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“ファインバブル”が1次産業を変える?

2015-08-25 07:15:00 | 報道/ニュース

8月18日 おはよう日本

高知県が全国一の生産量を誇るショウガ。
高知市のこのハウスで栽培にある特別な水を使ったところ・・・
「根の大きさと張りは抜群。」
普通の水を与えたものと比べて太く丈夫なショウガができた。
その秘密はファインバブルである。
金魚の飼育などで見られる一般的な泡に比べ
ファインバブルは泡が極めて小さいため長い時間水中にとどまる。
そのため酸素などの気体を多く水に溶かすことができる。
このハウスでこれまで与えていた水の中の酸素濃度は20%ほど。
一方 ファインバブルが入った水では濃度が90%にまで上昇した。
酸素をたくさん含む水を与えたことでショウガの成長が促されたと考えられる。
長雨や日照りの後もしおれにくくなったという。
(農家 柳村節男さん)
「始めて良かったと思います。
 効果的には高いと思います。」
ファインバブルの研究を長年続けている高知工業高等専門学校の秦隆志准教授。
従来 工業分野での研究が盛んだったファインバブルを農業などの分野にも応用しようと考えた。
秦准教授が開発したのは
小型で持ち運びが自由
ホースなどに取り付ければどこでもファインバブルが発生できる装置。
泥水などを通しても詰まることはないと言う。
(高知工業高等専門学校 秦隆志准教授)
「1次産業に入っていくためには
 泥汚れ・石が入ってくる。
 藻が入ってくる
 海藻が入ってくる
 というような問題がある。
 対応する装置作りが必要になってくる。」
このファインバブルは漁業の現場も変えようとしている。
高知県で魚の養殖を営む弘瀬裕一さんはある問題に長年頭を悩ませてきた。
養殖では魚に寄生虫が付くのを防ぐために
定期的に生簀に薬をまく作業が必要である。
作業を効率的に行うために狭い生簀に数万匹の魚を集めるが
水中の酸素が足りなくなり大量の魚が酸欠に陥って死んた。
「多いときで2,000匹とか死んでしまった例がある。
 もう泣きたいですよね。」
生簀の中でファインバブルを発生させれば
水中の酸素濃度が上がり
魚が死ぬのを防げるのではないか
秦准教授が開発した発生機を養殖の現場で実際に使ってみた。
すると大量のファインバブルにより水中の酸素量はこれまでの2倍以上に増加。
酸欠で魚が死ぬことはほとんどなくなった。
(高知工業高等専門学校 秦隆志准教授)
「ファインバブルは水と空気でできるので
 身近なものを使うだけで効果が生まれる。」
このファインバブルの活用に高知県も動き出した。
専門家や機械メーカー、金融機関などとプロジェクトチームを設立。
ファインバブルを将来の基幹産業にしようと言うのである。
チームのメンバーらがつくった試作機。
ファインバブル発生機を3台つないだところ
1分間に300リットルものファインバブルを含んだ水を作ることができた。
来年をめどに海外の大規模な農場にも売り込んでいく計画である。
(高知県新産業推進課 森学課長)
「高知の産学官が集まることで様々な分野への応用や
 関連製品の開発
 こうしたものを加速化できないか。
 産業利用といえば高知が一番進んでいるという姿をイメージしている。」
大きな可能性を秘めた小さな泡ファインバブル。
高知を代表する新たな産業となるのか
地元の期待が寄せられている。


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