8月22日 編集手帳
単純な娯楽作品かと思えば、
さにあらず。
そんな掘り出し物に出会うのも映画観賞の楽しみだ。
大ヒット中の『シン・ゴジラ』を見て改めて思った。
ある日、
東京湾に巨大生物が現れ、
首都を急襲する。
設定は荒唐無稽だが、
対策に奔走する政治家や官僚の姿は驚くほどリアル。
真の主役はどうやら「人間」らしい。
脚本・総監督は、
アニメ「エヴァンゲリオン」の鬼才、庵野秀明さんだ。
ゴ ジラは大震災のような災厄の象徴なのだろう。
作中の日本人は荒ぶる怪獣に果敢に立ち向かう。
現実の日本も難問を抱えるが、
我々には秘めた力がきっとある。
そんなエールを送られた気がした。
各省庁からかき集められた面々が対策チームを結成するエピソードも心に響く。
日頃冷遇されていた「おたく」や変わり者たちは、
土壇場で思わぬ活躍をみせる。
なるほど、
この社会には、
機会さえ与えられれば実力を発揮できる逸材がまだまだいるはずだ。
安倍政権は「1億総活躍社会」を看板に掲げている。
オールジャパンで日本を立て直す。
それが映画の中だけの話で終わっては悲しい。
今度は政治が希望を与える番だろう。