結論は自由貿易支持も、各論は微妙:
帝国データバンクでは先に「保護貿易に対する企業の意識調査を実施して農・林・水産、金融、建設、不動産、製造、卸売、小売、運輸・倉庫、サービス、その他の10業界の見解についての結果を公表した。調査期間は2018年6月18~30日、調査対象は全国の23,149社で、有効回答企業数は9,694社(回答率41.9%)だった。
■調査の結果の要旨:
*「自由貿易が望ましい」とする企業は全体の56.9%で「保護貿易が望ましい」とする企業の9.9%を大幅に上回った。しかし、自社の属する業界にとって「自由貿易が望ましい」とする企業は43.0%に低下。一方、「保護貿易が望ましい」とする企業は13.1%に上昇。
*保護貿易主義が広がりを見せた場合に自社の業績に「マイナスの影響がある」と回答した企業は28.7%。「プラスの影響」とした企業は2.5%、「どちらとも言えない」は38.5%だった。
*保護貿易主義に対する対応策を実施している企業は0.5%、「対策を検討中」と合わせても4.9%。
*対応策を実施している企業は、「情報収集・分析の強化」が57.0%で最多。以下、「仕入先企業の見直し」(32.0%)、「販売計画の見直し」(28.8%)、「自社の商品やサービスの種類・内容の見直し」(26.9%)、「生産計画の見直し」(20.8%)の順。
*「生産計画の見直し」を進めている企業が主に実施・検討しているのは「国内生産の拡大」で30.6%。「販売計画の見直し」は「国内向け販売の拡大」が46.3%で、精算・販売計画の見直しはいずれも「国内」の拡大を図る傾向にある。
■企業の約6割が日本にとって「自由貿易」が望ましいと認識:
一般論として自由貿易、保護貿易(国内産業保護)の何れを選ぶかと尋ねれば自由貿易が望ましいと答えた企業は56.9%と6割弱に達していた。望ましいとする企業の業界別では「卸売」(60%)、「製造」(59.7%)、などと海外進出を展開する業種に見られた。一方、保護貿易が望ましい」とする業界は「農・林・水産」(13.5%)、「建設」(12.5%)、「小売」(10.5%)と内需産業型で比較的多かったものの、全体として自由貿易が保護貿易を上回った。
ただし、自社の属する業界では「自由貿易が望ましい」は43.0%に対して「保護貿易が望ましい」は13.1%と、一般論と異なる結果となった。業界別では自社業界の「自由貿易が望ましい」としたのは「卸売」(49.9%)→「製造」(47.8%)→「小売」(44.1%)の順だった。一方、「保護貿易が望ましい」については「農・林・水産」が46.2%と突出。以下、「建設」(17.4%)と続いた。
自由貿易が望ましいという業界からは「自由貿易を維持しなければ日本経済は成り立たない」(冷凍調理食品製造/神奈川)、「自由貿易により打撃を受ける産業もあるが、少子高齢化を考えれば必要」(自動車(新車)小売/栃木)などがあった。
これに対して、保護貿易が望ましいとする業界からは「国内産業を保護して力を付けて自由貿易に耐えられるまでになった時に実施すれば良い」(輸送用機械器具販売/奈良)、「基本的に自由貿易は重要と考えるが、自然環境への影響、その国・民族の文化・歴史を互いに尊重する関係がなければ行けない」(森林組合/茨城)といった声が聞かれた。
参考資料:紙業タイムス社刊行 FUTURE誌 18年7月30日号
帝国データバンクでは先に「保護貿易に対する企業の意識調査を実施して農・林・水産、金融、建設、不動産、製造、卸売、小売、運輸・倉庫、サービス、その他の10業界の見解についての結果を公表した。調査期間は2018年6月18~30日、調査対象は全国の23,149社で、有効回答企業数は9,694社(回答率41.9%)だった。
■調査の結果の要旨:
*「自由貿易が望ましい」とする企業は全体の56.9%で「保護貿易が望ましい」とする企業の9.9%を大幅に上回った。しかし、自社の属する業界にとって「自由貿易が望ましい」とする企業は43.0%に低下。一方、「保護貿易が望ましい」とする企業は13.1%に上昇。
*保護貿易主義が広がりを見せた場合に自社の業績に「マイナスの影響がある」と回答した企業は28.7%。「プラスの影響」とした企業は2.5%、「どちらとも言えない」は38.5%だった。
*保護貿易主義に対する対応策を実施している企業は0.5%、「対策を検討中」と合わせても4.9%。
*対応策を実施している企業は、「情報収集・分析の強化」が57.0%で最多。以下、「仕入先企業の見直し」(32.0%)、「販売計画の見直し」(28.8%)、「自社の商品やサービスの種類・内容の見直し」(26.9%)、「生産計画の見直し」(20.8%)の順。
*「生産計画の見直し」を進めている企業が主に実施・検討しているのは「国内生産の拡大」で30.6%。「販売計画の見直し」は「国内向け販売の拡大」が46.3%で、精算・販売計画の見直しはいずれも「国内」の拡大を図る傾向にある。
■企業の約6割が日本にとって「自由貿易」が望ましいと認識:
一般論として自由貿易、保護貿易(国内産業保護)の何れを選ぶかと尋ねれば自由貿易が望ましいと答えた企業は56.9%と6割弱に達していた。望ましいとする企業の業界別では「卸売」(60%)、「製造」(59.7%)、などと海外進出を展開する業種に見られた。一方、保護貿易が望ましい」とする業界は「農・林・水産」(13.5%)、「建設」(12.5%)、「小売」(10.5%)と内需産業型で比較的多かったものの、全体として自由貿易が保護貿易を上回った。
ただし、自社の属する業界では「自由貿易が望ましい」は43.0%に対して「保護貿易が望ましい」は13.1%と、一般論と異なる結果となった。業界別では自社業界の「自由貿易が望ましい」としたのは「卸売」(49.9%)→「製造」(47.8%)→「小売」(44.1%)の順だった。一方、「保護貿易が望ましい」については「農・林・水産」が46.2%と突出。以下、「建設」(17.4%)と続いた。
自由貿易が望ましいという業界からは「自由貿易を維持しなければ日本経済は成り立たない」(冷凍調理食品製造/神奈川)、「自由貿易により打撃を受ける産業もあるが、少子高齢化を考えれば必要」(自動車(新車)小売/栃木)などがあった。
これに対して、保護貿易が望ましいとする業界からは「国内産業を保護して力を付けて自由貿易に耐えられるまでになった時に実施すれば良い」(輸送用機械器具販売/奈良)、「基本的に自由貿易は重要と考えるが、自然環境への影響、その国・民族の文化・歴史を互いに尊重する関係がなければ行けない」(森林組合/茨城)といった声が聞かれた。
参考資料:紙業タイムス社刊行 FUTURE誌 18年7月30日号