8月29日 おはよう日本
8月14日 鹿児島県肝付町で行われたナゴシドン(町無形民俗文化財)。
住民の平穏な暮らしを願い
浜辺で舞いを奉納する伝統行事で
町の無形民俗文化財にも指定されている。
しかし踊っているのは地元の人たちではない。
県外などから来た10~20代の若者たちである。
大隅半島南東部の海沿いにある岸良地区。
この行事はもともと8種類の舞を奉納するなどにぎやかに執り行われてきた。
しかし去年参加したのは2人だけ。
奉納した舞も2種類と
存続の危機を迎えていた。
行事を守り続けてきた黒木和人さん(81)。
15歳のときに悪疫退散を祈る「薙刀(なぎなた)舞」を初めて踊った。
伝統の舞を次の世代に残したい。
今年初めてインターネットで全国から踊り手を募集した。
(黒木和人さん)
「田舎に来てくれるかどうか心配でしたが
どうしても成功させようと話し合いをしてきました。」
募集してから1か月
県内外から合わせて8人の若者が集まった。
横浜市の大学生 溝口良伸さん(23)。
岸良地区と同じ大隅半島の出身で
「過疎化が進む町を少しでも元気にできれば」と参加した。
(溝口良伸さん)
「岸良でやっていることは全国どこでもやっていることではないので
今回良い体験ができたらと。」
参加者たちはわずか1週間足らずで舞を覚えなくてはならない。
弓矢で悪を打ち払う舞を担当することになった溝口さん。
地元の経験者から舞の見せ方を習う。
長年「長刀舞」を守り続けてきた黒木さん。
教える側に回るのは今回が初めてである。
仙台から受け継いだ砂浜での舞の心得をていねいに伝えていく。
(黒木和人さん)
「岸良の舞をしてくれてよかったと言ってもらえる舞をしていただきたい。」
地域の人たちも協力した。
女性たちはボランティアで食事を準備。
夕食赤いでは地域の人たちと触れ合った。
8月14日 本番当日。
観客の数は例年の2倍以上。
溝口さんが舞う
勇壮な“山の神舞”。
そして黒木さんが守り続けた“薙刀(なぎなた)舞”。
県外から来た二十歳の大学生が舞う姿が観客の目を引きつける。
最後を飾るのは男性の参加者全員が踊る“十二人剣舞”。
(溝口良伸さん)
「“ナゴシドン”は良いものだなと本当に思ったところです。
これも新しい形としていいのではないかと僕は思っています。」
地元の伝統行事 ナゴシドン。
途絶えかけて居た地域の誇りを後世に伝えていくきっかけになった。
今回 肝付町は訪れた人たちに参加費1万円だけで
1週間分の食事や宿泊
それに温泉施設も利用できるよう
受け入れ体制を整えたということである。
町ではじm古都の人たちと話し合いながら
来年もこの取り組みを続けたいとしている。