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若者が夢を描ける舞台を

2016-12-29 19:00:00 | 編集手帳

12月26日 編集手帳

 

 大学を出て、
大企業に入るという価値観への異議申し立てか。
サラリーマンを拒み、
「なんとかする会社」を始めた若者らがもがきながら生きていく。
往年の人気ドラマ『俺たちの旅』である。

会社といっても4人だけの便利屋だから、
もうからないが、
束縛もない。
独立独歩の生き方が同世代を引きつけたのだろう。
〈あゝ青春は燃える陽炎(かげろう)か〉との劇中歌の一節が印象に残る。

放送開始の少し前、
その『あゝ青春』(松本隆作詞)で始まる野外コンサートがあった。
作曲した吉田拓郎さんが熱唱し、
「かぐや姫」も交えて熱狂は12時間に及んだ。
1975年の夏、
6万5000人を集めたフォーク全盛期の情景である。

その会場だった「つま恋」(静岡県掛川市)にきのう幕が下りた。
音楽文化を発信した複合施設の終焉(しゅうえん)に時の移ろいを思う方も多かろう。
価値観は多様化し、
働くかたちも変わった。
非正規雇用が増え、
若者は生きづらさにもがく。

「みんなで夢を見ました」。
かぐや姫の南こうせつさんは、
あの日をそう語る。
いまこそ若者が夢を描ける舞台が要る。
ゆらめく陽炎の感傷に沈んでもいられない。



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インド 経済成長“神聖な牛”に深刻な影響

2016-12-29 07:15:00 | 報道/ニュース

12月3日 おはよう日本


国民の8割がヒンドゥー教徒のインド。
寺院には神々とともに牛の姿が描かれている。
牛は神々の遣いで
古くから大切な動物と考えられている。
インドの首都 ニューデリー。
都市部でもいたるところで牛が悠々と暮らしている。
しかし今この大切な牛たちの命が脅かされる問題が起きている。
それは増え続けるゴミである。
牛たちが食べているのはプラスチックのゴミ。
インドでは消費が増え続ける一方で
ゴミ処理施設の整備が遅れていて
街中に放置されたゴミが目立つ。
プラスチックを食べた牛が死んでしまう事故が相次いでいる。
インドでは路上で弱った牛を保護する施設がある。
(保護施設スタッフ)
「今ここでは20頭ほどの牛を保護しています。
 年中無休の24時間体制で
 弱った牛がいるとの連絡があれば専用の救急車で救助しています。」
プラスチックのゴミを食べた牛の治療は手術に至るケースもあるという。
牛が危機にさらされている事態を受け
インド政府も動いた。
環境問題のイベントを開いて首相自ら訴えた。
(インド モディ首相)
「たくさんの牛がプラスチックを食べて死んでいます。
 プラスチックを道に捨てないでください。」
こうした事態を打開しようと動き出した企業も出ている。
南部チェンナイにあるプラスチック袋を製造する工場。
ここで開発されたのが土の中で分解される袋である。
原料には小麦や豆から作った特殊な酵素が混ぜられている。
捨てられても土の中の微生物に分解されるためゴミとして残らない。
(工場長)
「この分解される袋を広め
 通常のプラスチック袋をなくすことで
 社会に貢献したいと思っています。」
この袋は大手ファストフード店などで採用されたほか
海外からも注文が相次いでいる。
さらに使い終わってもゴミにならないという商品も出てきた。
“食べられる”スプーン。
南部ハイデラバードにあるスプーン工場。
原料はすべて食料品。
小麦や米を混ぜ合わせ粘土状にしたうえで型に入れていく。
そして巨大なオーブンを使って高温で焼き上げる。
熱い食べ物の中に入れても溶けることはない。
さらにスパイスや砂糖などが練り込まれたさまざまな味のスプーンもある。
(スプーン製造会社 社長)
「このスプーンをインドに住む10億人に使ってもらえれば
 年間5,500万トンのプラスチックゴミを削減できます。」 
神聖な牛を守るために始まった取り組み。
インドの人たちの環境への意識も変えようとしている。

 

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