評価
再読(前回2019年1月7日)。
竜馬は勝海舟の肝いりの神戸軍艦操練所設立へ心血を注ぎ、ついに軍艦観光丸の幕府からの貸与が決定して勝と長崎へ向かうなど順風満帆な時を過ごす。一方、長州の外国艦船砲撃や土佐藩の勤王党弾圧、禁門の政変が相次ぎ先の読めない状況が続いていた。
いい歳をした竜馬が、自分が塾頭もしていた桶町千葉道場で昼寝をしていて寝小便をしていたくだりには大笑い。これでは、竜馬に恋焦がれていた道場の娘・さな子も興ざめだろうと思ったらさにあらず、う~む・・・しかし、この場面必要だったのでしょうか、しばりょうさん(笑)!?
さて、現代のニッポンにも通ずるような記述があるので記しておく(238頁)、ある箇所を某政党に置き換えてみると暗澹たる気持ちになります。
「徳川幕府は徳川家の繁栄のみを考えて、三千万の人間をおさえつけてきた。幕府、幕下の諸大名しかり。藩の都合だけで政治をする。いったい、日本人はどこにいるか。もっと栄光をになうべき日本人はどこにいるか。日本人は三百年、低い身分にしばられ、なんの政治の恩恵も受けていない。この一事だけでも、徳川幕府は倒さねばなりませんよ」