8月19日 おはよう日本
8月2日に石川県中能登町で開かれたファッションショー。
大人から子どもまでのモデルに交じって最も注目を浴びた女性たちは
あでやかな振り袖姿の下には義足をつけている。
このファッションショーを企画したのはフリーカメラマンの越智貴雄さん。
(フリーカメラマン 越智貴雄さん)
「彼女たちの魅力を存分にしっかりカメラに収められるようにしたい。」
普段は東京を拠点に障碍者のアスリートを撮影している。
きっかけは2000年のシドニーパラリンピック。
障害を負けずに世界一を目指して競技に取り組む姿に感動したと言う。
これまで選手たちの姿を競技の写真を通して伝え続けてきた越智さん。
しかし障碍者のアスリートへの関心はなかなか高鳴らなかったと言う。
そこで越智さんは去年ある写真集を出した。
義賊のアスリートたちのプライベートの姿を紹介。
珍しい作品に海外でも大きな注目を集めた。
(フリーカメラマン 越智貴雄さん)
「ただ競技を撮っていてはダメなんだと。
選手のストーリーであったり
そういったところを伝えてかなければいけない。
それ以外にも個性とか魅力とか伝えていかなければいけないと。
どんどん選手との関係を近くするようにしていった。」
さらに越智さんはもっと関心を持ってもらおうとこのファッションショーを企画した。
衣装は会場の中能登町の優れたプリント技術を使って製作。
袖には越智さんの写真集に使われた作品がプリントされていた。
(フリーカメラマン 越智貴雄さん)
「ここまできれいにプリントされている写真を見てうれしい。
撮影者としてすごく。」
そしていよいよ本番当日。
モデルはパラリンピックを目指す陸上の選手など義足をつけた5人である。
いずれも越智さんが東京から招いた。
(陸上アスリート 村上清加さん)
「自分が思った以上のものを撮ってくれる。
出来上がった写真を見てこんなにかっこよくなっているんだと思ったり
越智さんとの出会いは大きい。
私たちはこうして暗くなく元気にやっているところを見てもらえたらうれしい。」
会場に集まった観客は約5,000人。
越智さんが見守る中ファッションショーが始まった。
モデルたちが自分の写真がプリントされた衣装で次々と登場。
観客の目の前では1人ずつ義足を披露した。
モデルたちの生き生きとした表情に越智さんもさかんにシャッターを切る。
(フリーカメラマン 越智貴雄さん)
「彼女たちが1秒1秒会場の空気を換えていったのを感じた。
とにかく自信を持って堂々とかっこよく美しい。
これ以上ない美しさ。
すてきだった。」
ステージではモデルたちが思い思いのポーズでアピール。
彼女たちの姿に観客たちも魅了されていった。
(観客)
「前向きな方が多いと言うのが率直な意見。
もっと障碍者の方とかかわっていきたいと思った。」
(陸上アスリート 大西瞳さん)
「達成感でいっぱい。
感動した。
準備を皆さん頑張ってくれたので。
温かい拍手とかもらってこちらが勇気が出た。」
15年間障碍者アスリートを撮り続けてきた越智さん。
このファッションショーでいままでにない確かな手ごたえをつかんでいた。
(フリーカメラマン 越智貴雄さん)
「障碍者という言葉をも超越したものが伝わったと思う。
純粋に彼女たちの魅力が伝わった。
今日のファッションショーを見てくれた人で
何かポジティブな行動を起こしてみようと思うようなきっかけになるようなファッションショーになった。
大成功ですね!」