1カ月ほど前になりますが、山梨県のワイン生産者の少し年数を経た赤ワインを飲む会 を都内で企画しました。
いずれの赤ワインも、10年以上前にワイナリーで入手したものです。
一番古いものは1997年なので、18年物になります。
近年の日本ワインブームで、新しいワインを飲むチャンスはたくさんあるでしょうけれど、15年以上過ぎた日本ワインを飲む機会はなかなかないかもしれません。
そのため、友人知人限定で案内を出したところ、あっという間に満席となりました!
今回は、8人で8本を用意しました。
スタートのスパークリングのみ白で、残り7本は赤ワイン、8本すべて山梨産です。
キザン スパークリング Traditional Brut 2012 機山洋酒工業(甲州市)
赤ワインだけではツライので、はじめにスパークリングで軽~く肩慣らし(笑)
昨日紹介した「キザン白」の機山洋酒工業がつくる、甲州100%のスパークリングです。
甲州種ならではの風味があり、泡のキメはやや粗めながら持続性があり、キリリとドライな辛口スパークリング。リンゴや白い果肉のフルーツニュアンスもあり、ほどよい厚みのボディで、バランスのいい飲みごたえがあります。
後に素晴らしいラインナップのワインが控えている前座にもってこいです。
今でこそ、スパークリングを生産するところが増えてきましたが、山梨のスパークリングの先駆者はキザンだと思います。20世紀の時代から存在していました。
泡で、ワイナリー直売価格2880円(税込)というのは活用しやすいですよね。
この会で使ったほか、持ち寄りワイン会にも持参しました。
買えなくなると困るので、これもあまり教えたくはないのですけれど(笑)
さて、いよいよ赤ワインへ。
右より)
キャネー メルロ 2001金井醸造場(山梨市)
Beau Paysage TUGANE メルロ 2000 (北杜市)
七俵地畑収穫カベルネ・ソーヴィニヨン2000 山梨ワイン醸造(甲州市)
ますは、ヴィンテージの若いもの、タイプのやさしいものから飲んでいきます。
3生産者はほぼ同世代で、当時は“若手”と言われ、家族経営で小規模の造り手。
キャネー はメルロにカベルネが少々ブレンドされています。
とても状態がよく、まだまだ若く、果実味がハツラツとしています。
しなやかでバランスがよく、おいしい。もう少し先でもいいですね。
ボー・ペイサージュのツガネ・メルロは2年目の2000年。
ちょうど私が最初に畑を訪問したのが2000年の秋でした。
このワインは、別の年に改めての取材訪問の時に購入したものです。
残念ながら、状態が今ひとつで、何かの匂いが感じられました。
まだ若さがあり、これからも期待できるのに、残念。こういうこともありますね。
ボー・ペイサージュは今や入手困難な造り手となっており、また、さまざまなキュヴェがリリースされていますが、昔はこのメルロひとつから始まりました。
以前に詳しく紹介した記事がありますので、ぜひご覧ください → コチラ
山梨ワイン醸造の「七俵地畑」は“しちようじ”と読み、自社畑で栽培したカベルネ・ソーヴィニヨンからつくられています。
以前ワイナリーで飲んだ時は、まだまだ硬く、閉じているなぁ、と思いました。
これの飲み頃はいつになるのだろう?と、ちょうど昨年、ワイナリー現当主の野沢さんに会った際に尋ねてみたところ、そろそろ…と言われたのが、この会を開催するきっかけです。
酸と果実味がキレイで、スーッと入ってきます。甘みも少々あり、ジューシーです。
カベルネらしい背筋の伸びた品の良さがあり、繊細さもありました。
2013年に創業100周年を迎えた「山梨ワイン醸造」は、100年を機に「くらむぼんワイン」と名前を変更しています(2014年1月)。
後半は、丸藤葡萄酒工業のカベルネとプティ・ヴェルド、合計4アイテム。
私の自宅セラーの奥底にずーっと放置しておいたため、ラベルが酷い状態に…
まずはプティ・ヴェルドの1998年と1999年のミニ垂直。
ルバイヤート 北畑 プティ・ヴェルド 1998 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
ルバイヤート 北畑 プティ・ヴェルド 1999 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
プティ・ヴェルド は1996年が最初のヴィンテージだったと記憶しています。
現社長である大村春夫さんがプティ・ヴェルドに着手したと知り、ワイナリーで試飲した後、数年たったものをぜひ飲んでみたいと思って購入しました。
1996年、1997年も持っているかと思っていましたが、手元にあったのはこの2本のみでした。
1998年は色が濃く、まだパープルが残っています。
タンニンがギシギシせず、ふっくらジューシーで、じゅわーんと沁みて、うまい!
1999年はエッジが臙脂色になってきていました。外見は1998年の方が若いですね。
やさしく軽やかで、やや落ちてきているけれど、充分おいしい。生産本数は617本。
酒質としては、1998年の方がしっかり強く、長熟タイプ。
ルバイヤート 北畑 カベルネ・ソーヴィニヨン 1997 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
ルバイヤート 北畑 カベルネ・ソーヴィニヨン 1999 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
1997年はしなやかで、まだ若さがあり、おとなしめで、上品。
状態はパーフェクトではないかもしれません。
1999年はバランスがよく、ジューシーな果実味のニュアンスがあり、キレイにまとまり、今がちょうどひとつの飲み頃だと思いました。
なお、参加者の皆さんの人気は、プティ・ヴェルドに多く集まっていました。
特に1998年。私もこれは大変気に入りました。
プティ・ヴェルドはカベルネ・ソーヴィニヨンよりも晩熟で、果皮が厚く、色の濃い、スパイシーなワインになりうる品種ですが、ただし、ブドウがよく熟すことが必要です。日本でもポチポチ見られるようになってきていますね。
今回、14~18年経過した山梨の赤ワインを飲んでみてわかったのは、状態によりますが、
山梨県の上質な赤ワインは15年以上熟成する可能性が充分あるということ。
例えば、現在、「ルバイヤート プティヴェルド 北畑・試験園収穫 2012」(生産量1176本)が発売中(6048円、税込)ですが、これを15年後に飲もうと考えたら、楽しみではあるけれど、ちょっと気が遠くなってきそうな…(笑)
そうそう、エチケットが人気がダントツだったのが、キャネーでした。
手作り感のあるクラシカルなデザインが、今となってはノスタルジーを感じさせます。
味わいも良かったので、これは欲しい!という人が多かったです。
昔なので、容量は720ml。生産本数はわずか594本!
今回のほかのワインも、生産量は非常に少ないものばかりです。
ワインと一緒にいただいた料理はこちら。
神田のフレンチ「ラ・リヴィエール」さんにお世話になりました。
穴子のフリットとラタトゥイユ チキンサラダ
平目とホワイトアスパラのポッシェ ヴァンブランソース / 牛ヒレソテー マッシュルームソース
デザート
セラーの奥で眠っていた、平均年齢 約16歳のワインたちを一度にまとめて開けることができたのも、集まってくれたメンバーのおかげでした。
皆さん、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
ラ・リヴィエール
東京都千代田区神田多町2-2
TEL. 03-3258-1800
https://www.facebook.com/riviere.hayakawa
いずれの赤ワインも、10年以上前にワイナリーで入手したものです。
一番古いものは1997年なので、18年物になります。
近年の日本ワインブームで、新しいワインを飲むチャンスはたくさんあるでしょうけれど、15年以上過ぎた日本ワインを飲む機会はなかなかないかもしれません。
そのため、友人知人限定で案内を出したところ、あっという間に満席となりました!
今回は、8人で8本を用意しました。
スタートのスパークリングのみ白で、残り7本は赤ワイン、8本すべて山梨産です。
キザン スパークリング Traditional Brut 2012 機山洋酒工業(甲州市)
赤ワインだけではツライので、はじめにスパークリングで軽~く肩慣らし(笑)
昨日紹介した「キザン白」の機山洋酒工業がつくる、甲州100%のスパークリングです。
甲州種ならではの風味があり、泡のキメはやや粗めながら持続性があり、キリリとドライな辛口スパークリング。リンゴや白い果肉のフルーツニュアンスもあり、ほどよい厚みのボディで、バランスのいい飲みごたえがあります。
後に素晴らしいラインナップのワインが控えている前座にもってこいです。
今でこそ、スパークリングを生産するところが増えてきましたが、山梨のスパークリングの先駆者はキザンだと思います。20世紀の時代から存在していました。
泡で、ワイナリー直売価格2880円(税込)というのは活用しやすいですよね。
この会で使ったほか、持ち寄りワイン会にも持参しました。
買えなくなると困るので、これもあまり教えたくはないのですけれど(笑)
さて、いよいよ赤ワインへ。
右より)
キャネー メルロ 2001金井醸造場(山梨市)
Beau Paysage TUGANE メルロ 2000 (北杜市)
七俵地畑収穫カベルネ・ソーヴィニヨン2000 山梨ワイン醸造(甲州市)
ますは、ヴィンテージの若いもの、タイプのやさしいものから飲んでいきます。
3生産者はほぼ同世代で、当時は“若手”と言われ、家族経営で小規模の造り手。
キャネー はメルロにカベルネが少々ブレンドされています。
とても状態がよく、まだまだ若く、果実味がハツラツとしています。
しなやかでバランスがよく、おいしい。もう少し先でもいいですね。
ボー・ペイサージュのツガネ・メルロは2年目の2000年。
ちょうど私が最初に畑を訪問したのが2000年の秋でした。
このワインは、別の年に改めての取材訪問の時に購入したものです。
残念ながら、状態が今ひとつで、何かの匂いが感じられました。
まだ若さがあり、これからも期待できるのに、残念。こういうこともありますね。
ボー・ペイサージュは今や入手困難な造り手となっており、また、さまざまなキュヴェがリリースされていますが、昔はこのメルロひとつから始まりました。
以前に詳しく紹介した記事がありますので、ぜひご覧ください → コチラ
山梨ワイン醸造の「七俵地畑」は“しちようじ”と読み、自社畑で栽培したカベルネ・ソーヴィニヨンからつくられています。
以前ワイナリーで飲んだ時は、まだまだ硬く、閉じているなぁ、と思いました。
これの飲み頃はいつになるのだろう?と、ちょうど昨年、ワイナリー現当主の野沢さんに会った際に尋ねてみたところ、そろそろ…と言われたのが、この会を開催するきっかけです。
酸と果実味がキレイで、スーッと入ってきます。甘みも少々あり、ジューシーです。
カベルネらしい背筋の伸びた品の良さがあり、繊細さもありました。
2013年に創業100周年を迎えた「山梨ワイン醸造」は、100年を機に「くらむぼんワイン」と名前を変更しています(2014年1月)。
後半は、丸藤葡萄酒工業のカベルネとプティ・ヴェルド、合計4アイテム。
私の自宅セラーの奥底にずーっと放置しておいたため、ラベルが酷い状態に…
まずはプティ・ヴェルドの1998年と1999年のミニ垂直。
ルバイヤート 北畑 プティ・ヴェルド 1998 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
ルバイヤート 北畑 プティ・ヴェルド 1999 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
プティ・ヴェルド は1996年が最初のヴィンテージだったと記憶しています。
現社長である大村春夫さんがプティ・ヴェルドに着手したと知り、ワイナリーで試飲した後、数年たったものをぜひ飲んでみたいと思って購入しました。
1996年、1997年も持っているかと思っていましたが、手元にあったのはこの2本のみでした。
1998年は色が濃く、まだパープルが残っています。
タンニンがギシギシせず、ふっくらジューシーで、じゅわーんと沁みて、うまい!
1999年はエッジが臙脂色になってきていました。外見は1998年の方が若いですね。
やさしく軽やかで、やや落ちてきているけれど、充分おいしい。生産本数は617本。
酒質としては、1998年の方がしっかり強く、長熟タイプ。
ルバイヤート 北畑 カベルネ・ソーヴィニヨン 1997 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
ルバイヤート 北畑 カベルネ・ソーヴィニヨン 1999 丸藤葡萄酒工業(甲州市)
1997年はしなやかで、まだ若さがあり、おとなしめで、上品。
状態はパーフェクトではないかもしれません。
1999年はバランスがよく、ジューシーな果実味のニュアンスがあり、キレイにまとまり、今がちょうどひとつの飲み頃だと思いました。
なお、参加者の皆さんの人気は、プティ・ヴェルドに多く集まっていました。
特に1998年。私もこれは大変気に入りました。
プティ・ヴェルドはカベルネ・ソーヴィニヨンよりも晩熟で、果皮が厚く、色の濃い、スパイシーなワインになりうる品種ですが、ただし、ブドウがよく熟すことが必要です。日本でもポチポチ見られるようになってきていますね。
今回、14~18年経過した山梨の赤ワインを飲んでみてわかったのは、状態によりますが、
山梨県の上質な赤ワインは15年以上熟成する可能性が充分あるということ。
例えば、現在、「ルバイヤート プティヴェルド 北畑・試験園収穫 2012」(生産量1176本)が発売中(6048円、税込)ですが、これを15年後に飲もうと考えたら、楽しみではあるけれど、ちょっと気が遠くなってきそうな…(笑)
そうそう、エチケットが人気がダントツだったのが、キャネーでした。
手作り感のあるクラシカルなデザインが、今となってはノスタルジーを感じさせます。
味わいも良かったので、これは欲しい!という人が多かったです。
昔なので、容量は720ml。生産本数はわずか594本!
今回のほかのワインも、生産量は非常に少ないものばかりです。
ワインと一緒にいただいた料理はこちら。
神田のフレンチ「ラ・リヴィエール」さんにお世話になりました。
穴子のフリットとラタトゥイユ チキンサラダ
平目とホワイトアスパラのポッシェ ヴァンブランソース / 牛ヒレソテー マッシュルームソース
デザート
セラーの奥で眠っていた、平均年齢 約16歳のワインたちを一度にまとめて開けることができたのも、集まってくれたメンバーのおかげでした。
皆さん、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
ラ・リヴィエール
東京都千代田区神田多町2-2
TEL. 03-3258-1800
https://www.facebook.com/riviere.hayakawa