12月2日 おはよう日本
京都には見事に剪定された神社やお寺の紅葉を楽しみに全国から観光客が訪れる。
市内の街路樹も美しい景観を楽しむことができる。
街路樹にも京都の造園職人たちの技が生かされている。
京都の街路樹を手際よく剪定する人たち。
普段は由緒ある神社仏閣の庭を手入れするプロの造園職人である。
世界遺産の銀閣寺や二条城など庭園づくりに携わっている。
碁盤の目のように通りが張り巡らされた千年の都 京都。
東西南北を貫く通りに沿って84万本の樹木が植えられている。
冷え込みで色づき
街の景観に色どりを与えている。
(観光客)
「うっとりします。」
季節感と安らぎをもたらす街路樹だが例外もある。
道路標識や信号が見えにくく通行の妨げになることも。
また落ち葉も多く
厄介者として見られがちだった。
そこで活躍するのがプロの造園職人である。
京都市の依頼を受け
17の業者が街路樹の選定を任された。
長い歴史の中で庭園文化を育んできた京都の剪定技術を生かそうというのである。
その1つが「透かし剪定(すかしせんてい)」と呼ばれる技術である。
枝の数を減らしながら樹木全体の形を維持する高度な剪定技法である。
中心から枝葉をバランスよく残していく。
経験と感性に裏打ちされたこの技法は
樹木の成長や日光の入り方も計算されている。
職人の手際の良さが街の風景を変えていく。
(造園職人)
「観光に来た方が神社仏閣を見る途中
街路樹がきれいに手入れされている感触を味わっていただきたい。」
(沿道の人)
「伸びた髪を切ったようにすっきりした。
ここに住む人も毎日すっきりした思いで見ている。」
完成した透かし剪定の樹木は日光と影が適度の混ざりあい
通りが淡い光に包まれる。
夏の終わりから京都市内のいたる所で続いてきた造園職人による剪定作業。
秋の冷え込みが街路樹の葉の色を塗り替えていく。
(観光客)
「色が鮮やかになっているのが印象的。」
(イギリス人観光客)
「赤や黄色など色彩が豊富。
イギリスの街路樹とは違う。」
京都の町に長く息づく街路樹。
いにしえの都に受け継がれたもてなしの心が
街路樹1本1本に散りばめられている。