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アメリカ LGBT事情のいま

2015-08-05 19:00:00 | 報道/ニュース

7月29日 キャッチ!


LGBTとは
同性愛者や両性愛者、
心と体が一致しない性同一性障害の人など性的マイノリティーの総称である。

6月26日アメリカの連邦最高裁が同性婚を合憲とする判断を示した。
事実上すべての州で同性婚の合法化が決まり
同性愛者の間では歓喜の輪が広がった。
人口の約3%がLGBTと言われるアメリカ。
近年 著名人の間で同性愛者の告白が続き
一般の人の間でも公言することが特別ではなくなってきている。
そんな中いま注目されているのは市場としての潜在力である。
調査会社の試算によると
LGBTの人たちの購買力は日本円で約100兆円にのぼるとされている。
2011年に同性婚が認められたニューヨーク州。
以後3年間で婚姻届けは約3万7,000件にのぼった。
ニューヨークでウェディングプランナーをしているエミリー・レスターさん。
いまでは顧客の約3割は同性愛者である。
同性愛者向けの結婚式を企画するときに大切なのは伝統や常識に縛られないことだと言う。
この日レスターさんが打ち合わせをしたのは同性愛者の2人。
特にこだわったのが入場の仕方だった。
一般に結婚式では花婿が祭壇の前に立ち
花嫁が後ろの入り口から入場する。
しかし式を挙げるのは男性2人で
花婿と花嫁の区別はない。
(ウェディングプランナー レスターさん)
「結婚式に正しいとか間違いとかはないのです。
 彼らの望むようにして2人を幸せにしたいのです。」
LGBTの人たちの埋もれた需要を上手く掘り起し
売り上げを伸ばしている店も出てきている。
ニューヨーク ブルックリンにあるテーラー。
紳士向けのスーツを着たいと言うLGBTの女性向けのスーツをオーダーメイドで作っている。
(テーラー オーナー ダニエル・フリードマンさん)
「女性の体に合うスーツは紳士服店にはありません。
 サイズが全く違うのです。」
男性とは胸回りや肩幅、胴回りのバランスが違うので
女性に合う紳士用のスーツを探すのが難しいのである。
オーナーのフリードマンさんがデザインするスーツは紳士服の特徴を生かしつつ
女性の体にフィットするように考えられている。
いまでは世界中からオーダーが届くようになり
LGBT向けのスーツが売り上げの8割を占めるまでになった。
(テーラー オーナー ダニエル・フリードマンさん)
「当店のスーツの存在を知り試着したいという人が多くいます。
 こんなに大きな市場だとは予想もしませんでした。」
LGBTの人たちをターゲットにしたビジネスが拡大する一方で
根深く残る課題を解消しようという取り組みも行われている。
ブルックリンに住むシルビア・オースティンさん。
10代のころに同性愛者であることを自覚したが
長い間気持ちを押し殺して過ごしてきた。
20年ほど前 家族には告白して理解を得たが
周囲の人には今でも自ら打ち明けられないと言う。
(オースティンさん)
「いまは自由な気風がありますが私はまだ疑い深いのです。
 相手の反応が怖くて自分のことを打ち明けられません。」
打ち解ける同世代の友人もなく孤立化に悩まされてきたオースティンさん。
知人を通して知ったLGBTの高齢者を支援するNPOに今年2月から通い始めた。
約20年前に設立されたこのNPO
習い事の教室などを通して孤立しがちなLGBTの高齢者に交流の場を提供している。
(NPO担当者 オンダレイ・ゲスさん)
「ここには差別の心配もなく安心できる場所があります。
 LGBTについては多くの課題が残されていますが
 高齢者にも目を向けてほしい。」
オースティンさんはいまでは空いている時間があれば顔を出し
同じ境遇の人たちとの交流を楽しんでいる。
(オースティンさん)
「ここに来ると
 『やあ!シルビア』と家族のように受け入れてくれます。
 自分でいられる場所は本当にありがたいです。」
ビジネスの活性化や
問題を抱える人を支援する動き。
アメリカにおけるLGBTをめぐる事情は確実に変化を続けているようである。

 

 

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