まがりかどの先に

まがりかどの先にはきっと良いことがあると信じ、目の前の人生の小路をてくてく歩き続ける日々の雑記です。

歴史小説

2017年07月24日 | 日記
何年かぶりに、池波正太郎さんの鬼平犯科帳を手に取った。
 
このシリーズはもうなんども読み返していてストーリーは覚えてしまっているが、読むたびに新しい発見、思いがある。
 
落語をきくような作品だ。
 
二話の本所・桜屋敷の話は、若かりし頃の平蔵と岸井左馬之助が高杉銀平道場で剣術を学んでいた頃の回想から始まるが、道場周辺の描写はみごとで、物語にどんどん引き込まれていく。
 
道場隣の桜屋敷のお嬢さん、ふささんを、五十を過ぎた高杉先生が、「まるで、むきたての茹玉子のような・・・」と評しているが、この辺りも自分が同じ年代になってみると、その感覚がよくわかる。
 
電車にのって時々ウォーキングに出かけるが、その中で見かける女子高生などを、女性というより、「まるで、むきたての茹玉子のような・・・」と同じ感覚で見ている自分がある。
若くて、エネルギーが満ち溢れ、ぴちぴちつるつる。
本当に、絶妙は表現だと思う。
 
寝っ転がっても時間ぶしの場でも気軽に読めるので、この夏は紙の色もだいぶ茶色くなり、手垢の付いた古い本だけれど、また新しい鬼平と人生の機微を見付けてみたい。
 
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<今日は何の日>
1927(昭和2)年の今日、芥川龍之介が睡眠薬自殺しました。36歳だったとか。
 
 
コメント
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