11月19日 経済フロントライン
全国各地を走る観光列車。
車両やサービスにそれぞれの地域の特色を打ち出している。
「ななつ星in九州」は
一流の料理人が地元の食材を使った料理を提供するサービス。
「伊予灘ものがたり(愛媛)」は
絶景ポイントで列車がスピードを緩めたり一時停止したり。
観光列車を次々と導入している会社のひとつが関西の私鉄 近鉄である。
3年前 最初に導入した「しまかぜ」。
大阪 京都 名古屋を出発し
伊勢志摩地域をめぐる。
平均の乗車率は90%である。
料金は通常の特急よりも千円ほど高め。
しかし座席の前後の幅が広いためゆったり座ることができる。
沿線の特産を使った様々な食事。
主に女性客をターゲットにしている。
(乗客)
「贅沢っていうの 幸せを感じますね。」
「普通の特急とは全然違う。」
「飛行機のファーストクラスみたいだねって。」
近鉄が観光列車に力を入れるのは通勤・通学客の利用が減ってきているからである。
背景にあるのは人口減少と高齢化。
全体の乗客数は20年前に比べ3割近く減少している。
(近畿日本鉄道 観光事業統括部 下釜恭道課長)
「乗客の減少を補っていかなければならない。
定期以外の客
特に観光の客を取り込むことで鉄道会社の収益を確立していきたい。」
そこで「しまかぜ」の他にも観光地を結ぶ列車を次々に運航することにした。
伊勢志摩地域を走る「つどい」。
3両すべてに子どもの遊び場を作った。
親子連れに乗ってもらい沿線にある観光施設の利用促進を狙っている。
(乗客)
「こういう列車があると来たいと思います」
さらに今年9月に運航を開始したのが「青の交響曲(シンフォニー)」。
大阪と奈良の吉野を結ぶ。
ターゲットはシニア世代が中心である。
バーカウンターを用意しお酒を豊富に取り揃えている。
観光列車による売り上げは全体から見ればわずかだが
減収を補う1つの手段として今後も力を入れていく方針である。
(近畿日本鉄道 観光事業統括部 下釜恭道課長)
「地域によって素材が違いますので
いろいろな観光特急ができる。
興味を持っていただいて
鉄道の旅の需要が全体のパイとして上がっていく。」