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危機の後、イデオロギーの変換を迫られたIMF

2011-05-20 | ラジオ
IMF・国際通貨基は資本市場の自由化政策における、基礎原則を段階的に外していく。近年の危機の結果、金融の自由な動きや調整が不十分であった場合、散々たる結果に陥りかねないことが明るみに出たからだ。
この結果、出来上がった新たな経済の現実というのは、自由な市場では国家の財政、経済状況の安定と予測性を、保障することは出来ないということを見せつけた。

西側のプレスは、ドミニク・ストロスカン専務理事の下で、新たに誕生したIMFに付いて、目覚しく優先事項が好転している様子を書き立てている。
お金の流れと言うのは、その所有者が最も利潤が大きいという方に動く。現在、利潤が大きいと思われている地域の一つに東南アジアが挙げられるが、そこへの資本の動きは目覚しいものがある。
これに比べると欧米はまだ鬱屈した状態にあり、EUとアメリカの財務相と中央銀行総裁は状況に介入し、調整機能を継ぎ足さざるを得ない。
この場合あまりにもリベラルなイデオロギーも、しばし脇に置いておかざるをえないのだ。
ヨーロッパのなかでも、このような大国ではない諸国の例は、資本の動きを管理すること無くして、危機に効果的に対応することは出来ない現実を如実に表している。

IMFの最近の定例会議でも、この新たな状況が確認された。ロシアの高等経済大学の専門家は、国家の調整は全く通常のことだとして、次のようにコメントしている。
「経済が発展するなかでは自由化、国家統制の強化と様々な時代があった。これは状況に対する具体的な相関関係によって決められる。自由化と国家統制の強化の間を揺れ動く時代というものもある。
先に起きた危機はちょうど、国家統制の新たなメソッドを探求する時期が到来したことを示すことになった。この道はかなり複雑であり、苦しみに満ちたものだ。何故なら伝統的なメソッドは常に上手く機能する訳ではなく、同時に新しい物はまだ見つかっていないからだ」
専門家は、このように発言している。

経済学が背負わねばならない課題とは、自由な市場とそれに対する介入との狭間で均衡をとる、新たなセオリーらしきものを生み出すことであることは、次第にはっきりし始めている。
しかも、これをグロバリゼーションの中で行わねばならないことがプロセスを複雑化させている。
何故なら、ある特定の経済のために新たなモデルを開発するほうが、断然簡単である筈だからだ。

ここでますます現実味を帯びてきたアイデアとは、国際的な金融調整だ。多くの専門家たちはIMFは、その活動のほかの主要な側面への態度を変えるのではないかと考えている。
特に被援助国の実体経済の発展を支えるとともに、そうした国の社会的支出を負担と思わず、将来への投資だと受け止めるようになるという訳だ。
そうなれば恐らく常に不安定要因を生み出す元凶となっている、大きな社会格差を克服することが出来るだろう。IMFの代表たちは、この春の定例会議でようやくそうした概念を一つにまとめることができた。
その声明では就労と社会格差の問題が、国際的な政策の中心課題になるべきことが表されている。

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5月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル