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オーストラリア 日本語でも授業 バイリンガル小学生

2016-12-20 07:15:00 | 報道/ニュース

11月26日 おはよう日本


オーストラリアでちょっと変わった公立の小学校が注目を集めている。
特徴は
小学校のすべての授業を母国語の英語だけでなく
縁もゆかりもない日本語でも行うバイリンガル教育である。
この異色の組み合わせによる教育ががさまざまな効果を呼んでいる。

「おはようございます。」
オーストラリア東部ブリスベーンにある州立ウェラーズビル小学校。
3年前からすべての教科を英語と日本の2つの言語を半分ずつ使って学んでいる。
この日の3年生の詩の授業は英語で行われた。
しかし次のオーストラリアの地理の授業になると日本語で学ぶ。
「この州は?
 みんなで せーの・・・」
「クイーンズランド州!」
全校生の3割にあたる261人の児童が
こうしたバイリンガル教育で毎日勉強している。
ほとんどがこれまで日本と全く縁がなかった子どもたちである。
♪ はこう はこう 鬼のパンツ
 あなたも私もあなたも私も
この学校があるクイーンズランド州では
それぞれの学校が独自のプログラムで教育することを推奨している。
日本語のバイリンガル教育を導入したジョン・ウェブスター校長。
かつて日本人の学生をホームステイで受け入れたウェブスターさん。
そのときの経験から
英語とは構造も考え方も異なる日本語を学べば
異文化への理解が深まるとともに思考力も養われると考えたのである。
(ジョン・ウェブスター校長)
「このプログラムを導入する前
 私たちの学校にはオーストラリアという1つの物差ししかありませんでした。
 バイリンガル教育は家庭では
 決して得られない経験を子どもたちにもたらしてくれると思うのです。」
子どもたちが一番好きな授業はそろばん。
「15円なり 5円なり 9円では?」
授業では子どもたちが日本語に関心を持ち続けられるよう
さまざまな工夫をしている。
算数の授業の一環として行われるそろばんは正しい発音の練習にもなる。
「ねがいましては
 19円なり・・・」
(小学生)
「そろばんは楽しいと難しい。
 「10けたが難しい。」
「5439円です。」
「はい よくできました。」
早く答えられたり成績が良かった時のご褒美は
日本の子どもたちにもおなじみのビー玉。
3年生のイライザ・プレスコットさん。
バイリンガル教育の1期生として日本語を3年間学んできた。
今では学校の紹介ビデオに起用されるまでに上達した。
はじめまして。
私の名前はイライザ・プレスコットです。
日本語の授業は全部日本人の先生が日本語で教えます。
母親のセーラさんは
日本語を学び始めた娘に変化が見え始めたという。
(母 セーラさん)
「日本の文化を学ぶことで
 相手への尊敬の念を持つようになりました。
 食事のときも『いただきます』と感謝の言葉を口にするんです。」
(イライザ・プレスコットさん)
「(日本語を)やめたくなったことは一度もありません。
 日本でどんな暮らしをしているのか学ぶのはとても面白いです。」
プログラムを導入して3年。
学校はその教育の効果が少しずつ見えてきたと考えている。
今年5月に行われた英語の読解や文法の理解度をはかる全国学力テストの結果。
最も良い成績を示す「6」をとった児童の数を比べると
日本語も同時に学ぶ児童が
英語だけで学ぶ児童を上回ったという。
(ジョン・ウェブスター校長)
「脳が発達する前の幼いうちに2つの言語を学んだ子は
 良識ある賢い人間に育っていきます。
 バイリンガルで教育することは子どもにとっても学校にとっても大切なことなのです。」
♪ この大空に翼を広げ
 飛んでいきたいよ
日本語と英語という全く異なる2つの言語で学ぶ子どもたち。
その成長の様子は地域の人たちにも見守られている。
(生徒の母親)
「子どもたちが異なる文化を理解し
 楽しみながら2国の懸け橋になるなんて
 素晴らしいことだと思います。」
オーストラリアで始まったバイリンガル教育。
この町からどれだけの子どもたちが羽ばたいていくのか
熱い視線が注がれている。

この小学校では2020年までに
全校生徒が英語と日本語による授業を受けられるようにしていきたいということである。

 

 

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