すでに100万部以上売れているという又吉直樹作「火花」を読んでみました。
芥川賞・純文学などというキーワードがつくとこういう内容になるのかなと思います。
とにかく通勤の途中にペラペラと気楽に読む内容ではありませんね。
もっとも本屋大賞をとった作品はやたら分厚かったり、うかうかすると上・下2冊あったり(売り上げを意識してか)値段の張るものが多い感じです。
主人公徳永というお笑い芸人と先輩の神谷という青年の笑いの真髄を追及する物語になっています。
一発当たれば何億もの収入のある世界ですから貧乏や破天荒の生活は当たり前だと思いますが如何でしょうか。
でも見慣れた風景描写でも彼にかかるとうまく書けています。
花火
沿道から夜空を見上げる人たちの顔は、赤や青や緑など様々な色に光ったので、彼らを照らす本体が気になり、二度目の爆音が鳴った時、幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓(ざんし)を煌めかせながら時間をかけて消えた。自然に沸き起こった歓声が終わるのを待たず、今度は巨大な柳のような花火が暗闇にたれ、細かい無数の火花が捻じれながら夜を灯し海に落ちていく一際大きな歓声が上がった。
渋谷
渋谷駅前は幾つかの巨大スクリーンから流れる音が激突しては混合し、それに押し潰されないよう道行く一人一人が引き連れている音もまた巨大なため、街全体が大声で叫んでいるように感じられた。
池井戸潤や浅田次郎の小説のようにワクワクしたりしんみりそうだよなぁと相槌をうてるような内容ではありませんが自分で読んで何かを感じてください。
小説は賞を取ったとか新聞の評論などに左右されずにじみちに自分に合ったものを探したいものですね。
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