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最後の将軍-司馬遼太郎

2022年01月16日 | 読書

評価4

再読(前回2019年12月18日)。
気力、体力に優れ、明晰な頭脳を持ったがゆえに敵味方から過度の期待と恐れを抱かれた徳川慶喜は、幕府の命運が尽きることを肌で感じ徳川宗家を継ぐことは承諾しつつも将軍職ににつくことは拒否し続けていたのだが・・・第15代将軍の数奇な生涯を綴った物語。

安政の大獄、桜田門外の変、蛤御門の変、長州征伐、大政奉還、王政復古などなど、幕末の激動期の事々を慶喜側からとらえた視点が勉強になる。突然、長州征伐を中止するとか、藩兵を置き去りにして大坂城から抜け出すとか、あまりにも先を読み過ぎる、と言うか、胆力に欠けるところがありますが、かなり時代を先取りした人物で、生まれた時と場所が違ったらなぁ~と思わざるを得ない。何の冠位も持つこともなく後世を過ごしていたが、明治35年に公爵となり大正2年77歳で没。