ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

「NASU WINE」情報

2009-03-08 14:57:16 | ワイン&酒


「キャッチ The 生産者」第28回にアップした 「NASU WINE」

先日紹介した 3/26の汐留でのイベントコチラを参照) でいくつか飲めるはずです。



どのワインが出るかわかりませんが、
ワインをつくっている渡邊さんが、たぶん会場にいらっしゃると思うので、直接会って色々なお話が聞けそうかも?
(→いらっしゃるという情報をいただきました☆)

事務局の話では、このブログで紹介して以来、続々と参加申し込みが入っているようですので(笑)、気になる方はお早めにどうぞ~



NASU WINE のHP発見!→ http://homepage2.nifty.com/nasuwine/


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第28回 NASU WINE@「キャッチ The 生産者」

2009-03-08 10:05:36 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年11月11日)

第28回  渡邊 嘉也  <NASU WINE>

今回は久しぶりに日本の生産者の登場です。
それも、“こんなところで?”(失礼)、と思うほど意外や意外の北関東のワイナリーを、残暑厳しく真夏を思わせる9月に訪問してきました。



<渡邊 嘉也>(わたなべ よしなり)
NASU WINE(渡邊葡萄園醸造)現当主。
国立醸造試験場を経て、25歳の時に(1993年)渡仏。
ボルドー大学で醸造を学び、シャトー・ロングヴィル・ピション・コンテス・ド・ラランドをはじめ、同グループのシャトーでワインメーカーを務める。
2002年、帰国。
NASU WINE(渡邊葡萄園醸造)の当主になる。


観光地“那須”にワイナリー発見!

栃木県那須塩原市といえば、皇室の那須御用邸を抱え、避暑地としてはもちろん、新緑や紅葉の時期には人気の観光地。
そこに、明治の頃から120年以上も続くワイナリーがあっただなんて・・・。
しかも現当主の渡邊嘉也さんは、ボルドーの著名シャトーの第一線でワインメーカーとして活躍していたというのだから驚きです!



NASU WINE(渡邊葡萄園醸造)
1882年 初代、渡邊謙次が現在の地を開拓
1884年 西那須野町遅沢に「下野葡萄酒株式会社」を創業し、醸造所を設立。
1903年 現在の場所(那須塩原市共墾社)に醸造所移転
2002年 現当主として初めて収穫、醸造を行う
2003年 欧州ブドウ品種を植樹




Q.なぜボルドーへ?家業を継ぐための研修として?
A.昔は、実家のワイナリーは潰してもいいと思っていました(笑)。だいたい、時代が違います。ここでワインをつくっても良いものができないし、日本はワインを生産する場所じゃないと思っていましたから。

Q.では、なぜ実家を継ぐことに?
A.父が亡くなったからです。潰してもいいと思っていましたけど、ブドウ園もワイナリーも歴史あるものですし、それをなくしてしまうのは、やはり忍びないと思いました。

渡邊の家はかつて壬生藩の家老をしていて、この地には開拓のために入り、多くの土地を開拓しました。ここの地名の“共墾社(きょうこんしゃ)”という名前の名付け親も、実は祖父なんです。

そんなわけで、父が亡くなった2001年はボルドーと那須を行き来していましたが、2002年には那須に戻ろうという決心をしました。

Q.すると、あなたが那須で最初に手がけたヴィンテージは?
A.2002年のワインです。その後、03年、04年とリリースし、今は05年が樽に入っている状態です。

Q.この地でのあなたのワインづくりのコンセプトは ?
A.まず “飲みやすい酒質のものをめざす” ということです。
みんなに喜んでもらえるワインであればいいかな、と思っています。

ただ、日本であっても日本でないようなワインをつくりたいと思っています。

というのも、日本とヨーロッパのワインづくりは根本的に違いますから。
ヨーロッパのようなワインをつくることは、今までの日本の中ではムリでした。

Q.ヨーロッパと日本では何が違うのですか?
A.ボルドーも雨が多い点は日本と共通していますが、きちんとブドウづくりがされ、素晴らしいワインが生まれている点が違います。

現在のフランスでは、薬剤の散布などの規制はかなり厳しくなってきていますが、“このタイミングでこれを使う”ということがピンポイントで実施できていることが良い結果を生み出していると思います。

日本の、特に個人経営のワイナリーでは人手も足りず、機械化をするには畑は狭く、投資負担も膨大になってしまいます。手作業では限界があるし、時間もかかり、ボルドーのような合理的なことができません。
よって、良いものを数多くつくることができず、それが日本での問題だと私は思います。外国のようなワインメーキングを日本で行うのは難しいですね。

Q.それでも那須でワインをつくり続けている理由は?
A.どんなブドウをつくればどんなワインになるのか、ボルドーでの経験から明確にわかっています。どこまでブドウから引き出せるのかは、ブドウを見て、食べた段階でわかります。

たしかに今は、天候や病気などの影響で安定して良いブドウが得られませんが、年を重ねて木に抵抗力が付けば・・・。
とりあえず、行けるだけ行こう。そんな気持ちでやっています。

でも、ボルドーにもう一度帰ろうとも思っているんです。客の希望通りのオリジナルオーダーワインをつくるなんてのも楽しいじゃないですか?(笑)

Q.手がけている品種は?
A.畑は約4haあり、白はナイアガラ、ホワイト・アリー、甲州、ポートランド、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、赤はベリーA、キャンベル、スチューベン、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、巨峰(生食用)です。

昔からあるブドウの樹齢は約40~50年ほどで、欧州品種は2003年に植えました。

1粒の濃さのあるブドウ、グミみたいに歯ごたえのあるブドウをめざしています。


ナイアガラ                    ベリーA

Q.このあたりの気候や土壌はブドウ栽培に向いているのですか?
A.標高は300mほどで、朝晩は涼しい環境にあります。が、雨が非常に多く、それが問題です。
土壌は石が多いので、カベルネなどには非常に向いているかと思います。

Q.ボルドーではどんな仕事をしていましたか?
A.ポイヤックの2級格付け、シャトー・ロングヴィル・ピション・コンテス・ド・ラランドのワインメーカーとして働いていました。また、ピション・ラランドが1997年に取得したシャトー・ベルナドットの立ち上げにも携わりましたしシャトー・ヴァランドローにも1年いて、2000年ヴィンテージの醸造を行いました。
その他にも、いくつものシャトー(ピション・ラランドのグループシャトー:シトラン、シャス・スプリーンなど)を経験しています。

Q.今後の予定は?
A.父の時代にはハウスで栽培していましたが、2年前にそれを取り払いました。
次は棚を取り払い、垣根仕立てに絞り込んでいきたいと思っています。

ですが、何よりも、毎年安定してブドウが収穫できるようにしたいと思っています。2005年は悪い年でしたが、2006年はそれにも増して悪い年で、6月から7月はずっと雨が降り続きました。そのせいで病気が出て、ほとんどダメになってしまった畑もあります。とはいえ、ナイアガラやキャンベルは無事でしたので、多少の仕込みはできますが・・・

Q.NASU WINE」をどのように販売していきますか?
A.うちのワインは観光地のお土産用ワインではありません。それなりの価格もします。現在はワイナリーでの直売が中心で、他にちょこちょこっと置いてもらっているくらいで、ほとんど販売網がない状態です。まずは首都圏の信頼のおける酒屋さんに取り扱っていただき、いいお客さんに買っていただきたいと思っています。


ナイアガラ種:ものすごーく太い棚の枝!


<テイスティングしたワイン>

マスカット・ベリーA (04年・05年)

04年は深みのある色合いで、非常に色素が濃く、香りも甘くて濃厚。ボディにコクがあり、アルコールのなめらかな口当たりと果実の甘みのある、まろやかな味わいです。

ベリーAのワインは日本ではポピュラーですが、今までに味わったことのないような深みと厚みがあり、ベリーAでもこんなワインになるんだ!とびっくりしました。



05年はまだ樽に入っていたので、樽からのワインをテイスティング。色調は04年よりも薄めで、酸の出方もかなり違います。05年の方が強めに出ていますが、バランスは良好。

「年によって、同じ樹からのブドウでもこんなに差が出ます」と渡邊さん。

05年は、樽熟成していないベリーAもあり、こちらは既に瓶詰めされて販売されています。こちらはちょっと若く、ややカドを感じるかも?


メルロ (02年・03年・04年・05年)

メルロ主体で、カベルネ・ソーヴィニヨンが35%ほどブレンドされています。

02年は、コショウ、グリーンペッパーなどのスパイシーな香りが若々しく香り、タンニンもクリーンで、まだフレッシュな状態。開くまでしばらく待ちたいところ。

03年は、酸の出方が非常にデリケートに感じました。

04年は、やはりグリーンペッパー系の香りは共通して感じるものの、口の中に入れると丸みがあります。コクがあってなめらかで、ボリューム、厚み、甘み、旨味があり、それらを酸が支えています。キレイなタンニンの存在感も感じました。

05年はまだ樽に入っているため、樽からテイスティング。

2年使用樽からのものは、果肉&果実の甘さ、モワモワした感じがあり、フルーツのアロマを濃厚に感じました。



ブラック・マホガニー (03年)

NASU WINEのフラグシップワイン。メルロ主体で、新樽を100%使用。
カスタード、ヴァニラの香りが甘く、口に含むと非常にキメが細かく、酸がエレガント。

「仕込んでから3年後のクリスマス頃から飲めるようにつくっています。今年のクリスマスにいかがですか?(笑)」と渡邊さん。

価格は10,000円・・・ クリスマスにこれが飲めたら、たしかに素晴らしい!



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インタビューを終えて

志を抱いて家を出たものの、やむを得ない事情で戻らざるをえなくなった、というのはよくある話です。ですが、そうしたことがあるとしても、まだずっと先のことだと思っていた渡邊さんにとって、お父さんの突然の訃報は大きな打撃だったはず。

良いワインなんてできるはずがない、と思っている土地でワインづくりをしていくのか?
それとも、那須でのワインづくりの歴史を途絶えさせてしまうのか?

かなり厳しい二者択一です。

そして、那須でワインづくりをしていくことを選択した渡邊さんに、2006年、メルロはほぼ壊滅という試練の波が訪れました。

あと1ヵ月もしたら収穫ができるはずの9月の畑に、私はブドウの房を見つけることはできませんでした。まるで収穫後の畑のようです・・・

これはヒドイ・・・、と複雑な思いで渡邊さんに顔を向けると、

「なんとかなるでしょう!」と、笑顔を返してくれました。

たしかに、農園として他の農作物からの収入はあるでしょうが、2002年以来つくり続けてきたメルロが仕込めなくなるとしたら、どんなに無念なことか・・・




1ヵ月後、再会した渡邊さんに「メルロの収穫、どうなりました?」と尋ねると、

今度も「なんとかなるでしょう!」という答えが返ってきました。

逆境を逆境とも思わないなんて、この人、只者じゃない!

“日本のNASU WINE”、そして、“NASU WINEの渡邊嘉也”の名が広く知られるようになる日が、近い将来きっとある!
そう強く思わずにはいられない、渡邊さんとの出会いでした。




『NASU WINE』
テイスティングルームでは、無料試飲および購入が可能です。

(JR東北本線の黒磯駅から車で5分ほど) TEL.0287-62-0548
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第27回 Vina Ventisquero@「キャッチ The 生産者」

2009-03-08 10:02:44 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年10月11日)

第27回  Aurelio Montes  <Vina Ventisquero>

前々回のアドルフォさんもそうでしたが、
チリはどうして若いイケメンのワインメーカーが多いんでしょ?と思わず頬が緩んでしまうくらい、これまたステキな、 ヴィーニャ・ベンティスケロのアウレリオ・モンテスさんが来日しました。



<Aurelio Montes > (アウレリオ・モンテス)
チリの首都サンチャゴ生まれの31歳。
カトリック大学卒業後、オーストラリアなどでの研修を経てベンティスケロ入社。
現在は同社のワインメーカーとして活躍中。
チリの名門モンテス社のオーナーで醸造長のアウレリオ・モンテス氏は実父。

注)外国では父と息子が同じ名前ということがよくありますが、アウレリオさん父子も同じ名前です。



アンデスの氷河の懐に抱かれて

ベンティスケロは、チリの農産業のリーダー的存在のアグロスーパー社が1998年に設立した新しいワイナリーです。食肉やサーモンなどの加工で培われたアグロスーパーの完璧で衛生的な管理システムのもと、計1500haという広大な畑から1500万ケースの高品質ワインを生み出しています。

“ベンティスケロ”とは、スペイン語で“氷河”、“雪渓”の意味。
なるほど、ラベルにはアンデス山脈の壮大な氷河が描かれています。

この氷河の雪解け水がブドウ畑に恩恵をもたらし、豊かな実りを約束します。
ベンティスケロのワインは、まさにこの氷河が育んでいるのです。




Q.ベンティスケロ設立に当たってのコンセプトがあると聞きましたが?
A.ベンティスケロでは“環境への配慮、環境とのバランス”を大事にすることを企業コンセプトとしています。
当社は非常に近代的かつ大きなワイナリーですが、まず外観は周りの自然に溶け込むようにしています。また外観だけでなく、そこに生えていた木はそのまま残したり、鷹を使って害鳥を追い払うなど、環境とのバランスに最大の注意を払い、排水を浄化して水の再生利用も行っています。さらにはISO9001、ISO14001、HACCPなどの国際規格も取得しています

Q.では、ベンティスケロのワインづくりのコンセプトは?
A. “偉大な醸造家はいない。あるのは偉大なブドウだ” です。
良いブドウがないと、いくら腕の良い醸造家でも良いワインはつくれません。
ブドウは畑で育ちますから、良いワインというのは畑から始まっているわけです。

そこで、当社では所有する畑の土壌を調査し、それぞれの土壌の性格を把握してマッピングを行っています。それによって、どの区画にどの品種のブドウを植えたらいいのかがわかります。土壌の質を知ることで、質の高いワインを生み出すことができます。

このようにして、我々は各ヴァレーの最高の区画の中からそれぞれのブドウに最適な畑を自分たちで選んでいます。

Q.各ヴァレーに合うブドウ品種を教えてください。
A.カサブランカ・ヴァレー:冷涼な気候ですので、白ワインに理想的な土地です。シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、赤のピノ・ノワールにも適しています。

マイポ・ヴァレー:地中海性気候で、赤品種、特にカベルネ・ソーヴィニヨンに適しています。

アパルタ・ヴィンヤード:コルチャグア・ヴァレーの中にあります。赤品種に適しています。小さい区画ですが、特にプレミアムワインをつくることのできる最高の品質の畑です。

ロロル・ヴィンヤード:ここもコルチャグア・ヴァレーの中にあり、当社の新しい区画です。現在は土壌の調査中ですが、白ワイン用のブドウを植えています。

Q.ベンティスケロは非常に高いテクノロジーを誇っているということですが?
A.はい、テクノロジーにおいては世界NO.1ともいえる設備が整い、最高の環境でワイン生産を行っています。
しかし、テクノロジーだけではありません。我々従業員全員が、品質についてきちんと理解しながら働いています。ブドウづくりから醸造、瓶詰め、出荷、営業を含め“優秀なチームの力”があるからこそ、クオリティの高いワインが生まれます。

Q.なるほど。高いテクノロジーと素晴らしいチーム力で、過去3年のチリ国内のコンクールでは最多受賞(メダル数180)だそうですね?
A.メダルは、ワイナリーにとってもワインメーカーにとっても大切なものです。我々が正しいワインづくりをしていることの証明になりますからね。

今後も、競争率の高い世界のワインの中で常に選んでもらえるようなワインづくりをしていきたいと思っています。
ですが、個人的には、ワインというのはやっぱり“楽しむもの”だと思っています(笑)

Q.ウルトラプレミアム級のワインの噂を聞きましたが?
A.現在のトップレンジはプレミアムワインの“グレイ”ですが、この秋に、
ウルトラプレミアムワイン“パンゲア”(PANGEA)2004年をリリースします。

パンゲアは“超大陸”という意味です。2億5千万年前、地球上の5大陸はすべてひとつの大陸にまとまっていたといわれ、“超大陸”と呼ばれていました。

このパンゲアには、オーストラリアのペンフォールドで28年間働いていたワインメーカーのジョン・デュバル氏を招聘しました。デュバル氏はオーストラリアの最高峰ともいえるシラーズの“グランジ”を生み出した人物です。
パンゲアはシラー種を使ったワインであること、また、デュバル氏はシラーの最高の造り手であり、私の父の友人でもあったことから、彼がこのプロジェクトに必要だと思ったのです。

パンゲアは、長い間かけて生み出した、良いブドウと良いワインメーカーの産物です。
それが分かれている大陸が融合した元の姿と重なり、“パンゲア”という名前が生まれました。

パンゲアはアパルタ・ヴィンヤードのシラーから生まれたウルトラプレミアムワインです。
チリでウルトラプレミアムと呼ばれるワインはいくつかありますが、シラーからつくられるウルトラプレミアムはパンゲアが初めてです




* 熟成期間18ヶ月。
* わずか800ケースのみの限定品で、2004年が初ヴィンテージ。

Q.あなたは、チリがのようだと言いますが?
A.首都サンチャゴは南米で最も近代的な都市ですが、その他の土地に目を向けると、チリは多くの自然に囲まれています。北の砂漠、南の南氷洋、東のアンデス山脈、西の太平洋と、四方を自然の壁で囲まれて孤立しています。まるで島のようじゃありませんか?(笑)そのおかげで病気も入ってきません。

また、四季がはっきりし、雹害もなく、昼夜の温度格差が大きい、といった好条件が整っています。そこにさらに磨き抜かれたテクノロジーも加わるのですから、チリにはプレミアムワインが生まれて然るべき充分な条件が揃っているのです。





<テイスティングしたワイン>

Vina Ventisquero Classico

“クラシコ”シリーズは、シャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーの4アイテム。

どれも素直な果実味が生きているワインで、ほどよい凝縮感とコクのある味わいが楽しめます。
中でも、スッキリとしたクリーンなシャルドネが好きな人は、このクラシコのシャルドネがオススメ。

この価格(標準小売価格1000円)で楽しめてしまうクラシコは、毎日飲みたい人には嬉しいシリーズでしょう。




Vina Ventisquero Reserva
ソーヴィニヨン・ブラン、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カルメネールの5アイテム。

レゼルヴァの中で私のイチオシが “ソーヴィニヨン・ブラン”
爽やかで心地良く、ソーヴィニヨンの個性をやさしく感じながら、1杯、また1杯・・・と、自然とグラスが進みます。
週末、ちょっとしっかりとしたワインを飲みたいなという時には、レゼルヴァが満足させてくれるはず。


Vina Ventisquero Gran Reserva
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カルメネールの6アイテム。

グラン・レゼルヴァ以上は手摘みで収穫します。
フレンチオーク(シラーはアメリカンオークも併用)で12ヶ月前後樽熟成させているので、重厚感があります。オークのニュアンスがまだちょっと勝ち気味なものもありますが、時が解決してくれることでしょう。

このグラン・レゼルヴァは、 次から“Vina Ventisquero Queulat”(ケウラ)という名前&新ラベルになります。




Vina Ventisquero Grey
メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カルメネールの4アイテム。

パンゲアがリリースされるまでは、このグレイがベンティスケロのトップワインでした。フレンチオークで15ヶ月熟成後、さらに12ヶ月瓶熟成させています。
その分、グラン・レゼルヴァよりも落ち着いたエレガントさが備わっていて、
手の込んだ料理と合わせて特別なときに飲みたくなるワインです。

“Grey”(グレイ)は パイネ国立公園にある氷河の名前から
“Queulat”(ケウラ)は ケウラ国立公園(やはり氷河が有名)から
名付けているそうです。



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インタビューを終えて

チリの名門ワイナリーのオーナーを父に持つアウレリオですから、お坊ちゃまかも?と思っていたのですが、会ってみると とてもエネルギッシュな好青年でした(外見はたしかに“王子系”ですが・・・)。

偉大な父の元を離れ、超巨大で超近代的なワイナリーのワインメーカーとして手腕を発揮しているアウレリオのバランス感覚は最高で、きちんとした理論に基づきながら、情熱的なワインメーキングをしていることがヒシヒシと伝わってきました。 
ベンティスケロには6人のワインメーカーがいます。彼らのチームワークが非常に良いのはもちろん、栽培や営業などの他のスタッフとの信頼関係もかなり厚く、アウレリオが何度も「チームの力」と繰り返し語っていたのが印象的でした。




チリへの回帰

一時のブームが去って以来、日本でのチリワインの人気はいまひとつという状況が続いていますが、この『キャッチ The 生産者』ではもう何度もチリワインが登場しています。そして、毎回「また素晴らしいチリワインに出会えた!」と、驚かされています。

それは、アウレリオのような若い世代のワインメーカーがチリワイン界の中心になってきたからでしょう。彼らは近代的な技術や理論をしっかりと学び、世界の銘醸地で修行を積み、世界の味や消費者の嗜好も知っています。

“チリワインといえば濃いチリカベ”という時代はもう終わりました。

チリの風土を見据え、そこに合ったブドウから土地の個性、ブドウの良さを最大限に引き出そうというワインづくりがされるようになってきました。
我々も、そうした新しいチリワインともう一度しっかりと向き合ってみようじゃありませんか。

取材協力:アンデス・アジア株式会社   

(ホームページ http://www.ventisquero.com/english/

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