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“五輪のブーケ”を自分の手で

2016-09-22 07:15:00 | 報道/ニュース

9月6日 首都圏ネットワーク


オリンピックでメダリストに送られる花束ビクトリーブーケ
大会ごとの特徴がある。
アテネオリンピックで贈られたのは
平和を象徴するオリーブのブーケだった。
バンクーバーオリンピックでは緑のブーケ。
カナダで失業中の女性たちが作ったものである。
“未来への希望を持ってほしい”という願いが込められている。
8月 江東区でビクトリーブーケのデザインを競うコンテストが開かれた。
テーマは
“東京オリンピック・パラリンピックでメダリストに贈るブーケ”。
「東京大会でブーケが採用されたときデザイン関わりたい」
と考える個人や業者から100点超の応募があった。
東京オリンピックのエンブレムに使わrている市松模様をモチーフにしたもの
菊を使ったブーケなど
1つ1つに作った人の思いが込められている。
(来場者)
「日本的な花を使うといい。」
「オリンピックのイメージがどんどん身近になる。
 今度の東京オリンピックが楽しみ。」
コンテストに特別な気持ちで臨んだ人がいる。
森田義男さん(44)。
団結を意味する“ユニオン”と作品を出品した。
(森田義男さん)
「選手が主役なので
 花を添える気持ちで。
 自分がデザインしたビクトリーブーケが同じ場所にあったら
 すごい喜びだろうなあと思う。」
森田さんの作業の現場は都内の福祉作業所。
発達障害や知的障害の人たちの自立を支援するために
花のアレンジメントを教えている全国でも珍しい施設である。
(施設の利用者)
「楽しい 癒される心が。」
「うまくできた。」
この作業所では
障害者に励みにしてほしい、と
東京オリンピック・パラリンピックのビクトリーブーケを作ることを目標にしている。
森田さんに取っても大きな目標である、
森田さんは6年前に脳卒中で倒れた。
今も記憶障害があり
ブーケ作りはたやすい作業ではない。
ブーケ作りではまず長さの違う花を同じ長さに切ってそろえる。
しかし1本の花を切るのに集中してしまうと
しなくてはいけない作業を忘れてしまう。
作業を忘れる度に指摘を受けながらも
必死で取り組む森田さん。
そこにはある理由があった。
妻 佳子さんの存在である。
病に倒れて以来ずっと支えてくれた。
その佳子さんに少しでも自立した姿を見せたいと考えている。
(森田義男さん)
「ここまで回復したんだというアピールになる。
 ビクトリーブーケを作ることで感謝を伝えたい。」
コンテスト前日
森田さんは出品するビクトリーブーケの制作に取り組んだ。
マリーゴールドの花を金メダルに見立てたブーケである。
しかし1つのことに集中してしまうあまり次の作業を忘れてしまい
花を組んでいくことができない。
作業を始めて6時間
ようやくブーケが完成した。
(森田義男さん)
「苦労した分いい経験になった。」
コンテストの当日
森田さんは妻の佳子さんを会場に招いた。
“ユニオン”と名付けたブーケ。
妻が教えてくれた助け合いの心が
世界に広がってほしいという願いが込められている。
(妻 佳子さん)
「歩くのもままならない時期もあったので
 よくこんなことができるようになった。」
コンテストで森田さんは入賞することは出来なかった。
しかし森田さんが目指すのは4年後。
東京大会を彩るブーケ作りを目指して
花と向き合い続ける。
(森田義男さん)
「自国でオリンピックが開催されるなんて
 生きているうちにあるかないかのチャンス。
 自分の中の理想に近いものを作りたい。」




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