7月9日に開催された、Wines of Portugal主催によるソムリエコンクール
「Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year 2018」の公開決勝の[課題]を紹介します。
※結果速報は コチラ
公開決勝では、佐々木健太さん(L'AS)、野坂明彦さん(マンダリンオリエンタルホテル東京)、谷川雄作さん(ティエリー・マルクス・ジャパン)の順番で、ひとりずつ審査されました。
日本ソムリエ協会の技術部の方々や、過去3回の同コンクール優勝者らが審査員を務め、司会進行役は、同協会 副会長の石田博さん。
審査開始に先立ち、駐日ポルトガル大使 フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス閣下からごあいさつがありました。
惜しくも、決勝に進めなかった11名の準決勝進出選手も決勝を見守ります。
課題1
女性4名のテーブルにアペリティフのサービス(英語、6分)
4人は同僚同士で、2人はカクテルをお任せで、2人はグラスワインでスパークリングワインリクエスト。
佐々木選手は、チェリーリキュール、オレンジジュース、トニックウォーターなどを使ったロングカクテルを作りました。
野坂選手は、華麗なシェーカーさばきを披露。
カットオレンジを添えたローアルコールのショートカクテルをサービスする野坂選手。
谷川選手は、カクテルの好みを何度もお客さまに確認していました。
出来上がったのは、ポルトガルでよく飲まれている?カクテルだとか?
3選手ともに、時間以内ですべてのサービスを終えていました。
おまかせのカクテル作成は難しかったと思うのですが、全員が手際よく作っていたのは、さすがです。
課題2
手渡されたコースメニューに合わせて、各皿ごとにポルトガルワインを提案(英語、5分)
懐石のメニューなので、まずはどのような料理なのかを理解することがポイント。
課題3
8人テーブルにワインサービス。ホストはポルトガル人の女性(英語、7分)
ホストのリクエストは、「ティントのマグナム。デカンタしてください」
ティントはポルトガル語で赤ワインのことなので、ポルトガルの赤ワインのマグナムサイズボトルをピックアップして、ホストに確認を取ります。
マグナムサイズなので、デカンタのフラスコは2個を用意。
「試飲していいか?」とホストに確認後、テイスティンググラスに少量注いだワインを、デカンタに移してリンスする作業を、全員がやっていました。コンクールに慣れているソムリエは、この作業は外しませんが、デカンタリンスを飛ばしてしまう人も、よくいます。
しっかりリンスする谷川選手。
決勝に進んだ3選手は、全員がしっかりとデカンタのリンスをしていました。
若いヴィンテージ(2015年)でオリがないため、全選手がボトルすべてを注ぎ切りました。
サービスの途中で、ホストから
「隣のテーブルは友人なので、彼女たちにもこのワインを出してあげて」とリクエスト。
まずは8人テーブルのサービスを終えてから、4人テーブルにグラスを用意し、隣からのサービスであることを説明してサーブする選手と、8人テーブルのサービスの途中で隣の女性テーブルに移ってしまう選手もいました。
こういう場合、ベストなサービスはどちらでしょうか?
課題4
ブラインドテイスティング 5種(日本語、5分)
白2種、赤3種、それぞれのDO名、ブドウ品種、ヴィンテージを答える。
ポルトガルワインに限定されていますが、ポルトガル固有のブドウ品種は非常に多く、また、ワイン産地もさまざまなので、皆さん、苦労していました。
人によって、テイスティングのやり方が違うのが面白いところ。
課題5
ブラインドテイスティングした5種のワインの中から、ブルゴーニュワインしか飲まないお客さまに勧めてください。(日本語、3分)
3選手とも一致していて、2と4のワインを勧めていました。
ブラインドワインの種明かしはこちら。
左から、1~5の順番です。
課題6
新規ワインを導入することに非常にネガティブなマネージャーに、次のポルトガル産の赤ワインを提案してください。(日本語、2分)
ワインはオープンされていて、テイスティング用のグラスも用意されています。
単にテイスティングしてコメントを述べるだけでなく、このワインを導入するメリットなどを伝え、納得させられるかがポイント。
以上
審査の半分は英語でした。英語での審査は今やマスト。コンクールでは語学力は必須です。
普段から外国人客に接しているホテルのレストラン勤務のソムリエは有利かと。
ワインサービスについては、日頃からやり慣れている人は、難なくこなせるでしょう。
3選手とも、サービスはとてもスムーズでした。
優勝 野坂 明彦さん (マンダリンオリエンタルホテル東京)
準優勝 谷川 雄作さん (ティエリー・マルクス・ジャパン)
3位 佐々木 健太さん (L'AS)
順位に差がついたのは、ブラインドテイスティングでしょうか。
メニューに合わせたワイン提案でも、野坂さんは一歩抜きんでいて、例えば、「丹鱧 茄子 みょうが」を椀物、スープであるとちゃんと説明していました。
マネージャーへのワイン購入の提案でも、導入した場合の有用性をしっかりアピールしていました。
野坂さんのこれまで積み重ねてきた経験の賜物でしょう。
おめでとうございます
野坂さんは、来年1年間、ポルトガルワインセミナーの講師などを務めることになります。
「Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year 2018」の公開決勝の[課題]を紹介します。
※結果速報は コチラ
公開決勝では、佐々木健太さん(L'AS)、野坂明彦さん(マンダリンオリエンタルホテル東京)、谷川雄作さん(ティエリー・マルクス・ジャパン)の順番で、ひとりずつ審査されました。
日本ソムリエ協会の技術部の方々や、過去3回の同コンクール優勝者らが審査員を務め、司会進行役は、同協会 副会長の石田博さん。
審査開始に先立ち、駐日ポルトガル大使 フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス閣下からごあいさつがありました。
惜しくも、決勝に進めなかった11名の準決勝進出選手も決勝を見守ります。
課題1
女性4名のテーブルにアペリティフのサービス(英語、6分)
4人は同僚同士で、2人はカクテルをお任せで、2人はグラスワインでスパークリングワインリクエスト。
佐々木選手は、チェリーリキュール、オレンジジュース、トニックウォーターなどを使ったロングカクテルを作りました。
野坂選手は、華麗なシェーカーさばきを披露。
カットオレンジを添えたローアルコールのショートカクテルをサービスする野坂選手。
谷川選手は、カクテルの好みを何度もお客さまに確認していました。
出来上がったのは、ポルトガルでよく飲まれている?カクテルだとか?
3選手ともに、時間以内ですべてのサービスを終えていました。
おまかせのカクテル作成は難しかったと思うのですが、全員が手際よく作っていたのは、さすがです。
課題2
手渡されたコースメニューに合わせて、各皿ごとにポルトガルワインを提案(英語、5分)
懐石のメニューなので、まずはどのような料理なのかを理解することがポイント。
課題3
8人テーブルにワインサービス。ホストはポルトガル人の女性(英語、7分)
ホストのリクエストは、「ティントのマグナム。デカンタしてください」
ティントはポルトガル語で赤ワインのことなので、ポルトガルの赤ワインのマグナムサイズボトルをピックアップして、ホストに確認を取ります。
マグナムサイズなので、デカンタのフラスコは2個を用意。
「試飲していいか?」とホストに確認後、テイスティンググラスに少量注いだワインを、デカンタに移してリンスする作業を、全員がやっていました。コンクールに慣れているソムリエは、この作業は外しませんが、デカンタリンスを飛ばしてしまう人も、よくいます。
しっかりリンスする谷川選手。
決勝に進んだ3選手は、全員がしっかりとデカンタのリンスをしていました。
若いヴィンテージ(2015年)でオリがないため、全選手がボトルすべてを注ぎ切りました。
サービスの途中で、ホストから
「隣のテーブルは友人なので、彼女たちにもこのワインを出してあげて」とリクエスト。
まずは8人テーブルのサービスを終えてから、4人テーブルにグラスを用意し、隣からのサービスであることを説明してサーブする選手と、8人テーブルのサービスの途中で隣の女性テーブルに移ってしまう選手もいました。
こういう場合、ベストなサービスはどちらでしょうか?
課題4
ブラインドテイスティング 5種(日本語、5分)
白2種、赤3種、それぞれのDO名、ブドウ品種、ヴィンテージを答える。
ポルトガルワインに限定されていますが、ポルトガル固有のブドウ品種は非常に多く、また、ワイン産地もさまざまなので、皆さん、苦労していました。
人によって、テイスティングのやり方が違うのが面白いところ。
課題5
ブラインドテイスティングした5種のワインの中から、ブルゴーニュワインしか飲まないお客さまに勧めてください。(日本語、3分)
3選手とも一致していて、2と4のワインを勧めていました。
ブラインドワインの種明かしはこちら。
左から、1~5の順番です。
課題6
新規ワインを導入することに非常にネガティブなマネージャーに、次のポルトガル産の赤ワインを提案してください。(日本語、2分)
ワインはオープンされていて、テイスティング用のグラスも用意されています。
単にテイスティングしてコメントを述べるだけでなく、このワインを導入するメリットなどを伝え、納得させられるかがポイント。
以上
審査の半分は英語でした。英語での審査は今やマスト。コンクールでは語学力は必須です。
普段から外国人客に接しているホテルのレストラン勤務のソムリエは有利かと。
ワインサービスについては、日頃からやり慣れている人は、難なくこなせるでしょう。
3選手とも、サービスはとてもスムーズでした。
優勝 野坂 明彦さん (マンダリンオリエンタルホテル東京)
準優勝 谷川 雄作さん (ティエリー・マルクス・ジャパン)
3位 佐々木 健太さん (L'AS)
順位に差がついたのは、ブラインドテイスティングでしょうか。
メニューに合わせたワイン提案でも、野坂さんは一歩抜きんでいて、例えば、「丹鱧 茄子 みょうが」を椀物、スープであるとちゃんと説明していました。
マネージャーへのワイン購入の提案でも、導入した場合の有用性をしっかりアピールしていました。
野坂さんのこれまで積み重ねてきた経験の賜物でしょう。
おめでとうございます
野坂さんは、来年1年間、ポルトガルワインセミナーの講師などを務めることになります。