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糖尿病と闘え!自転車チームの挑戦

2016-12-05 10:30:00 | 報道/ニュース

11月14日 国際報道2016


11月14日は国連が定めた「世界糖尿病デー」。
シンボルマークは青い輪である。
この輪には
「糖尿病の予防や啓発のためにみんなで団結しよう」というメッセージが込められている。
こうしたなか糖尿病と闘う人々に勇気を与えている自転車チームがある。
10月に来日しレースを戦った。

アジア最高峰の国際レース ジャパンカップ。
国内外の強豪チームが宇都宮を舞台に戦いを繰り広げる。
白と青のユニフォーム チーム・ノボノルディスク。
実はメンバーが全員糖尿病という世界で初めてのプロサイクリングチームである。
ここ数年 国際レースで上位に入賞するなど成績をあげている。
5年前にチームに加入したスティーブン・クランシー選手(24)。
アイルランドで生まれたクランシー選手は
母国で国内最優秀選手に輝くなど将来を嘱望されていたが
19歳のとき若者の発症率が高いⅠ型糖尿病を発症した。
(クランシー選手)
「本当にびっくりしました。
 何も知らなかったので。
 一度に1~2キロしか自転車に乗れないと言われ呆然となりました。」
Ⅰ型糖尿病は血液中の糖分を作れなくなる病気である。
放置すると血糖値が上がりすぎるため1日数回インスリンを注射する必要がある。
逆に血糖値を下げ過ぎても危険な状態になる。
日常生活で血糖値のコントロールが欠かせない。
クランシー選手は激しい運動を伴う自転車選手の夢をあきらめかけた。
(クランシー選手)
「パイロットとか糖尿病患者には無理とされる職業リストを渡されたのです。
 プロの自転車選手は無理と言われた時には涙が出ました。
 ベッド脇にいた母もそれを聞いて失望しました。」
ロードレース当日
競技を行う上でカギとなるのが血糖値のコントロールである。
特に注意を払うのが炭水化物による血糖値の上昇である。
運動に必要な炭水化物を制限するのではなく
どのくらい血糖値が上がるのかを計算し
それに応じてインスリン量を調整する「カーボカウント」と呼ばれる方法である。
難しいのがレース中の血糖値コントロールである。
値が高ければレース中に注射でインスリンを投与。
低ければ食べ物で補う。
センサーを装着し常に血糖値を測定するごとが欠かせない。
そんな選手の闘いに熱い視線を注ぐ少年がいる。
2年前 Ⅰ型糖尿病を発症した大原慎人(まなと)君(12)。
発症当時めまいや頭痛に襲われ
体重がみるみる減少。
一時は「みんなと同じ生活はできない」と思い詰めた。
そんなとき勇気をもらったのが同じ病気と闘う選手たちだった。
(大原慎人君)
「自分と同じⅠ型糖尿病でも
 みんなと変わらずにレースに出たり
 みんなと変わらない生活している人がいるのだよ
 ということを教えてもらった。」
今では血糖値を管理し本格的に自転車競技に挑戦している。
レース本番。
国内外の強豪16チームが参加。
チームは5人1組。
各チームにはエースがいて
他の選手はそのアシスト役である。
クランシー選手はアシスト役。
レースを勝たせるのが役目である。
全長144㎞の周回コースを走破する。
アシストの選手はエースの周りで進路の確保や風よけとなりサポートに徹する。
(監督)
「エースを上位集団に残せば
 ゴール前の争いで勝負できるはずだ。」
エースの代わりに補給を受け取るクランシー選手。
ボトルには血糖値を上げるジェルがついている。
ボトルをエースに渡し体力を温存させるのもアシストの仕事である。
作戦どうり上位集団につけるエースの選手。
スタートから3時間46分
トップの選手がゴール。
それを追うこと43秒後にチームのエースがゴール。
ゴール前のラストスパートで競り勝ち堂々の8着である。
(クランシー選手)
「来年は元雄いい成績を残したい。
 エースを表彰台に上げたい。
 それだけの力はある。」
エースを見ていた慎人君
夢はチームに加わることである。
(大原慎人君)
「病気を抱えながらみんなと戦えているところがものすごくカッコいい。
 これから練習して
 チーム・ノボノルディスクに入れたらと思う。」
血糖値さえコントロールすれば夢をあきらめる必要はない。
国境を超えた希望の輪が広がっている。
(クランシー選手)
「糖尿病へのネガティブなイメージに縛り付けられないことが大切です。
 私は糖尿病でも夢だった自転車になれました。
 スポーツであれ
 日々の生活であれ
 糖尿病に目標を阻まれる必要はないのです。」




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