ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

納得クオリティのフランスワイン

2010-12-02 20:58:17 | ワイン&酒
南西フランスの「OC'S & TERRA」は3つの協同組合と2つの独立生産者で構成されていることを紹介しました。

今日は後者、独立生産者のを取り上げたいと思います。

南西地方ガイヤックDomaine de Labarthe(ドメーヌ・ド・ラバルド)と
ランングドックはサン・シニアンDomaine la Croix Saint Eulalie(ドメーヌ・ラ・クロワ・サント・ユーラリー)です。



Domaine de Labarthe

Methode Ancestrale Gaillacoise 2010 Domaine de Labarthe

ドメーヌ・ド・ラバルドのスパークリングワイン「Gaillacoise」 (ガイヤコワーズ)が実に美味

ガイヤックには「AOC Gaillac Mousseux」というスパークリングワインがありますが、 「Methode Gaillacoise」と付記されたものは、単なるガイヤック・ムスーとは少々違ってきます。

メトッド・ガイヤコワーズの場合、「モーザック」と「モーザック・ロゼ」に限定されます。
また、ガイヤック・ムスーは通常の瓶内二次発酵ですが、
メトッド・ガイヤコワーズはリキュール・ド・ティラージュ(瓶内二次発酵の前に加える糖分)やリキュール・デクスペシオン(門出のリキュール)を行わず、発酵途中で瓶詰めし、残りの発酵を瓶の中で行なわせます。



ドメーヌ・ド・ラバルドのMethode Gaillacoiseはモーザック100%

ワインの色は白です。泡のキメが細かく、非常に繊細なタッチのエレガントな飲み口で、アルコールも11%とライト。果実味も爽やかで、こういう発泡ワインを飲むとほっとします。

「Methode Gaillacoise」のワイン自体、あまり日本市場では見ないような?
ドメー価格で8.1ユーロ。ガイヤックまで買いに行きたくなりそうです(笑)



Gaillac Primeur 2010 Domaine de Labarthe

今年の新酒「ガイヤック プリムール 2010」。
ボジョレーと同じガメイ種。ちょっと似た雰囲気があるでしょうか。
ガイヤックプリムールは95%前後が赤ワインです。



Domaine la Croix Saint Eulalie

Tradition Blanc 2009 Domaine la Croix Saint Eulalie

AOCサンシニアンの白は、AOCサン・シニアン全体のわずか1%。
2005年の政令で認可されたばかりで、グルナッシュ・ブラン(30%以上)、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノが主要品種です。ただし、各品種が70%を超えてはならず、2品種以上のブレンドにすることが必須です。

この白ワインは、グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノを1/3ずつブレンド。ラベルの印象通り、スッキリ爽やかで、魚介や甲殻類の料理に合いそうです。



左)Cuvee Baptiste 2007 Domaine la Croix Saint Eulalie
右)Esperanto 2008 Domaine la Croix Saint Eulalie

どちらもシラー種を主体にしたAOCサン・シニアンの赤ですが、右の「エスペラント」(シラー60%、グルナッシュとカリニャン各20%)の方がややライトで、左の「バティスト」(シラー50%、グルナッシュとメルロ各20%、カリニャン10%)の方がタンニンが濃密で力強い味わいでした。

この生産者はサン・シニアンに3タイプの土壌の畑を所有しているため、それぞれの土壌の個性を生かしたワインを生み出しています。上記の赤ワイン2つはシスト土壌からのもの。

上記ワインは日本未入荷ですが、他のアイテムはいくつか日本に入っているようです。



試飲会に出かけると、知らない生産者、知らないワインがまだまだ本当に多いなと感じます。
が、必ずなにかしら新たな発見、出会いがあるので、それらをできるだけ紹介していきたいと思っています。


コメント
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