11月16日 おはよう日本
10月 京都市の中心部で行われた警察の夜間パトロール。
2人1組で
一見するとこれまでのパトロールと違いがないように見えるが
そのやり方は大きく変わっている。
パトロールに出る前に警察官たちはパソコンをチェックするようになった。
「この辺ね 発生予測。
この周辺を綿密に警ら(パトロール)します。」
いつどこでどのような犯罪が発生するか
あらかじめ予測してから出かける。
それを可能にしたのが全国で初めて導入された“予測型犯罪防御システム”である。
10年前から蓄積され今も日々増えていく10万件を超える膨大な犯罪発生情報
いわゆるビッグデータ。
これに独自の計算式を当てはめることで
どのような犯罪がいつ発生する可能性が高いのか
エリアごとに予測できる。
エリアは犯罪の種類ごとに150m四方の範囲で色分けされ
その犯罪が発生する可能性が高いほど色が濃くなる。
こうしたエリアを重点的にパトロールし犯罪の防止を目指す。
この日警察官たちはシステムが性犯罪が起きると予測したエリアに向かった。
特に可能性が高いと予測された場所ではふだん使わない赤色灯を点灯。
あたり一帯に警察が警戒していることを知らしめる。
他のチームが警戒するのは「車上狙い」。
住宅が立ち並ぶエリアで発生が予測された。
薄暗いコインパーキングに留めてあった車が被害に遭っていないか念入りに見回る。
「簡単に時間帯と犯罪の種類を指定して
検索したらすぐに予測結果が出るので
効率的かなと。」
京都府警がモデルにしたのはアメリカ西部カリフォルニア州のサンタクルーズ市警である。
5年前に犯罪予測システムを導入。
その判断に忠実に従ってパトロールを実施することで
犯罪の発生率を2割近く減らすことに成功した。
京都府警では去年3月に現地を視察。
システムがいかに力を発揮するか目の当たりにした。
(刑事企画課 情勢分析支援室 田中智士室長)
「効果があると肌身で感じることができた。
究極の犯罪の抑止対策のひとつの方法が“予測”。
犯罪がエスカレートする前に犯人を捕まえる。」
都府警はこのシステムをベースにさらに防犯対策を強めたいとしている。
アメリカの警察が原則 システムの予測に忠実に動くのに対して
京都府警は日本の警察が培ってきた現場の警察官たちの知恵や工夫も加え
パトロールの方針を柔軟に変えてもいいと指導している。
(刑事企画課 情勢分析支援室 田中智士室長)
「経験や知識が要らないということではなく
相乗効果で2つを組み合わせて使ってもらえたらなと。」
未来の犯罪を予測し先回りする。
新たな警察活動に向けた試みが始まっている。