を生まれながらにして備えていると承知で始めたのだろうか」と思わせられていたし、その技術の素晴らしさに、極端に言えば呆れていた。

特に、その世界的な大会を数多く制したことでギネスブックに登録されたという桃田賢斗君の反射神経と運動能力の素晴らしさには、拍手を送りたくなった。彼はマレーシアでの不運な交通事故の為に11ヶ月も試合をしていなかった空白を補って余りある試合振りだった。特に、私には彼の守備の凄さに感心していた。初速がどれほどのスピードで出てくるか知らないシャトルを、地面ギリギリで捉えて打ち返す能力と、そこまで反射神経を活かして追い付いてしまう身体能力が特に印象的だった。

その試合振りを見ていて解ってきたことは「打ち込まれたシャトルの初速は早くとも、スピードが急速に落ちるので、ギリギリで追い付いてしまっているようだ」と気が付いた点だった。だが、そこから先の桃田君の凄さは、辛うじて打ち返した球筋が立派に相手の意表を突く攻撃の形になってしまう辺りだった。あの技術は天性のものなのか、あるいは練習で鍛え上げたものなのかを、彼に訊いてきたい気がしたほどの完成度だった。

何時だったか、彼が懸命にウエイトトレーニングをしている画面を見たが、彼は言わば単能機でバドミントンしかやっていないのか、あるいは他の球技を経験した上でバドミントンに行き着いたのかにも大いに興味があった。私には世界の第一人者の位置を維持する為には,部外者には到底想像できないような精進と努力を重ねているのだろうと思っている。彼の為には是非ともオリンピックが開催されて欲しいものだと思った。

女子のシングルの決勝戦、奥原希望対山口茜の試合も「凄い」の一言だった。昔から「技術の水準が同程度だったならば、精神力が強い方が勝つ」というのを信じてきたが、あの試合は両者の精神力の強さが際立っていた。テレビの画面からも「負けて堪るか」との闘争心が恐ろしい程伝わってきていた。最後は奥原の「勝ちたい。勝って見せよう」との精神力が優って、あの「ネットイン」(という専門語があるのか)という形になって現れたのだと思わせてくれた。世界の最高水準を行く2人には、張本勲流に言えば「大天晴れ」である。オッと、桃田君にも「大天晴れ」だ。



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