8月1日 経済フロントライン
東南アジアの中でも今後高い成長が見込まれるとして注目されているのがCLMV。
C カンボジア
L ラオス
M ミャンマー
V ベトナム
この中で最も経済成長が目覚ましいのがベトナムである。
経済成長に伴って中間層が増えるベトナム。
生活が豊かになる中で人気となっているのが和食である。
ホーチミンの和食レストランの数はこの10年で10倍に増えた。
そのため今 和食に合う日本のコメジャポニカ米の需要が急増している。
しかし日本から輸入すると割高になってしまうため
和食レストランはどこもジャポニカ米をどう安く確保するか頭を悩ませている。
(和食レストラン スシキング 店主 坂巻進さん)
「日本食はお米が中心。
お米がなくては成り立たない。
お米がなかったらレストランが海外に出て商売をするにしても
現地の人にいくらで提供できるか分からない。」
このニーズが高まるジャポニカ米をビジネスにつなげようと進出した日本企業がある。
日本の大手米卸 木徳神糧である。
会社ではいま地元の500余の農家と契約。
ジャポニカ米の現地生産を始めている。
(木徳神糧の現地法人 大森明社長)
「輸入した日本のお米が一番いいのは確か。
中には“手ごろな価格で”というお客さんもいる。
そういったところにはベトナム産を供給して対応したい。」
熱帯のベトナムでは年に3回米が収穫できるので
生産コストを安く抑えながら大量生産が可能である。
しかし現地生産には課題もある。
ジャポニカ米はベトナムで従来から栽培されているインディカ米と比べて水や肥料の管理が難しいのである。
このため 会社ではジャポニカ米の栽培方法を熟知したスタッフを契約農家に派遣。
きめ細かく栽培方法を指導するようになった。
(契約農家)
「必要な技術的なサポートを会社がしてくれるだけでなく
お米を高く買ってくれるのでこの会社と契約しているんです。」
収穫した後の米の乾燥作業でも徹底した品質管理を行う。
今年に入って日本製の最新の乾燥機を導入。
均一に乾燥することで品質の高い米が年間1万トン出荷できるようになったと言う。
この米の販売価格はベトナムのスーパーで日本円で1キロ200円。
日本から輸入した場合の4分の1である。
この安さを武器に和食が広がる東南アジアの国々での販売を拡大していきたいと言う。
(木徳神糧の現地法人 大森明社長)
「世界中の日本食愛好家の皆様に
お手軽でいい品質のお米を届けていく。
これからも品質改善と増産に取り組んでいきたい。」